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# 海へ返す学びを構想する【島総②#05】/vol3 アワビいっぱい編/離島の総合的な学習② 

前回、交換学習とテレビ会議を終え、総合的な学習の次の一手を考える段階に入りました。
6月には実践研究助成の締め切りも控えており、それに間に合う形で単元構想をまとめる必要がありました。
こうして、今年度の総合的な学習の軸を定める作業が始まりました。

前回の話 離島の総合的学習の時間②#04👇

本シリーズについて(初めて読んでいただく方へ)

本シリーズは、県内で唯一の離島にある小学校に赴任して2年目、2003年度(平成15年度)に行った総合的な学習の時間の実践記録です。
交通も通信も限られた島で、子どもたちにどんな力を身に付けさせたいのかを考えながら、地域と関わる学びやICTを活用した取組を進めてきました。

1年目には、島の海の魚介類を調べてまとめた「おさかな天国 海辺のデジタル図鑑」に取り組み、マイタウンマップ・コンクールで農林水産大臣賞をいただきました。 ▶ おさかな天国(離島の総合的な学習の時間①)

本シリーズ「アワビいっぱい編」では、年度後半のアワビの中間育成・放流の実践を軸にしながら、そこへ至るまでの前半の学びとして、他地域との交流、ICTスキルの定着、発信に向けた準備段階も含めて、2年目の1年間を通した取組を記録しています。
単元単位ではなく、「学びが形になるまでの時間」そのものを描いています。

※本文中の地名・学校名・人名等は仮名を使用しています。


1.テーマ確定、島の未来を見据えて

6月になり今年度の総合的な学習の時間のメインテーマと全体構想が、ようやく固まりました。
その下準備として、まずは県南にある水産センターへ電話を入れることにしました。
聞けば、アワビの稚貝を養殖し、中間育成を行っているとのことでした。

この総合編シリーズのタイトルにも掲げているとおり、今回の実践は「アワビ」を軸に据えた学習にしました。

島では漁業が基幹産業であり、とりわけ海士(あまし)と呼ばれる潜り漁師が、アワビやサザエを獲ってくる話を日常的に耳にしていました。
子どもたちにとっても身近であり、同時に島の将来にも関わる資源であるアワビを、守り育てる視点から学習を組み立てたいと考えました。


2.稚貝を育て、海へ返すという構想

構想したのは、アワビの稚貝を育成し、やがて海へ放流するという単元です。
単なる飼育活動ではなく、地域の産業に目を向け、誇りを持ち、結果として地域にも役立つ学習にしたいという思いがありました。

そのためには、机上の学習だけでは足りません。
実際に専門家の話を聞き、現場を見て、教材としてどう成立させるかを教師である自分自身が理解しておく必要があります。

来週には出張の予定が入っていました。
その前に、直接水産センターを訪ね、見学や資料収集、打ち合わせを行うことにしました。
いよいよ、この総合的な学習が本格的に動き出す段階に入ったのです。

この構想を今回も実践研究助成に応募しました。
その時は、どうなるかはわかりませんでしたが、7月には申請が認められ、実践研究助成を受けられることとなり、活動の予算も確保できました。


3.島を出て、県南へ向かう大移動

ちょうど午後から、市内で導入予定のPCソフト選定会がある日でした。
それに合わせる形で、朝一番の船に乗り、島を出ました。
本土に到着すると、大雨の中を車でさらに県南へ向かいました。

今回の目的は、アワビの中間育成について専門家から直接話を聞くことです。
子どもたちに活動をさせる以上、教師が事前に一定の知識を持っておく必要があります。
これは授業準備というより、教材研究そのものだと感じていました。

勤務校が本土にあれば、空いた時間に足を運ぶことも可能でしょう。
しかし、離島勤務ではそう簡単にはいきません。
だからこそ、出張の機会を最大限に生かし、午前中にこの訪問を組み込むことにしたのです。


4.現地で得た確かな手応え

現地では、施設を案内していただきながら、アワビの育成について丁寧な説明を受けました。
水槽の様子や管理方法を実際に見られたことは、大きな収穫でした。

このときの様子は、後の授業で活用するため、しっかりとビデオにも収めました。
ただ、見て聞くだけでは、その場限りで終わってしまいます。
だからこそ、記録として残し、子どもたちの学びにつなげる準備が欠かせません。

稚貝の譲り受けについてもお願いしたところ、快く了承してくださいました。
授業の具体的な構成が固まった段階で、改めてお願いすることになりましたが、見通しが立ったことで大きな安心感が生まれました。


5.学びが動き出す予感

こうして事前準備を進める中で、この実践は単なる体験学習にとどまらず、かなり手応えのある総合的な学習になるという感触を得ました。

地域の産業と結びつき、子どもたちの視点が確実に広がっていく。
そんな学びの姿が、少しずつ見え始めていました。
こうやって活動が目に浮かぶと、不思議とかわくわくしてきます。

ただ、本格的なスタートは、これからです。
簡単な道のりではありませんが、だからこそ取り組む価値がある。
そう自分に言い聞かせながら、次の準備へと気持ちを切り替えました。


次回に続く👇

総合実践のvol3、アワビいっぱい編(マガジン離島の総合的な学習の時間②)👇👇

総合実践のvol2、おさかな天国(マガジン離島の総合的な学習の時間①)👇👇👇

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