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島の問いを抱えて、2005年の教室へ【研#06】/研修で出会う探究の風景

2003年1月。
当時の私は、総合的な学習でデジタル図鑑を完成させた一方で、「島の人にどう届けるか」という壁にぶつかっていました。
その問いを抱えたまま、島の外へ出て参加したのが、今回の自主研修です。

実際のつながりは、島のデジタルデバイド編11からつながります。

  • 図鑑完成と“届かない”矛盾が浮かび上がる回【島ICT#11】👇

  • (参考)デジタル図鑑完成の様子👇👇


1 島の宿舎で整えた、研修への支度

冬季特別勤務のため、昼の便で島に渡った日。
宿舎で荷物を広げながら、私は来週末に控えた自主研修の準備を進めていました。

参加を決めていたのは、「2005年の教室を考える会」という勉強会です。
2003年当時の学校現場に立ちながら、 2年後の2005年の教室環境を先取りして考えることを目的とした会でした。

ここで言う「環境」とは、 コンピュータやネットワークといった機器整備だけを指すものではありません。
教室での学びの進め方、人と人との関係、 学校と社会のつながり方まで含めて、 教室のあり方そのものを問い直そうとする試みでした。

私は今回が初参加で、もちろん自費での参加です。
前夜には自己紹介用の文章をまとめ、事務局へメールで送りました。
この日は宿舎で名刺も作りました。

名刺には、メールアドレスと、 自分の実践をまとめているWebページのURLを載せました。
画面の向こうでやり取りしてきた人たちと、 実際に顔を合わせることになる。
そう思うと、自然と準備にも力が入りました。

この会では、これまで別メーリングリスト上でやり取りしてきた方と、初めて直接会えることも分かっていました。
会そのものにも専用のメーリングリストがあり、1月初めから始まって、すでに300通近いメールが飛び交っていました。
おかげで、 島の宿舎での携帯データ通信料金が、 少しかさんでしまいました。(笑)

それでも、
「この人たちに会ってみたい」
「この場に行けば、何かが動くかもしれない」

そんな思いの方が勝っていました。


2 実践を荷物に詰めて、島を出る

出発前日。
翌朝一番の飛行機に乗るため、その日のうちに島を出る必要がありました。風は強く、少し嫌な予感もありましたが、連絡船は無事に出航。
ほっとしながら自宅に戻り、最終の準備に取りかかりました。

この会では、各地の参加者が地域の名産を持ち寄ると聞いていました。
私は、これまで取り組んできた実践の象徴として、 例の和菓子を持参することにしました。
それは、以前、本土の学校で進めていた和菓子プロジェクトで、 商品化まで関わった和菓子屋のものです。

会には200人近く集まるそうなんですが、とりあえず100個ということでお願いしていました。
しかし,最初は100個の予定でしたが、ML(メーリングリスト)の中の やり取りの中で「どうせなら」と120個に増やすことにしました。
ただ、120個の和菓子は想像以上に重たい。
そこに実践資料も加わります。

これまでの研修参加で、 これほど荷物の多い移動は初めてでした。(笑)
それでも、全国の実践者から学び、 ネットワークを広げたいという思いの方が勝っていました。


3 空から見た島と、研修のはじまり

当日の朝、7時40分発の飛行機で出発しました。
快晴で、離陸直後の窓の外には、 私の勤務する島がはっきりと見えました。
あの小さな島で感じている違和感や課題を胸に、 私は島を後にしました。

会場に到着すると、すぐに名刺交換が始まりました。
同じテーブルには、学校現場の教員だけでなく、 放送や情報分野、企業に関わる方など、 さまざまな立場の参加者が集まっていました。

「2005年の教室を考える会」は、 講義を一方的に聞く研修ではありません。
グループごとのワークショップを通して、 それぞれの立場から現状や課題を出し合い、 自分たちに何ができるのかを考えていく場でした。

産・官・学、そして民。
立場の違いを前提にしながら、 教室の未来像を言葉にしていく。
そのやり取りそのものが、この会の価値なのだと感じました。


4 人とつながり、夜が更けるまで

会の中では、ポスター形式での実践紹介も行われました。
さまざまな実践に触れながら、自分がこれから取り組むべきことが、少しずつ見えてくる感覚がありました。

「始めなければ、何も動かない。」
その言葉が、何度も頭に浮かびました。

夜の懇親会では、さらに多くの人と話をすることができました。
おみやげ紹介では、最初に声をかけていただき、持参した和菓子を紹介しました。

くじ引きでは、思いがけずマグネットスクリーン(黒板に貼り付けることができ,プロジェクタを映すことができるもの,当時大人気だった)が当たるという出来事もありました。
その後の二次会でも、各地の名産を囲みながら、情報交換は続きました。

特に、企業の方とじっくり話をする機会は、これまであまり経験がなく、とても新鮮でした。
立場は違っても、教室の未来を真剣に考えている点では共通している。
そんな実感がありました。

遅くまで話し込み、結局、床に就いたのは日付が変わった午前2時でした。
頭は疲れているはずなのに、不思議と気持ちは高ぶったままでした。


5 発信して気づいた、自分の立ち位置

二日目の朝。
前夜に入れなかった風呂に入り、少し頭を整理してからセッションに臨みました。

この日は、協働プロジェクトの実践発表が中心でした。
成果だけでなく、その背景を知ることで、 見え方が大きく変わる発表が続きました。
アピールタイムでは、意を決して前に出ました。
資料を持ってきたのは、見てもらい、意見をもらうためです。

ワークショップのまとめでは、グループごとに提案を整理し、発表しました。
この会の運営というか、マネジメントも大変勉強になりました。

何よりも、休日に全国各地から自費で参加している人たちの前向きさと熱量は、強く心に残りました。
そのエネルギーを感じられただけでも、今回の参加には大きな意味があったと思います。

別メーリングリストで交流があり、今回初めてお目にかかった方たちと、会の終了後、秋葉原へ向かいました。
初めてのミニOFF会でした。


6 揺れる帰路と、動き出した気持ち

最終の飛行機で帰宅したのは、夜遅くでした。
その後もメールの返信に追われ、ようやく布団に入ったのは深夜でした。

そして翌朝、私は再び島へ向かうため、家を出ました。
しばらくして、携帯電話が鳴りました。
教頭先生からで、1便の連絡船の欠航を知らされます。
仕方なく引き返し、次の便を待つことになりました。
2便は出航はしたものの、風雨は激しく、船は大きく揺れました。

ようやく渡ることはできましたが、3便は欠航となり、危うく島に戻れなくなるところでした。
それでも、不思議と気持ちは沈んでいませんでした。

「2005年の教室を考える会」で見た実践や人の姿は、確実に自分の中に何かを残していました。
この刺激を、どう島の実践につなげていくのか。

その問いを胸に、私は再び、島の教室へ戻りました。

続く・・・島のデジタルデバイド編12へつながります👇

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