学びを止めない現場に宿る、チームの力 【総校①#03】/校長の挑戦― 総合の力を信じて 第1章
着任の春、再びの臨時休校、そして父との別れ・・・。
第2話では、揺れる日々の中でも「学校を支える」という決意を描きました。
物語はここから、学びを止めないための新たな挑戦へ進んでいきます。
前回の話👇👇
今から約5年前,2020年度コロナ禍での総合を核とした学校経営の実践です。 全3章のうちの第1章2020年度のことです。
※注 今回も本文中の一部地名や商品名等は必要があれば,仮名(かめい)にしています。
1.私生活と学校を行き来した日々
父の葬儀を終えたあと、私は1週間の特別休暇となりました。
後片づけや各種手続きなど、私事で動かなければならないことが多くありましたが、その間も勤務校の子どもたちは臨時休校中で自宅にいる状況です。
気持ちを落ち着かせる間もなく、やるべき仕事は目の前に続いていました。
告別式を終えた翌日の月曜日には町校長会が予定されていましたが、こちらは教頭先生に代理出席をお願いしました。
しかし昼からの県校長会役員会は外せないため、特休中ではありましたが自宅から直接会場へ向かいました。
「出張扱いにはならない」と言われても、そんなことを気にしていられる状況ではありませんでした。
火曜日は午前中に学校へ出向き、葬儀に際して職員の皆さんからいただいた温かい心遣いへのお礼をお伝えし、書類確認と職員会議に参加しました。
午後は再び自宅に戻り、続く手続きを進めます。
水曜日は市役所や銀行などをまわり、必要な手続きを一つずつ済ませていきました。
その日の夜にはPTA役員会が予定されていたため、17時に家を出て学校へ向かい、18時からの会議に出席しました。
そして木曜日は特休の最終日。
この日も朝から多くの手続きをこなし、夕方には学校に立ち寄って書類整理と翌日の準備をしました。
帰宅後は、翌朝の郡校長会の資料づくりに取りかかりました。
金曜日からは通常勤務に戻ります。
特休中、留守の代理をしてくれた教頭先生に感謝しながら、久しぶりの学校の朝を迎えました。
午前中は郡校長会、その後は小教研総合部会の会長として、県内の校長先生方に副会長など役員就任のお願いの電話を続けました。
慌ただしい1週間でしたが、学校と家庭の両方に向き合う時間でもありました。
2.休校下で支え合った教職員の創意
4月11日から5月6日までの臨時休校期間。
私はこれを「ただの休み」にしてはならないと強く考えていました。
新学期の大切な時期です。
学年のスタートでつまずけば、その影響は1年間続いてしまいます。
そこで担任の先生方と相談した結果、家庭訪問や地域別の分散登校(4月27日)を活用し、週1回の課題の受け渡しと回収を確実に行う方針を立てました。
しかし週1回では、回収と次の課題配付を同日に行えないため、臨時登校日以外は保護者の方に学校へ取りに来ていただく方式も導入しました。
下駄箱に個別に準備しておけば、都合のよい時間に受け取ることができます。

試行錯誤を繰り返しながら、私たちは合い言葉のように「学びを止めない」を掲げ、教職員一丸となってアイデアを出し合い,取り組みました。
そうした努力の中で迎えたゴールデンウィーク。
連休明けには子どもたちが学校に戻ってくる・・・そう信じていた矢先のことでした。
県知事による緊急事態宣言の延長が決まり、5月2日土曜日休日には町教育委員会から校長への臨時招集がかかりました。
午前中に今後の対応を協議した結果、連休明けの7日・8日は地域ごとの分散登校(午前3時間)を週1回実施することになりました。
3.校長を支える“もう一人の要”
そんな不安と緊張が続く中、学校には大きな支えがありました。
それが、事務職員である事務長の存在です。
事務長は教頭先生と同じく地元の方で、地域のつながりや事情にも精通していました。
さらに情報教育にも高い関心を持ち、3年目の若い5年生担任とともに情報教育部に所属していました。
当時、教育界でも話題になり始めていたオンライン会議システム「Zoom」についても、事務長は誰よりも早く調べてくれました。
セキュリティ対策、操作方法、料金体系まで丁寧に研究し、「正しく使えば心配ない」という結論を示してくれたのです。
さらに、4月末までの申し込みで学校利用は特別措置として時間制限が解除されるという重要な情報まで入手し、私へ相談してくれました。
もちろん、私は即座に賛同し、導入手続きをお願いしました。
また町の方針により、1〜4年生については臨時登校日以外に午前中のみの預かり(希望制)も始まりましたが、5・6年生は対面の機会が限られていました。
そのため、ICTを活用した補完策がどうしても必要な状況でした。
4.YouTube授業、はじめの一歩
そんな時、情報教育主任でもある5年担任から「YouTubeを活用した授業動画を試行的に配信したい」という提案がありました。
文科省や総合教育センターの動画もありましたが、子どもたちにとっては「いつもの担任の声」が何より大きな支えになります。
担任は収録時間を5分程度にまとめ、集中力を考慮した構成にするという点にも工夫がありました。
実際、児童からは大好評で、臨時登校日に内容の振り返りや質問が生まれ、学びにつながったと報告を受けました。

一方、6年担任は私と同じ年度に着任したばかりで、まだ子どもたちとの関係づくりの途上にあり、ICT活用も得意ではないと話していました。
その様子を見て、事務長がそっと声をかけてくれました。
・・・「オンライン教室、やってみませんか?」
ここから、6年生に向けた新たな挑戦が動き出していくことになります。
次回へ続く。👇👇
校長の挑戦 総合の力を信じて 第1章 マガジン👇👇👇
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