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船と仕事がつくる島の時間割 【島小②#07】/離島の小学校編Season2 07

前回は、朝会で突然始まった皿回しと、夜に開かれたPTA総会の様子を描きました。
島の学校で、1日の始まりと終わりに流れていた時間を確かめる回でした。
今回は、この続きとして、今回は島の「時間」そのものが動き出します。

前回の話👇

◆本シリーズについて(初めて読んでいただく方へ)

今から約20年以上前、2002年(平成14年)4月、県で唯一の離島にある小学校に赴任しました。
車も信号もなく、連絡船は1日3往復が命綱の島でした。
海の荒れる日は、移動そのものが大きな出来事になります。
島の仕事や暮らしは、天候と船の都合に大きく左右されていました。

少ない職員で学校を回し、小中の宿舎で生活をともにする日々が続きました。
予定通りにいかないことが、特別ではなく日常です。
また、島にはインターネット接続はなく、デジタルデバイドは広がっていくばかりでした。(※離島のデジタルデバイド編参照
そんな中でも,総合的な学習の時間で子どもたちに自信をもたせてやりたいと考え,取り組んできました。(※離島の総合的な学習の時間編①参照
そんな背景となるこの島での小学校編では、授業や行事だけでなく、島ならではの工夫や出来事、ここでしか味わえない体験の数々を、小さな学校と暮らしの記録として綴っていきます。

いよいよ2年目2003年の、Season2(2年目)4月のお話です。

離島の小学校編Season1(1年目の記録)マガジンはこちら ※本文中の地名・固有名詞は一部仮名としています。


1 清掃活動の途中で

この日は、子どもたちが自主的に町の清掃活動を行う日でした。
毎週1回続いている活動ですが、今日は私も様子を見に出かけ、設置されているゴミ箱の空き缶やビンの分別を一緒に手伝いました。

作業の合間に、漁協からのお知らせが掲示されている掲示板が目に入りました。
そこには、10月から就航予定の新しい連絡船について書かれていました。


2 半年後に変わる時間

掲示を読んでいて、特に気になったのは運行時刻表の変更でした。
新しい連絡船はエンジンがパワーアップしているため、スピードも上がるようです。

掲示板に書かれている内容をすべて覚えきれたわけではありませんが、本土から島へ向かう朝の第1便は、現在の9時発から8時15分発へと変更され、島への到着時刻が1時間早くなるようでした。
これまで出張などで翌日の朝1便で島に戻るときには、2時間目まで子どもたちは自習でしたが、半年後には1時間目だけで済むかもしれません。

実際にそうなってみないと分からない部分もありますが、全校音楽や体育など、現在の時間割の組み方にも影響が出てきそうです。
島では、船の時刻そのものが学校の時間に大きく関わっているのだと、改めて感じました。


3 船の時間と島の仕事

翌朝、以前から市教委にお願いしていた廊下の修理の件で、突然大工さんがやって来ました。
しかも、1便の連絡船が着く1時間ほど前です。
どうやって島に来られたのだろうと、不思議に思いました。

話を聞いてみると、連絡船ではなく、自前の船で島に来られたとのことでした。
自前の船を持っている大工さんも、そう多くはないと思いますが、これまで島に来る人の多くは、業者であっても連絡船の時刻に合わせて行き来していました。


4 1日働けるということ

これまで工事関係の方も、通常は朝10時に島に着き、夕方15時の船が出るまでの実質5時間ほどしか仕事ができませんでした。
それ以上作業を続けるには、島に宿泊する必要があり、そうしたケースもこれまでに何度かありましたが、今回のような形は初めてでした。

その点、大工さんは朝9時から夕方17時まで、1日かけてじっくり仕事をしてくださいました。
時間に追われることなく、集中して仕事に向き合えるというのは、やはり大きな違いがあります。
床をすべて上げ、補強工事を進めていく様子を見ながら、「1日働ける」ということ自体が、時間を有効に使えるという意味を持っているのだと実感しました。

それでも今日のうちに作業を終えることはできず、結局、翌日も朝9時に来られることになりました。
そういえば、昨年まで一緒にいた養護教諭の先生が、島で勤務することになってから2級船舶免許を取ったという話を聞いたことがありました。
もちろん、免許を取ったからといって実際に船を持っているわけでもなく、ましてや自分で船を操縦して島に渡ったわけでもありません。
しかし、こうした離島という環境で生活していると、いつか何かのときに役に立つかもしれないと考えて、免許取得を実行に移したのではないかと、そんなことを勝手に想像していました。

※ 次回に続く👇

離島の小学校編Season2(2年目2003年度)はこちら👇👇

離島の小学校編Season1(赴任1年目2002年度)はこちら👇👇👇

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