見出し画像

【な総和#7】学びを動かす一言—燃え尽きの後で/なるほど!総合的な学習 ― 和菓子プロジェクトから見えた舞台裏7

前回の第6回では、6つの和菓子案をめぐって行われたコンペの様子を取り上げた。自分たちの考えを形にし、全力でぶつけ合った子どもたちは、その過程で確かな力をつけていた。しかし、コンペが終わった教室には、思いがけない“静けさ”が訪れる。そこから再び学びが動き出すまでには、子どもたちの心の変化と、教師としての葛藤と学びがあった。

第6回はこちら👇

今回(第7回)に対応する本編はこちら👇👇



1.燃え尽きのあとに見えた“空白”

コンペを終えた教室に訪れたのは、達成感とは少し違う静けさだった。思い切り意見を出し合い、自分たちなりの和菓子案を練り上げた子どもたちは、少なからず“燃え尽き”の状態にあったのだと思う。 「もういいや」「あとは誰かが考えてくれるだろう」──そんな空気が、教室の片隅に漂っていた。

今振り返ると、それは単なる気の緩みではなかった。自分たちなりに知恵を絞り、案を出し切ったからこそ、「これ以上何をすればいいのか」「次の一手が思いつかない」と感じていたのだろう。出し尽くした先に訪れる“空白”の時間には、達成感と同時に、わずかな虚脱感がつきまとうものだ。

また、コンペという形で比較や選抜が行われたことも、子どもたちの心の動きに少なからず影響を与えていたのかもしれない。全力で考えた案が選ばれなかったり、思いが形にならなかったりした経験が、「ひと区切りついた」と感じさせた可能性もある。そうした気持ちがあったかどうかは今となってははっきりとはわからないが、いずれにしても子どもたちの中に「ここまでが自分たちの役割だったのではないか」という雰囲気が生まれていたのは確かだったと思う。

しかし、総合的な学習の時間は、そうした“一区切り”のあとこそが本番だ。選ばれた案を磨き上げ、実現可能な形に仕上げていく道のりこそが、学びの真価を問う段階である。だが、子どもたちにとってその見通しはまだぼんやりとしていて、「次に何をするのか」が見えづらかったのだろう。

教師としての私も、その姿を前にして少なからず戸惑いを覚えていた。どうすれば、彼らが再び自分ごととしてこの学びに向き合えるだろうか。どうすれば、意欲の火をもう一度灯せるだろうか。子どもたちの“燃え尽き”は、学びが深まる前触れであると同時に、次のステージへ進むための大きな壁でもあることを、このときあらためて実感した。

ここから先は

1,687字 / 1画像
このマガジンの記事は,300円で,一度購入していただくと最後まで追加料金なしで購読できます。全11回の連載です。無料の和菓子プロジェクト版のいわゆる解説編です。合わせて,読んでいただけると幸いです。

【完結】「なるほど総合的な学習!和菓子プロジェクトの舞台裏」を有料マガジンとして公開します。 本編「和菓子プロジェクト〜小学生が社会とつな…

Amazon Payで支払うと最大2%還元のチャンス! 9/30まで

この記事が参加している募集

応援いただいたお気持ちは、子どもたちの学びを物語として発信し続ける力となり、教育の現場で役立つヒントへとつなげていきます。