【ふエ#5】(前編) 出会いと理念──マイタウンマップ・コンクールに惹かれて
もし私に“学びのステップ”と呼べる場があったとすれば、それは間違いなく『マイタウンマップ・コンクール』でした。
自身の1年間の総合的な学習の時間の実践を振り返り、整理してまとめることで、あらためて新しい発見や気づきを得ることができました。その積み重ねは実践のポートフォリオとなり、次の学びへの目標や指針として活用されていったのです。
1.異例の大臣賞も!教育界を揺るがしたコンクール
みなさんは,マイタウンマップ・コンクールをご存じでしょうか。1994年から2010年までの17年間にわたり開催された,インターネット上で作品を発表する全国的なコンクールです。(現在は,一般社団法人日本教育情報化振興会が主催する「ICT夢コンテスト」に引き継がれていますが,趣旨はやや異なっています。)
当初は様々なメディアで応募可能でしたが,第6回(1999年)からはインターネット上での公開が条件となりました。出品者は学校関係者に限らず,一般個人やNPOなど幅広い層に開かれていました。さらに,総務省や文部科学省をはじめとする各省庁の後援を受け,多くの大臣賞が設けられていた点も大きな特色です。2001年からは最高賞として内閣総理大臣賞も加わり,教育界にとっても注目度の高いコンクールでした。
私自身は,2001年に取り組んだ和菓子プロジェクトを皮切りに,コンクール終了まで毎年,総合的な学習の時間の実践をWebページにまとめて応募してきました。
2.熱中時代から未来へ──応募を決意するまで
勤務校のWebページ作成をきっかけに,自身のサイト「熱中時代」を立ち上げたことは以前触れました。4年生担任として研究授業を準備していた時期に,マイタウンマップ・コンクールの存在を知ります。当時,受賞作品の中に方言の音声を取り上げたサイトがあり,それをヒントにして国語の授業でローカル環境を活用した実践を行ったのが最初の関わりでした。
その後もサイト運営や大学院での研究を通して,入賞作品を分析する機会が増え,「いつかは自分も応募したい」と思うようになりました。表彰式が東京ビッグサイトのイベントで行われていた頃には,出品もしていないのにわざわざ見に行った記憶があります。それほどこのコンクールに惹かれていたのです。
やがて和菓子プロジェクトが一区切りつき,子どもたちの学びの軌跡を残す目的でWebページ化を進めました。そのまとめを応募したのが,私にとっての初出品となりました。
3.理念に出会い、実践が確信に変わった瞬間
公式サイトによれば,このコンクールは「地図を描く」ことから出発しつつ,早い段階で“MAP=Media And People”と捉え直し,人々の暮らしや活動をネットワークで表現・共有する場へと発展していったとされています。つまり,地域の生活や文化をICTを活用して発信し,他者と共有することに価値を置いていたのです。
さらに,募集要項には以下のような観点が示されていました。
・地域を観察し,提案力につなげる「地域表現の着眼点」
・他地域や他文化との交流を促す「異文化理解」
・協力しながら調べ,発表する「努力と協調」
・新しい技術を活かした「情報活用能力」
これらの方針は,まさに私が総合的な学習の時間で重視してきた視点と重なります。特に「地域を見つめ,ICTで発信する」という考え方は,和菓子プロジェクトに取り組む上での原動力となり,応募の背中を押してくれました。
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