島の2年目、釣りとピザと 【島小②#05】/離島の小学校編Season2 05
前回は、生徒指導の発表を担当することになり、島の子どもたちを育てるための研修計画を考えるところまでを書きました。
その合間にあった、港での釣りと、祝日の教室でのピザづくり。
今回は、島での2年目にすっかり馴染んできた、そんな日々の一コマです。
前回の話👇
◆本シリーズについて(初めて読んでいただく方へ)
今から約20年以上前、2002年(平成14年)4月、県で唯一の離島にある小学校に赴任しました。
車も信号もなく、連絡船は1日3往復が命綱の島でした。
海の荒れる日は、移動そのものが大きな出来事になります。
島の仕事や暮らしは、天候と船の都合に大きく左右されていました。
少ない職員で学校を回し、小中の宿舎で生活をともにする日々が続きました。
予定通りにいかないことが、特別ではなく日常です。
また、島にはインターネット接続はなく、デジタルデバイドは広がっていくばかりでした。(※離島のデジタルデバイド編参照)
そんな中でも,総合的な学習の時間で子どもたちに自信をもたせてやりたいと考え,取り組んできました。(※離島の総合的な学習の時間編①参照)
そんな背景となるこの島での小学校編では、授業や行事だけでなく、島ならではの工夫や出来事、ここでしか味わえない体験の数々を、小さな学校と暮らしの記録として綴っていきます。
いよいよ2年目2003年の、Season2(2年目)4月のお話です。
離島の小学校編Season1(1年目の記録)マガジンはこちら
※本文中の地名・固有名詞は一部仮名としています。
1 今年度最初の釣りへ
金曜日の夕方、中学校の先生に誘われ、今年度初めての釣りに出かけることになりました。
イカはまだ早い時期なので、例によってソフトルアーを使ったガガネ釣りです。
この日は大潮だったため、満潮の時刻を見計らい、17時30分から港に入りました。
釣りを始めてしばらくすると、担任している子どもたちもやってきて、自然と一緒に竿を出す流れになりました。
学校の中だけでなく、こうして港で同じ時間を過ごすのも悪くないなと思いながら、ワイワイ言い合って釣りを続けました。
この時間の釣果は、ガガネが2匹でした。

2 潮待ちと、島らしい釣果
19時頃、満潮で潮が止まる時間帯になったため、一度食事に戻ることにしました。
そして、潮が再び動き出す20時頃、もう一度港へ向かいました。
今度は港の中を歩きながら、ポイントを変えて釣っていきます。
結果は、ガガネが3匹と、小さなメバルが1匹でした。
数は多くありませんが、ガガネはどれもサイズが良く、平均して大きいと感じます。
やはり、こういうところは島ならではだなと思いました。
ちなみに、中学校の先生はこの日はあまり釣れなかったようです。
私自身も、釣ったというより、釣れたという方が正しい気がします。
2年目ということで、すっかり島での息抜きとして定着した気がしていました。
3 祝日授業参観に向けたピザづくり
翌週の祝日は、午後から耳鼻科検診が入っていたため、授業日となっていました。
給食が出ないこともあり、その代わりに調理実習を行うことになり、今回は私が担当することになりました。
前年の手打ちうどんでは教頭先生が指導してくださっていたので、今回はその流れを受けての役割です。
ピザづくりに決め、生地を粉から作る方法を探しました。
調べていく中で、ネット上の「あるある大辞典」というサイトで紹介されていたレシピを見つけ、これなら焼き上がりまで15分という手軽さでした。
問題は、学校にある調理器具が簡易なオーブントースターだけだという点でした。
4 学校でできる方法を探して
レシピでは、ガスレンジの魚焼きグリルを使う方法が紹介されていました。
そこで、まずは自宅で試作をしてみることにしました。
ポイントは、イーストとはちみつ、38度のお湯を使うことです。
強力粉と薄力粉、ベーキングパウダー、サラダ油を混ぜて生地を作ります。
発酵は、生地を袋に入れて38度のお湯で5分温めるだけで済み、ここまでは順調でした。
しかし、オーブントースターで焼くと、どうしてもパサついた仕上がりになってしまいました。
そこで、魚焼きグリルで焼いてみたところ、これが大成功でした。
チーズにはしっかりと焦げ目がつき、生地はパリッとしながらも中はしっとりとした弾力があります。
この方法なら、学校でも何とかできそうだと感じました。
その日の午後には、交流学習用の掲示板も設置でき、気にかかっていたことが一つ片付き、少しほっとした気持ちで島に渡りました。
5 祝日の教室で焼いたピザ
みどりの日は世間的には休日でしたが、島の学校では授業日です。
離島では、校医さんの都合に合わせて検診が休日に行われることも珍しくありません。
そんな中で、事前に試していたピザづくりを、いよいよ学校で行いました。
給食がないこと、そして調理員さんにも出勤していただくことを目的にした実習です。
生地は短時間で無事に発酵し、用務員室のレンジ台に付いていた魚焼き用グリルを使って焼くことにしました。
トッピングは学校である程度用意し、子どもたちにも1品ずつ持ってきてもらいました。
アオリイカ、サラミ、エビ、明太子など、いろいろな具材が集まりました。
私は最初に生地の作り方を実演しながら説明した後、ひたすらグリルの前で焼く係に回りました。
暑さは相当なものでしたが、1年生や2年生の子どもたちが私をうちわであおいでくれました。(笑)

グリルで焼いたピザは、本当においしく仕上がりました。
給食とは違う形でしたが、子どもたちは楽しそうに実習に取り組んでいました。
祝日の教室で、島らしい時間がまた一つ積み重なったように感じました。
※ 次回に続く👇
離島の小学校編Season2(2年目2003年度)👇👇
離島の小学校編Season1(赴任1年目2002年度)👇👇👇
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