全国から届いた返事 アンケート大作戦【島総②#17】/vol3 アワビいっぱい編/離島の総合的な学習②
2003年12月、子どもたちが全国へ発信したアンケートに、次々と返事が届き始めました。
前回の話 離島の総合的学習の時間②#16👇
本シリーズについて(初めて読んでいただく方へ)
これまでの実践してきた総合的な学習の時間の記録です。
今回は、県内で唯一の離島にある小学校に赴任して2年目、2003年度(平成15年度)に行った総合的な学習の時間の実践記録です。
交通も通信も限られた島で、子どもたちにどんな力を身に付けさせたいのかを考えながら、地域と関わる学びやICTを活用した取組を進めてきました。
1年目には、島の海の魚介類を調べてまとめた「おさかな天国 海辺のデジタル図鑑」に取り組み、マイタウンマップ・コンクールで農林水産大臣賞をいただきました。
この「アワビいっぱい編」では、年度後半のアワビの中間育成・放流の実践を軸にしながら、そこへ至るまでの前半の学びとして、他地域との交流、ICTスキルの定着、発信に向けた準備段階も含めて、2年目の1年間を通した取組を記録しています。
単元そのものではなく、「学びが絡み合う時間」を描いています。 ※本文中の地名・学校名・人名等は仮名を使用しています。
1.小さな島から、全国へ
総合的な学習の時間で取り組んできたアンケート調査は、いよいよ全国の小学校へ向けて発信される段階に入りました。
子どもたちは、これまで一太郎スマイルで考えてきたアンケート内容や依頼文をメール本文に貼り付け、実際に送信するという経験に挑戦します。
送信にあたっては、あらかじめ用意しておいたアドレス帳をもとに、BCCで複数の学校へ送る方法も体験させました。
単にメールを送るのではなく、相手に配慮した送り方まで含めて、ICTを使った発信の一歩を踏み出したことになります。
とはいえ、12月、2学期末の忙しい時期に、見ず知らずの学校から届く依頼メールにどれだけ応えてもらえるのか、不安もありました。
一方的なお願いである以上、断られても仕方がないという思いも正直ありました。
それでも、子どもたちは「どれくらい返ってくるだろう」と、どこか楽しみにしている様子でした。
小さな島の教室から発信されたこのメールが、どこまで届くのか。
その行方を見守る時間が始まりました。
また当時の自身のホームページ「熱中時代」でも協力を呼びかけ、少しでもこの取組が広がることを願っていました。
なお、このアンケートは子どもたちと相談しながら、「全国貝に関するアンケート調査」と名付けられました。
2.届き始めた返事と、広がる実感
翌日、状況は一気に動き出します。
全国の小学校へのアンケート調査に対して、この日だけでも30校近くから回答が届き始めました。
メールは次々と届き、教室の空気が少しずつ変わっていきます。

画面の向こうにいたはずの「全国」が、急に具体的な存在として立ち上がってきた瞬間でした。
子どもたちは、空いた時間を使って一つ一つのメールに目を通し、まずはお礼の返信を書き始めます。
そこには、単なる回答だけでなく、「がんばってください」「すてきな活動ですね」といった励ましの言葉も添えられていました。
忙しい時期にもかかわらず、丁寧に返してくださる先生方の思いに触れ、子どもたちの表情にも変化が見られるようになります。
せっかくいただいた好意を無駄にしないためにも、自分たちの活動をしっかりまとめていこう。
その思いを子どもたちに伝えるとともに、「この活動は見てもらうものでもある」という視点が自然と芽生えていきました。
相手意識は、この瞬間に一段と高まっていったのです。
3.書き続ける教室
さらにその翌日、全日公開の授業参観が行われました。
この日は5時間授業でしたが、放課後になっても子どもたちは教室に残り、アンケートに答えてくれた学校へお礼のメールを書き続けていました。
一通一通の返信に、子どもたちは言葉を選びながら向き合います。
形式的なやりとりではなく、「相手に伝える」という意識が、確かな行動として表れていました。
私自身も、届いた問い合わせや連絡に返信を重ねていきます。
教室の中では、子どもも教師も、それぞれの立場でメールを書き続ける時間が流れていました。
このやりとりは、しばらく続くことになります。
しかしその積み重ねこそが、「つながる学び」の実感を、子どもたちの中に確かに育てていくことになるのです。
次回に続く・・・
総合実践のvol3、アワビいっぱい編(マガジン離島の総合的な学習の時間②)👇👇
総合実践のvol2、おさかな天国(マガジン離島の総合的な学習の時間①)👇👇👇
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