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第7回 沈黙を超えて・・・本気の意見が飛び出した日

僅差で選ばれた「酢狸橘まんじゅう」をベースに、さらに魅力的な商品に仕上げるため、他の班が出したアイデアや工夫も取り入れる話し合いが始まりました。
しかし、スムーズに進むと思われた議論は、意外にも停滞してしまいました。最後の仕上げを目前に、教室の空気が重く淀んでいきます。そんな中、ある一言がすべてを動かしたのです・・・。
今から約25年前の2001年(平成13年)度の実践です。第1回はこちら

今回の舞台裏(解説編)はこちら👇



1. 仕上げの議論が始まった


クラスのベース案は決まりましたが、それはあくまで“土台”に過ぎません。和菓子職人さんに正式に依頼するためには、さらに磨きをかけた最終商品企画を完成させる必要がありました。

採用されなかった班のアイデアやセールスポイントも活かし、より魅力的な和菓子に仕上げようと話し合いが始まりました。しかし、意見は出てもなかなか建設的な方向へまとまらず、あと一歩が踏み出せません。時計の針が進む音だけが、やけに大きく感じられました。

共同実践者である後輩院生も声をかけました。 「せっかくここまでやってきたんだから、あともう少し頑張ろう。」 それでも空気は変わらず、子どもたちはやる気を失ってしまったように見えました。


2.沈黙を破った一言


そんなとき、後輩院生が突然、思いがけない言葉を口にしました。

「今までやってきたけど・・・和菓子プロジェクト、もうやめよう。


教室の驚きの一瞬

担任である私を差し置いての衝撃的な発言に、教室は一瞬で凍りつきました。 「えっ、ここでやめるの・・・?」 私の胸は高鳴り、子どもたちは沈黙しました。長いようで短い、しかし息が詰まるような時間が流れました。


3. 心に火がついた教室


静まり返った教室に、やがて一人の声が響きました。
「のぞみの泉の湧き水を使おう。」
その一言を皮切りに、教室の空気は一変しました。

「たぬきの耳を丸くしたら可愛いです。」
「表情を変えた顔にしたいです。」
「春と秋で葉っぱの色を替えましょう。」
「焼き印で顔を作れば職人さんの手間も省けますよ。」
「こしあんだけでなく、粒あんや白あん、やまももあんもいいのでは?」

建設的な意見が出だす


活発なやりとりの中で、実現可能性や課題も冷静に検討され、最終的には全員が納得できる形にまとまりました。こうして話し合いの結果を自分たちの手で企画開発書にまとめ上げました。


4.夢を形にする対話


いよいよ、和菓子職人さんを招いての「企画開発書贈呈・依頼式」が始まりました。子どもたちは一つひとつの要望を丁寧に説明し、職人さんと真剣にやりとりを交わしました。

湧き水の使用:「汲みに行くのは大変ですが、商品の売りになるのでやってみましょう。」
たぬきの耳の形:「技術的に難しいですが、挑戦してみます。」
顔の焼き印:「1種類になりますが、手間が省けていい案です。」
あんの種類:「こしあんがベストですが、粒あん・白あんも試してみます。」
すだち味チョコ:「洋菓子の友人や卸問屋に相談してみます。」
商品名:「覚えやすい名前を売り出し企画で考えてください。」

職人さんは、どの質問にも真剣に耳を傾け、「それは面白いですね」「挑戦してみます」「私に任せてください」と、優しい笑顔で応えてくださいました。難しい要望には「技術的に難しいけれど工夫してみます」と前向きな姿勢を見せ、その言葉に子どもたちは自然と顔を輝かせていきました。
最後に、大きな声で「よろしくお願いします!」とあいさつ。和菓子の完成形が少しずつ形を帯び、胸の高鳴りはもう抑えられませんでした。

要望を伝える

5.販売作戦、始動


こうして最終企画は職人さんに託されました。次は、新しいチームで売り出し企画を練る番です。
その準備のさなか・・・待ちに待った試作品が届き、検討会が開かれることになりました。 果たして、実物を目にした子どもたちの反応は・・・?


▶︎ 第8話に続く

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