舫──黒潮だよりが保護者を結ぶ【な総島魚#04】/なるほど!総合的な学習(離島の小学校編)/おさかな天国編
釣りをきっかけに始まった図鑑づくりは、保護者の協力なしには進まなかった。
その理解を得るために作られたのが「黒潮便り」である。
今回は、そのコラムをもとに、当時の総合的な学習の伝え方を見ていく。
前回の解説編03👇
※2002年度(平成14年度)離島勤務1年目の「総合的な学習の時間」の実践記録をもとにしています。 ※本文中の地名・固有名詞・氏名などは一部仮名にしています。
今回の対応する本編(島総04)👇👇
1.黒潮便りは“学びの舫(ともづな)”
魚介類の写真を集めて図鑑をつくるには、子どもたちが釣りに行くだけでは限界があり、種類を網羅することは到底できない。
そこで私は、保護者の協力が不可欠だと考え、まずは保護者としっかり連携を取ることにした。
ただ協力を求めるだけでは不十分であり、「なぜその活動をするのか」「どのような学びにつながるのか」を丁寧に伝えることが重要だと感じたからである。
活動の目的が理解されてこそ、安心して協力してもらえると考えた。
当時、学校では「ともづな」という学校便りを発行していた。
職員による持ち回りコラムや校長の言葉、行事の様子を紹介する紙面で、「ともづな(舫)」という名には“互いに結び合い、支え合う”という温かい意味合いが込められていた。
島の小学校にふさわしい素晴らしいネーミングだなあと感じていた。
その紙面の中に、新たに「黒潮便り」というコーナーを設け、総合的な学習(黒潮タイム)のねらいや活動の様子、そして協力依頼を発信することにしたのである。
以下に紹介するのは、その「黒潮便り」創刊号として掲載した原稿である。
2.総合的な学習の意味を伝える
【黒潮だよりNo.1 10月号 原稿】 釣った魚を1000匹与えるよりも魚の釣り方を!
今月から『ともづな』に「黒潮だより」というコーナーを設けていただくことになりました。
このコーナーでは、5・6年生が取り組んでいる「黒潮タイム(総合的な学習の時間)」の活動の様子をお伝えしながら、この学習のねらいについてもご理解いただけるようにしていきたいと思います。
今後、保護者の皆様や地域の方々にご協力をお願いする場面が出てくるかもしれません。その際には、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、本年度から小学校では新教育課程が全面実施となり、その中で「総合的な学習の時間」が新たに設けられました。
私たち大人が経験してこなかった新しい学習であり、その背景にはさまざまな理由があります。従来の国語・算数・理科などの教科だけでは十分対応できなくなってきた新しい課題に向き合うため、また、机上の学習だけでは身につかない“実際の社会で生きていく力”を育てるためとも言われています。
よく耳にする「生きる力」とは、21世紀を自分の力で切り開いていくために必要な力、と捉えていただくと分かりやすいと思います。
私が好きな言葉に、「釣った魚を1000匹与えるより、魚の釣り方を身につけたほうがよい」というものがあります。
もちろん、実際に魚の釣り方そのものを教えるという意味ではなく、子どもたちへの教育のあり方を示した言葉です。
子どもの側から考えると、「他人が釣った魚をもらっているだけでは、いつまでも他人に頼らなければならない。
しかし、自分で魚の釣り方を覚えれば、人に頼らず自立できる」という意味になります。
つまり「魚の釣り方を身につける」とは「自ら学ぶ力を育てる」ということなのです。
疑問に出会ったとき、どのように調べ、どう行動すれば問題を解決できるのかを考え、実行する姿勢もその一つです。

この総合的な学習の時間には、教科のような教科書がありません。
教科では、教科書にある決められた学習内容を進めていきますが、総合的な学習では題材の選択が学校に委ねられています。
地域の特色を生かしつつ、子どもたちに身につけさせたい力を踏まえて題材を設定し、机上だけでなく体験を通して学んでいきます。
本校での「黒潮タイム」は、まさにその学習を行う時間です。
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【完結】離島の小学校で行われた「魚の図鑑づくり」プロジェクトを通して、子どもたちが探究に出会い、学びを深めていく記録をまとめたシリーズです…
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