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【ふエ#6】(後編) 続ける力が生んだもの──コンクールが育んだ学びの自信

惹かれた理念を胸に、ついに応募の扉を開きました。初出品のドキドキから始まり、10年にわたり挑み続けた日々──その先に残ったのは、子どもたちと共につくりあげた“学びの確かな手応え”でした。

前編はこちら↓



4.夢の舞台へ──初応募で味わった緊張と高揚

和菓子プロジェクトが終わった後、子どもたちの学びをどう残すかを考え、活動記録をWebページにまとめました。それまでの私は「子どもがWebページを作ること」に重点を置いていました。しかし振り返るうちに、コンテンツそのもの、つまり子どもたちの挑戦や変容のプロセスこそが学びの核心だと気付かされました。だからこそ、子どもたちが主体となって紡いだ実践の軌跡を自分の手で丁寧に形にしていこうと思ったのです。

そうして応募したのが、第8回(2001年)のマイタウンマップ・コンクールでした。この年から最高賞として「内閣総理大臣賞」が新設され、例年以上に注目が集まっていました。しかもこの回は、入賞の知らせは事前に届いていたものの、どの賞に選ばれているのかは当日発表まで分からない仕組みでした。

会場はお台場、日本科学未来館。次々と読み上げられる入賞作品。新聞社や企業の賞が発表され、大臣賞の番になると会場の空気は一段と緊張感を帯びました。「え、自分もここに含まれているのだろうか……?」。胸の鼓動が高鳴り、冷や汗がにじむような感覚のまま耳を澄ませていました。そして「経済産業大臣賞」に自分の作品名が呼ばれた瞬間、ようやく全てが理解でき、夢の舞台に立つことができたのです。

日本科学未来館の外観(出典:Wikimedia Commons, Miraikan.jpg)

受賞はもちろん大きな喜びでしたが、それ以上に「子どもたちの学びが社会に認められた」という実感が心に残りました。自分一人の成果ではなく、地域や仲間とつくり上げた学びが、ICTを通じて広く共有された。その事実が、次の挑戦への力となったのです。


5.狭き門に挑み続けて──9年連続入賞の裏側

その後もコンクール終了までの10年間、私は総合的な学習の時間の実践をまとめて応募し続けました。(ただし,1年だけ応募できなかった年がありました。次の年に2年まとめて,Webページにしました。)各回の入賞作はわずか20~30点ほど。その「狭き門」に、幸運にも毎年のように選んでいただくことができ、結果として9年連続で入賞を重ねることとなりました。

中でも第11回(2004年)には、最高賞である「内閣総理大臣賞」をいただきました。また、農林水産大臣賞や厚生労働大臣賞など、複数の大臣賞に選んでいただいたこともありました。これらは決して私個人の力ではなく、子どもたちの粘り強い学びや地域の協力が社会的に評価されたのだと感じています。その瞬間は、子どもたちと歩んできた実践が広く認められたことを実感できる、大きな励みとなりました。

応募総数は最多で800件を超える規模に達し、全国的にも注目度の高いコンクールでした。その中で入賞できたのは、毎年の実践を子どもたちとともに振り返り、整理し、新しい価値を見出そうと努めてきた成果だったと思います。

こうして応募を続けることは確かに楽なことではありませんでした。Webページ作成自体にも何日も費やしました。しかし,子どもたちと一緒に活動を振り返り、整理し、社会に向けて発信するサイクルをつくることそのものが大きな意味を持っていたのです。ときには代表児童を表彰式に引率し、壇上で誇らしげに立つ姿を見守ったこともありました。その経験は、子どもたちに「自分たちの学びは社会とつながっている」という確かな自信を育んでいきました。


6.まとめ、発信し、つなげる──コンクールの遺産

2010年の第17回を最後に、マイタウンマップ・コンクールは幕を閉じました。私にとっても大きな節目でした。なぜなら、翌年からは教頭として管理職に就くことになり、現場で自ら総合的な学習の実践を積み重ねる立場ではなくなったからです。(とはいうものの・・・?)

振り返れば、コンクールは学びを振り返り、整理し、次へとつなげるためのステップでした。受賞はその証にすぎません。大切だったのは、子どもたちの挑戦を社会に開き、認め合い、次の実践へと循環させていく営みでした。

そして、この「まとめ、発信し、つなげる」という姿勢は、その後の管理職としての自分にも活かされました。総合的な学習の実践をどう共有し、どう未来につなげていくか──。マイタウンマップ・コンクールで得た経験は、教育者としての後半の歩みを支える大きな糧となったのです。

「総合的な学習の歩みとマイタウンマップ・コンクール」完

経済産業大臣賞の次は?👇離島の小学校編開始👇


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