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遠足のあと、島は祭りだった【島小②#28】/離島の小学校編Season2 28

2003年秋の遠足の帰り、港ではすでに祭りが始まっていました。
その一方で、教室ではアワビの飼育という新しい学びが動き出しています。島の暮らしと学校の学びが、ひとつにつながっていく時間でした。

前回の話👇

◆本シリーズについて(初めて読んでいただく方へ)

約25年前の2002年、船が生活のすべてを左右する離島の小学校に赴任しました。 予定通りにいかないことが当たり前の中で、学校と暮らしが地続きの毎日を過ごしていました。

そんな環境の中でも、子どもたちに自信をもたせたいと考え、総合的な学習の時間に取り組んでいました。
このシリーズでは、当時の日記をもとに、島での仕事の大変さと、その中にあるささやかな温かさを綴っていきます。

2年目2003年の、Season2(2年目)2学期のお話です。

※本文中の地名・固有名詞は一部仮名としています。



1 秋晴れの遠足、いちばん楽しんだのは

前日まで降り続いた雨が、朝にはすっかり上がっていました。
天気は冬型になりかけ、波も高いと聞いていたので、船が欠航になったらどうしようと心配していましたが、ふたを開けてみれば拍子抜けするほど穏やかでした。
しかも空は気持ちのよい秋晴れです。
こうして無事に、遠足へ出発することができました。

最初に向かったのは、郷土芸能の体験施設でした。
そこでは踊りのステップを、ゲーム感覚で覚えられる仕組みになっていて、子どもたちはすぐに夢中になります。
いわばダンスダンスレボリューション(懐かしい笑)のようなもので、画面に合わせて足を動かす姿は、見ているこちらまで楽しくなる光景でした。

その後は動物園へ向かいました。
6年生は「前にも来たことがあるし、低学年向けだし」と、出発前はあまり乗り気ではない様子でしたが、いざ到着してみると一番楽しんでいたのは間違いなく彼らでした。(笑)
昼食後も、ふれあい広場でウサギを抱いたまま離れようとしない姿が印象的でした。

最後は県立の広域公園へ移動しました。
山の斜面いっぱいに広がる遊具で、子どもたちは時間の許す限り遊び尽くします。
帰りの最終便で島に戻るころには、ほどよい疲れと満足感が漂っていました。
ところが港に着くと、そこではすでにバーベキューが始まっていたのです。
子どもたちも私たち教員も誘われ、そのままごちそうになることになりました。
聞けば、この日と翌日は島の秋祭りだったのです。
遠足の日程を少しずらしておけば、また違った動き方もできたのではないかと、少しだけ考えてしまいました。


2 抽選会と、アワビの餌

翌日は、その秋祭りの本番でした。
島では漁業と信仰が深く結びついており、大漁を願う思いが祭りの背景にあります。
神社もいくつもあり、今回は先月の運動会のときとは別の神社の祭りだと聞きました。
昨日と今日の2日間は、漁も休みになります。

遠足から戻ったときに行われていたバーベキューも、実は祭りの一環だったようです。
島の行事は、こうして生活と自然につながっているのだと改めて感じます。

午後3時からは全町あげてのイベントがあるということで、様子を見に行きました。
的当てゲームで賞品が当たるというもので、1等は21型カラーテレビ、2等は自転車という豪華さです。
まずくじを引いて順番を決め、その後、回転する円盤を狙ってダーツを投げます。
町民のほとんどが参加するため、100人以上の長い列ができていました。

私の順番は116番目でした。
すでにテレビも自転車もなくなっており、大物といえばハロゲンヒーターが残っている程度です。
結果は見事にはずれで、日用品の中から選ぶことになり、すりおろし器を手にしました。
こういう結果も、なんとも島らしい穏やかな時間の一部です。

その最中、ひとりのおじいさんが声をかけてくださいました。
「アワビのエサ用にアオサノリを取ってきてあるよ」とのことでした。
昨日今日と漁が休みで、エサになるアラメも手に入らなかったので、本当に助かる申し出でした。

こうして地域の方が自然に手を差し伸べてくださる中で、総合的な学習が成り立っているのだと実感します。
この島での実践を選んでよかったと、しみじみ思いました。


3 重なり始めた予定と、見えてきた忙しさ

祭りが終わると同時に、学校の現実が一気に押し寄せてきました。
今週から来週にかけて予定が次々と決まり、どうやらかなり忙しい日々になりそうです。
特に、今週の行事をこなしながら、来週に向けた準備も並行して進めなければならないのが慌ただしいところでした。

まず今週の木曜日には、交流相手校がやって来ます。
そのため、船の時間に合わせて日課を少し動かさなければなりません。
島の学校では、こうした時間調整ひとつにも船便が大きく関わってきます。

さらにその週は、総合的な学習の時間にゲストティーチャーをお招きする予定も入ってきました。
専門家の方に来ていただき、子どもたちの考えを一段深めるための大切な機会です。
祭りの場で感じた「地域とのつながり」とは別のかたちで、教室に“本物”が入り込んでくる時間になるのだと思いました。

そして来週の木曜日には、研究授業が2本予定されています。
1つは教頭先生による3年生の社会科で、その準備のためにすでに本土へ買い物にも出かけているとのことでした。
もう1つは初任者研修としての保健の授業で、6年生を使うことになり、私はTTとして授業に入ります。
午後には初任の養護教諭の先生と打ち合わせを行い、久しぶりに保健の授業づくりに向き合うことになりました。
前に取り組んだのは7年ほど前のことで、記憶をたどりながらの準備です。

そういえば、交流相手校に合わせて日課を調整するのは、いったい誰でしょうか。

教務主任です。

どうやら自分のことでした。(笑)

行事と授業と人の動きが重なり合いながら、島の学校の毎日は静かに加速していきます。
その流れの中に身を置きながら、今週を回しつつ、もう来週の準備も始まっているのだと感じていました。

次回に続く・・・👇


離島の小学校編Season2(2年目2003年度)はこちら👇👇

離島の小学校編Season1(赴任1年目2002年度)はこちら👇👇👇

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