改造車のある学校 【島小②#08】/離島の小学校編Season2 08
前回は離島ならではの船の話でした。
今回も島の学校の日常の話です。
教材を使うときに、たまに道具の方が大人用の場合があります。
それをそのままにせず、どうにかしようと考えた日の話です。
前回の話👇
◆本シリーズについて(初めて読んでいただく方へ)
今から約20年以上前、2002年(平成14年)4月、県で唯一の離島にある小学校に赴任しました。
車も信号もなく、連絡船は1日3往復が命綱の島でした。 海の荒れる日は、移動そのものが大きな出来事になります。
島の仕事や暮らしは、天候と船の都合に大きく左右されていました。
少ない職員で学校を回し、小中の宿舎で生活をともにする日々が続きました。
予定通りにいかないことが、特別ではなく日常です。
また、島にはインターネット接続はなく、デジタルデバイドは広がっていくばかりでした。(※離島のデジタルデバイド編参照)
そんな中でも,総合的な学習の時間で子どもたちに自信をもたせてやりたいと考え,取り組んできました。(※離島の総合的な学習の時間編①参照)
そんな背景となるこの島での小学校編では、授業や行事だけでなく、島ならではの工夫や出来事、ここでしか味わえない体験の数々を、小さな学校と暮らしの記録として綴っていきます。
いよいよ2年目2003年の、Season2(2年目)4月のお話です。
離島の小学校編Season1(1年目の記録)マガジンはこちら
※本文中の地名・固有名詞は一部仮名としています。
1.湿度と欠航が運んできた島のリズム
午前中に雨が降り、午後から曇ったため、この日は非常に湿度が高くなりました。
室内よりも戸外のほうが蒸し暑く、外に出ると空気がまとわりつくようでした。
窓を開けていれば風は入ってきますが、それも涼しいというよりは、なんとか過ごせるという程度でした。
子どもたちの様子もどこか重く、体調を崩して早退する子も出ました。
季節の変わり目ということなのかもしれません。
翌日は、久しぶりに連絡船が欠航しました。
朝から雷が鳴り、雨もかなり降り、1便は往復し、2便も島を出たのですが、それ以降は帰って来られませんでした。
雨が上がるころから北西の風が吹き始め、時折すごい音がしています。
そんな天気の中、前日に老人会の会長さんから電話があり、お寺の花祭り(お釈迦様の誕生日らしいです・・・)で甘茶を振る舞うのでよければどうぞという話になっていました。
子どもたちとお寺に伺い、甘茶をよばれました。
初めて飲んだ甘茶は、普通のお茶のように感じたあと、甘みが広がってきます。
正直なところ、少しミスマッチな気もしましたが、声をかけてもらえたことがありがたく、その気持ちごと受け取るようにして飲みました。
2.授業を進めない日、芝生を植える日
体調不良の子どもが早退したこともあり、5限目は無理に授業を進めないことにしました。
理科の観察用にインゲン豆を植え、花壇に枝豆も植えましたが、それでも時間が余りました。
そこで子どもたちに手伝ってもらい、芝生を植えることにしました。
なんと、この島の学校の運動場は、トラック以外は芝生が植えられているのです。
少人数の学校では、雑草が生えてきてその草抜きなどに時間がとられます。
前任の大規模校では、休み時間のたびに子どもたちが、所狭しと遊んでいるので、雑草も生えてくる余地もありませんでした。
いわゆる学校あるあるですが・・・。
その点、少人数の島の学校ならではのアイデアだと思いました。
そんなわけで、新しい芝生も毎週水曜日の朝の屋外清掃の時間に少しずつ植えてきたのですが、今朝は雨でできていませんでした。
「今ならできる」
それだけの理由で始めたのに、湿度のせいで汗びっしょりになりました。

大変ではありましたが、植えた芝生が根付いていくと思うと、なんとなくうれしい気持ちになりました。
3.24インチの一輪車は、大人の都合でできている
別の日、前日に運んできた一輪車をさっそく使うことになりました。
新しい一輪車は24インチです。
おもちゃ屋などでよく見かける小さいものが多く、最高でも20インチまでです。
小さいのはその分値段も安く1台5000円程度だとすると、24インチはその3倍くらいします。
小さい一輪車はメーカーもいろいろですが、本校のものは一応ブリジストン社製です。
ところが24インチになると、自転車メーカーのミヤタぐらいしかありません。 もちろん大人対応のものです。
一輪車は、車輪が大きい方がスピードレースでは有利です。
昨年度の一輪車大会では、このために団体戦の優勝を逃したのでした。
6年生には、この大きな車輪の一輪車に乗せてやりたいと思っていました。
昨年買った2台があったのですが、3人に必要だったので、今年1台買い足したのです。
ただ、ここで問題が出ました。
大人用なので、サドルの高さを一番低くしても足が届かないのです。
それどころか、サドルを支える支柱がタイヤに当たってしまい、タイヤが回らなくなってしまいます。
4.名より実をとる、サドルの付け替え
支柱を短く切ることも考えましたが、手間がかかりそうですし、元の高さにも戻せません。
そこで思いついたのが、小さい一輪車のサドルを外し、付け替えることでした。
この方法なら、もともと支柱が短いので、サドルを一番下に下げてもタイヤに当たりません。
やってみると、見事に成功しました。
ただ、ボディーカラーと合っていないのが、少しだけ気になります。(笑)
でも、名より実をとるということで、そこは目をつぶることにしました。

道具の側を少し変えるだけで、子どもの挑戦を後押しすることができます。
島の学校の「できない」は、工夫次第で「できるかもしれない」に変わります。
これからこの一輪車がどんなふうに使い込まれていくのか、楽しみに見ていきたいと思いました。
※ 次回に続く・・・
離島の小学校編Season2(2年目2003年度)はこちら👇👇
離島の小学校編Season1(赴任1年目2002年度)はこちら👇👇👇
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