夜の職員室に、また灯りがつく【島小③#04】/離島の小学校編Season3 04
2004年5月。
学校でたこ焼きを焼いていた春が過ぎ、連休明けの島には少しずつ初夏の風が吹き始めていました。
放課後の体育館、揺れる漁船、そして晩ご飯になったゴマサバ。
そんな5月前半の記録です。
1.連休明けの島
2004年のゴールデンウィークが終わりました。
連休中、島では18年ぶりの結婚式があったそうです。
前々から話は聞いていましたが、地元新聞にはカラー写真入りで記事が載っていました。
実は1か月ほど前、港へ弁当を取りに行ったときに、花嫁さんになる方と少しだけ話をしたことがあります。
やさしい雰囲気の人で、しっかりした印象の方でした。
離島の小さな集落なので、こういう出来事は島全体の話題になります。
「18年ぶり」という数字にも、島の時間の流れ方が出ているようでした。
連休が終わると、学校は一気に日常へ戻ります。
朝の天気予報では「絶好の洗濯日和」。
せっかくなので、宿舎で布団を干してから出勤しました。
こんなにいい天気なのに、ゴールデンウィークはもう終わりです。
職員室へ入ると、連休中にたまった仕事が待っていました。
しかも、またウイルスメールが大量に届いています。
2004年頃は、こういうメールとの戦いが日常でした。
2.海と体育館と職員室
4校時は近くの海岸へ貝採りに行きました。
干潮が13時頃だったので、ちょうどいい時間帯です。
この時期は潮もよく引きます。
子どもたちは夢中になって海を見ています。
学校から少し歩けば海がある。
それが島での当たり前でした。
一方で、職員室へ戻ると現実です。
教育計画を仕上げ、県へ提出する書類をまとめ、印刷を進める。
途中で締切間近の文書が見つかり、県研修センターのWeb講座申し込み登録もすることになりました。
一度宿舎へ戻って食事と風呂を済ませ、また学校へ戻る。
そんな生活が、少しずつ当たり前になっていました。
バドミントン指導も続いています。
体育館では、シャトルを打つポイントを覚えさせるため、まず空中で手でキャッチさせる練習を取り入れてみました。
これが意外とうまくいきます。この日は2人欠席だったので、残った2人をじっくり指導できました。
練習の途中には、交歓学習相手校から電話が入り、体育館から職員室まで慌てて走ることにもなりましたが。
3.午後の肉体労働
5月に入ると、学校の仕事は教室の中だけでは終わりません。
イモ畑を耕し、中学生へのBLOG書き込み指導をし、水産研のGTの方へメールを書く。
午後になると、中学校の先生と一緒に山へ入り、ユリの下草刈りです。
気がつけば汗だくでした。
肉体労働ばかりの午後。
宿舎へ戻ってシャワーを浴び、夕食を食べ、洗濯を済ませる。そして、また学校へ戻る。
最近は、この流れがほとんどルーティーン化していました。
夜の職員室では、市教育論文表彰式の発表用プレゼンづくりが続きます。
しかし、なかなか完成しません。
やることだけは、次々増えていきます。
4.揺れる船と、ひやっとした瞬間
教育論文発表プレゼンを終えた翌日、1便で島へ戻りました。
代船の漁船は、久しぶりによく揺れます。
最初は 「久しぶりだな。」 と思いながら揺れを楽しんでいたのですが、港へ着く頃には少し気分が悪くなっていました。
やはり漁船は漁船です。
その日の全校体育では、少しひやっとすることがありました。
跳び箱で、1人の児童が着手を失敗して突き指をしたのです。
最初はかなり痛がっていたので、病院へ連れて行くことも考えました。
ただ、島では「すぐ病院へ」というわけにはいきません。
船の時間もあります。
しばらく冷やしながら様子を見ていると、少しずつ痛みも落ち着いてきたので、そのまま経過を見ることになりました。
いざとなれば、漁師さんに船を出してもらうのですが・・・。
5.ゴマサバの夜
5月後半のクラブ活動では、釣りに出かけました。
すると保護者の方から、大きなゴマサバを4本いただきました。
せっかくなので、みんなでさばくことになります。
何人かで手分けしながら、サバのみそ煮を作りました。
その日の晩ご飯です。

隣の中学校の先生とは、YMCAについての打ち合わせをする予定でしたが、教務の先生が出張だったため延期になりました。
予定通りには、なかなか進みません。
それでも、島の学校の日々は続いていきます。
風の強い日も、揺れる船の日も、体育館で声を出す日も。
気がつけば、5月ももう半ばになっていました。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
次回に続く👇
前回の話👇
◆本シリーズについて(初めて読んでいただく方へ)👇👇
約25年前の2002年、船が生活のすべてを左右する離島の小学校に赴任しました。
予定通りにいかないことが当たり前の中で、学校と暮らしが地続きの毎日を過ごしていました。
そんな環境の中でも、子どもたちに自信をもたせたいと考え、総合的な学習の時間に取り組んでいました。
このシリーズでは、当時の日記をもとに、島での仕事の大変さと、その中にあるささやかな温かさを綴っていきます。
3年目2004年度の、Season3のお話です。
※本文中の地名・固有名詞は一部仮名としています。
離島の小学校編Season3👇
離島の小学校編Season1👇👇
離島の小学校編Season2👇👇👇
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