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🌿Vol.275 日々暑いなか、ヴァータが増幅する理由——夏に潜む、もうひとつの乱れ



夏は、アーユルヴェーダではピッタ(火・水のエネルギー)の季節とされる。

でも実際に過ごしていると、ヴァータの乱れも同時に感じることが多い。なぜだろうと考えてみた。

汗が奪う、水分と潤い

暑さの中で汗をかくと、体内の水分と体液が失われていく。

乾燥は、ヴァータの代表的な性質そのものだ。汗をかくたびに、知らず知らず、体はヴァータ寄りの状態に傾いている。

冷房という、「冷・乾・動」の環境

屋外の暑さと、室内の冷房を一日に何度も行き来する。

この温度差そのものが、ヴァータを乱す大きな要因になる。特に冷房の風は、冷たく・乾いていて・絶えず動いている。ヴァータの性質(冷・乾・軽・動)を、そのまま環境が再現しているような状態だ。

涼しさを求めて逃げ込んだ場所が、実は別のドーシャを増幅させている。

食欲不振は、ヴァータだけの問題ではない

夏になると食欲が落ちる、という話をよく聞く。

これはヴァータの不規則さの表れとして語られがちだが、実はカパの側面も関わっている。

アグニ(消化の火)そのものが鈍くなっている状態——これはカパの「マンダ・アグニ(鈍い火)」の特徴そのものだ。暑さでからだが重だるくなり、食べる気力そのものが落ちていく感覚は、ヴァータの乱れというより、消化の火が弱っているカパ的な状態に近い。

つまり夏の食欲不振には、二つの側面がある。

不規則に食べたり食べなかったりする「ヴァータ的な乱れ」と、火そのものが鈍って動かない「カパ的な停滞」。同じ食欲不振でも、原因が違えば対処も変わってくる。

睡眠の乱れと、軽装がもたらすもの

寝苦しさによる浅い眠り、不規則な就寝時間も、ヴァータを乱す要因になる。

さらに、夏は薄着になる季節でもある。皮膚が外気に触れる面積が増えることで、風や乾燥の影響を直接受けやすくなる。

軽やかな装いは涼しさをくれる一方で、ヴァータへの防御を薄くしているとも言える。

夏は、二つのドーシャが同時に揺れる季節

夏はピッタの季節、と単純に括ってしまうと、見落とすものがある。

現代の暮らし方——冷房、冷たい飲食、不規則な生活——が、ピッタの熱に加えて、ヴァータの乱れや、カパの停滞まで同時に引き起こしている。

一つのドーシャだけを見て対処しようとすると、うまくいかないことがある。今、自分の中でどのドーシャが、どんな形で揺れているのか。夏はそれを、丁寧に見極める季節なのかもしれない。

🌿締めのひとこと


最後まで読んでくださり、ありがとうございます。コメントやフォローで、ぜひあなたの『暮らしのテーマ』も教えてください。ゆるやかに、光と風のように——。


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