忙しさの中で進み始めた二月【島小#28】/離島の小学校編 28
島での暮らしを立て直しながら迎えた二月。
学校の中では行事が重なり、教室の外でも、島の環境整備に向けた動きが、静かに進んでいました。
※前回の記事はこちら 👉「泊勤務という生活が教えてくれたこと」
◆本シリーズについて(初めて読んでいただく方へ)
今から約20年以上前、2002年(平成14年)4月、県で唯一の離島にある小学校に赴任しました。
車も信号もなく、連絡船は1日3往復が命綱の島でした。 海の荒れる日は、移動そのものが大きな出来事になります。
島の仕事や暮らしは、天候と船の都合に大きく左右されていました。
少ない職員で学校を回し、小中の宿舎で生活をともにする日々が続きました。
予定通りにいかないことが、特別ではなく日常です。
授業や行事だけでなく、島ならではの工夫や出来事、ここでしか味わえない体験の数々を、小さな学校と暮らしの記録として綴ってます。
※本文中の地名・固有名詞は一部仮名としています。
1 年度末へ向かって動き出す学校
職員会で、二月の行事について話し合いました。
体験入学で新一年生と過ごす会。
六年生を送る会。
その後に予定されている野外活動、飯ごう炊飯。
さらに、今年度初の試みとなる参観授業日での全校親子調理。
行事が目白押しです。
話し合いが進むにつれ、予定表の空白が次々と埋まっていきました。
そして、職員会の最後に、私はひとつだけ、今進めていることを伝えました。
島内でパソコンを使い、情報を発信していくプランです。
「そのうち」では間に合わず、今、手を付けなければ前に進まない段階に来ていました。
1月の終わりに参加した研修で見た教室の姿が、その判断を静かに後押ししていたのかもしれません。
2 六年生と迎える、節目の季節
1月の終わりから、2月のはじめにかけてのことです。
気づけば、卒業まで残された時間は、もうわずかでした。
六年生担任として、卒業式に向けた計画を立てる必要があります。
それに加えて、この学校では卒業文集と学校文集を兼ねた冊子をつくるのが慣例で、その担当も私でした。
保護者や旧担任の先生方へ寄稿をお願いする文書を作成し、発送に向けた準備を進めます。
期限のある仕事は、待ってくれません。
けれど同時に、すべてを教師がやってしまってよいのだろうか、という迷いもありました。
児童数が多ければ、文集委員を立て、子どもたち自身が編集に関わります。
しかし、この学校は小規模校です。
前年度の資料を手がかりに、私が中心となって作業を進めることになりました。
校長先生は、「思い切って内容を変えてみてもいいよ」と声をかけてくださいました。
ただ、赴任一年目でもあります。
まずは、これまで積み重ねられてきたやり方を一度やってみようと考えました。
それでも作業を進める中で、このままでよいのだろうかという思いが、何度も頭をよぎります。
本年度は教師が担い、来年度は六年生の児童に編集委員として関わらせてみるればどうか。
文集づくりそのものを、卒業へ向かう学びの一つとして位置づけることもできるのではないか。
そんな展望が、少しずつ形になり始めていました。
3 振替休日に進んだ、もう一つの仕事
月曜は、翌日の建国記念日に実施する授業参観日の振替休日になっていました。
が、私は冬季特別勤務当番のため、この日の朝10時には自宅を出ました。
でも、カレンダー通りの飛び石の休みになるよりは、かえってゆっくりできたようにも感じます。
港までの国道は平日ということで工事もあり、思いのほか混み合っていました。
余裕を持って出たはずが、途中で財布を忘れて取りに戻るなど、落ち着かない移動になりました。
それでも海上は穏やかで、13時前には島へ戻ることができました。
翌日は授業参観日でしたが祝日のため、学校の衛星通信は使えません。
今日なら大丈夫です。
業者への発注メールも出しておきたかったことから、昼食後、学校へ向かいました。
今回は、運び忘れていた旧型パソコンのディスプレイも持参しました。
いずれ計画しているイントラネットのプロジェクトで使う予定のものです。
待合室からアンテナ接続場所までの距離を、巻き尺で測る作業も行いました。

学校では文集関係や卒業式関係の仕事が、思いのほか進みました。
授業がない分、事務作業に集中できる時間でもありました。
3便で来られた校長先生や他の先生方とも相談を重ね、気づけば最後に学校を出るのは私になっていました。
しかし、週の初めに仕事が片づいていると、この一週間を少し余裕をもって過ごせそうな気がします。
これも、前日に自宅でゆっくり休めたからかもしれません。
オンとオフの切り替えは、やはり大切だと感じました。
4 祝日の参観日と、手打ちうどん
翌日、建国記念の日は、授業参観日でした。
前回に続いて全日公開とし、いつ、どの時間に来ていただいてもよい形です。
せっかくの機会なので、親子で一緒に体験できることを考え、手打ちうどんづくりを行いました。
給食が止まっていることもあり、昼食を兼ねた活動です。
1時間目は、小麦粉に水と塩を混ぜ、ビニール袋の中でこね、足で踏んでこしを出しました。
2時間目、3時間目は授業の間に生地を寝かせ、4時間目に麺棒で延ばして切っていきます。
低学年は、おにぎりづくりを担当しました。

やってみて、切る工程が一番大切だと感じました。
太さが均一でないと、ゆで上がりに差が出ます。
少し細いかな、と思うくらいがちょうどよいようです。
結果的に、みんなでおいしく食べることができました。
この日は祝日のため、拠点局が休みで、ネットはつながりませんでした。
卒業式関係の職員会議も行われ、学校全体が、いよいよ忙しい時期に入っていくことを実感しました。
※ 次回に続く・・・👇👇
これまでの離島の小学校編は,マガジンで👇👇
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