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たこ焼きと春の強風【島小③#03】/離島の小学校編Season3 03

2004年4月。

島での勤務も3年目に入り、放課後の体育館ではバドミントン指導も始まりました。
その一方で、学校の毎日は相変わらず慌ただしく過ぎていきます。
授業、校務、交歓学習の準備、そしてICT関係の仕事。
気がつけば、いつも何かに追われているような春でした。



1.水曜日の体育館

バドミントン指導を始めてから、木曜日の朝は決まって身体が重くなりました。
朝からだるい。

「もう若くないなあ……」

そんなことを思いながら職員室へ向かいます。
それでも、水曜16時30分からの体育館は、少しずつ形になり始めていました。

この日で3回目。

週末に島へ渡る前には、途中のスポーツ店へ寄って、注文してあったシャトルを受け取ります。
ラケットやシャトルなど、必要なものは本土側でそろえて持って行かなければなりません。

ランニング、準備運動、声出し、素振り。遊び感覚ではなく、基本をきちんと身につけることを中心に進めていきます。
礼儀や返事も含めて、しっかりやる。
当然、体力をつけるためのダッシュなども入るので、練習が終わる頃には子どもたちも疲れて無口になります。

それでも、ラケットの振り方やシャトルに当たる回数は、少しずつ変わってきていました。

子どもは覚えるのが早いものです。

こちらも、昔の感覚を少しずつ思い出していました。

2.交歓学習と、春の仕事

朝から快晴の日でした。学校へ着くと、まずメールチェックをします。
参加していたメーリングリストでBLOGの話題が出ていたので、少し投稿を書き込みました。
そのあと、プランターの土の回収作業。春は細かな仕事が次々と増えていきます。

算数では四捨五入。
国語では場面分けから要旨をまとめる。
体育では50メートル走をしました。ただ走るだけではなく、まずはきちんと歩くことやフォームからです。
給料日でもありました。
港で借りている駐車場代をまとめて持って行く係だったので、封筒を作って金額を分けていきます。
代表委員会もありました。
昨年の6年生と比べると、どうしても進み方はゆっくりになります。
でも、3・4年生が中心なので、それは仕方ありません。

交歓学習の相手校への電話も入れました。
今年の相手校は県最南端の学校です。東西南北、これで全部制覇だ、と電話を切ったあとに少し笑ってしまいました。

学校では、購入してきたウイルス対策ソフトのインストール作業もありました。
定義ファイルの更新がなかなか進まず、その間に愛媛県のある町のNPOサポートセンターから送っていただいた報告書のお礼メールを書きます。
1年前のことなのに、なんだかずいぶん昔のことのようにも感じました。

職員室では、県へ提出する総合的な学習の全体計画づくりも続いていました。
書いても書いても終わらない。
途中まで作っては、また別の仕事に呼ばれる。

そんな4月でした。

3.日曜日の授業と、たこ焼き

4月最後の日曜日は授業日でした。
校医さんの都合で、眼科・耳鼻科検診をこの日に行うことになっていたのです。
朝、テレビをつけると、いつものローカル番組をやっていません。

「ああ、今日は日曜か。」

そんなことを思いながら、少し早めに学校へ向かいました。

教頭先生が昼まで年休だったため、鍵を開ける役も自分でした。
困るのは給食です。
日曜日なので、当然ありません。
こういう日は、これまでも調理実習を兼ねて昼食を作っていました。

手打ちうどん、ピザ。

そして今回は、たこ焼きです。
実は数日前、宿舎で一度試していました。
そのときはなかなか丸くならず、不安だったのですが、この日はうまくいきました。
電気式だけでなく、ガスコンロ用の鉄鋳物のたこ焼き器も使います。
やはり熱の回り方が違うのでしょう。鉄の方がきれいに丸くなっていきます。

具もなかなか豪華でした。
小麦粉、だし、卵、キャベツ、紅ショウガ、ネギ、タコ、餅、天かす、粉チーズ。
タコは、用務員さんの家の冷凍庫に入っていた島ダコです。

途中から給食調理員さんまでやってきて、一緒に焼き始めました。
教室いっぱいに、たこ焼きの匂いが広がります。
ただ、焼きたてを勢いよく食べたせいで、口の中をしっかりやけどしてしまいましたが。

4.風の島

4月後半は、風の強い日が続きました。
ある朝など、窓の外で風がゴーゴー鳴っています。
ローカルテレビでは、橋が通行止め、フェリー欠航のニュース。
当然、島の連絡船も止まりました。
新船になってから、全便終日欠航は久しぶりです。
学校には昨日と今日の新聞がまとめて届きました。

本来なら、この日は市の新しい助役さんと議員さんが島を訪問する予定でした。
島のIT環境について話をする機会になるはずで、自分も説明役として準備をしていました。
結局、その訪問も延期になってしまいます。
少し残念でした。

それでも学校の仕事は止まりません。
メール処理をし、教育課程実施報告を印刷し、交歓学習の計画案を作る。
さらに、へき地教育新聞から依頼されていた原稿もようやく完成しました。
その合間をぬって、16時30分からはバドミントン練習。
夜にはPTA総会もありました。

気がつけば、怒濤の4月が終わろうとしていました。
翌日からは、少し長い連休です。
久しぶりに、家族とゆっくり過ごせそうでした。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
次回に続く。👇

前回の話👇

◆本シリーズについて(初めて読んでいただく方へ)👇👇

約25年前の2002年、船が生活のすべてを左右する離島の小学校に赴任しました。 予定通りにいかないことが当たり前の中で、学校と暮らしが地続きの毎日を過ごしていました。

そんな環境の中でも、子どもたちに自信をもたせたいと考え、総合的な学習の時間に取り組んでいました。
このシリーズでは、当時の日記をもとに、島での仕事の大変さと、その中にあるささやかな温かさを綴っていきます。
いよいよ3年目2004年度のお話です。
※本文中の地名・固有名詞は一部仮名としています。

離島の小学校編Season3👇

離島の小学校編Season1👇👇

離島の小学校編Season2👇👇👇

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