皿が回り、会議が続く島の1週間 【島小②#06】/離島の小学校編Season2 06
欠航の朝に始まり、思いがけない出来事に和まされ、夜は会議が続きました。
新年度の時間が動き出す、島の学校の1週間です。
前回の話👇
◆本シリーズについて(初めて読んでいただく方へ)
今から約20年以上前、2002年(平成14年)4月、県で唯一の離島にある小学校に赴任しました。
車も信号もなく、連絡船は1日3往復が命綱の島でした。
海の荒れる日は、移動そのものが大きな出来事になります。
島の仕事や暮らしは、天候と船の都合に大きく左右されていました。
少ない職員で学校を回し、小中の宿舎で生活をともにする日々が続きました。
予定通りにいかないことが、特別ではなく日常です。
また、島にはインターネット接続はなく、デジタルデバイドは広がっていくばかりでした。(※離島のデジタルデバイド編参照)
そんな中でも,総合的な学習の時間で子どもたちに自信をもたせてやりたいと考え,取り組んできました。(※離島の総合的な学習の時間編①参照)
そんな背景となるこの島での小学校編では、授業や行事だけでなく、島ならではの工夫や出来事、ここでしか味わえない体験の数々を、小さな学校と暮らしの記録として綴っていきます。
いよいよ2年目2003年の、Season2(2年目)4月のお話です。
離島の小学校編Season1(1年目の記録)マガジンはこちら ※
本文中の地名・固有名詞は一部仮名としています。
1 風と欠航から始まる週
月曜日、強い風が吹き、連絡船はこの日1往復だけで欠航となりました。
それでも小学校の教員は全員、前日のうちに島へ渡っていたため、学校は特に混乱もなく、いつも通りの1週間が始まりました。
島の暮らしでは、船が出るかどうかが一日のリズムを決めます。
欠航という言葉に慣れてきた自分に、いつの間にか島の時間が染み込んでいることを感じました。
2 朝会に現れた意外な道具
その日の全校朝会で、校長先生の話の途中、いきなり意外なものが登場しました。 プラスチック製の皿回しセットです。
本物の皿ではありませんが、子どもたち1人1人に行き渡るよう、人数分を用意してきたとのことでした。
朝会の場に似つかわしくない道具に、体育館の空気が一気に和らぎました。

3 回してみるとわかる面白さ
実際にやってみると、これが思った以上に面白いものでした。
コツは、回す棒をできるだけ長く持つことです。
何度か試すうちに、ほぼ確実に回せるようになってきます。
子どもたちもすぐに夢中になり、これはそのうち一つの芸として身に付けられそうだと感じました。
新しく来られた校長先生は、こうしたちょっとした遊びで、子どもたちの気持ちをつかんでいくようです。
4 会議と通信のあいだで
翌日、5・6校時の総合的な学習の時間と帰りの会が終わると、16時から隣の中学校で小中合同の職員会議がありました。
あさって夜に予定されているPTA総会で、保護者に相談する内容を整理するための会議です。
話し合いは多岐にわたり、気がつけば18時を過ぎていました。
会議が終わると急いで小学校へ戻りました。
19時までの衛星インターネットの回線が切れる前に、どうしても総合的な学習の時間に関するメールを送っておきたかったのです。
慌ただしく作成して送信し、何とか間に合いました。
総合的な学習の時間も、とりあえず動き出しました。
先の見通しはまだはっきりしませんが、子どもたちにつけたい力を軸に進めていこうと考えています。
5 顔と名前が一致する夜
2日後の夜19時30分から、PTA総会が開かれました。
昨年は赴任したばかりで、修学旅行の話をするだけでも少し緊張していたことを思い出します。
それに比べると、この日は出席している保護者全員の顔と名前が自然に浮かび、気持ちにも余裕がありました。
まず小中合同の総会が行われ、体育館使用に関する議題で、いつもより時間をかけて話し合いがありました。
その後、小中別々の総会となり、事業報告や計画、会計報告、予算案の審議が進められました。
最後に、今年度の交歓学習についての話を私のほうからさせてもらいました。

この日の昼間には校内研修もあり、検討事項が重なっていたこともあって、終わる頃にはさすがにどっと疲れを感じました。
それでも、島の学校での1年目を越え、確実に次の段階に入っていることを実感した夜でした。
※ 次回に続く・・・👇
離島の小学校編Season2(2年目2003年度)👇👇
離島の小学校編Season1(赴任1年目2002年度)👇👇👇
いいなと思ったら応援しよう!
応援いただいたお気持ちは、子どもたちの学びを物語として発信し続ける力となり、教育の現場で役立つヒントへとつなげていきます。