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ラケットを持った水曜日【島小③#02】/離島の小学校編Season3 02

2004年4月、新年度が始まりました。

島での勤務も3年目。
静かな春の放課後、小さな体育館で新しい挑戦が始まります。

子ども4人だけの、雨上がりの水曜日の記録です。

1.雨の新学期

朝から雨でした。

午後から家庭訪問が入っていたため、この日は午前中4時間授業です。
校長先生に書写の授業へ入っていただき、自分は4時間目に隣の中学校へ向かい、打合せを行いました。

そして、昼休み。
特活室では、小中合同のBLOGオリエンテーションが開かれていました。

小学校4人、中学校3人(1年生のみ)。

人数だけ見れば本当に小さな学校ですが、小中が同じ建物を使っていると、こういうことが自然にできます。
子どもたちも、もう慣れたものでした。

給食を食べると、そのまま放課になります。

午後からは家庭訪問でした。

訪ねたのは3軒。
けれど、どの家もまったく初めてという感じはありません。
これまで担任してきた子どもたちの妹ばかりだったからです。

「また今年もよろしくお願いします。」

そんな言葉を交わしながら玄関へ上がると、島で3年目になったことを少し実感しました。

2.16時30分の体育館

家庭訪問を終えると、急いで学校へ戻りました。

時計は16時30分。

この日から、子どもたちへのバドミントン指導を始めることにしていました。

毎週水曜の16時30分から18時まで。

保護者の方々にも家庭訪問で話をすると、みなさん喜んで賛成してくださいました。

女子3人、男子1人。

小さな学校なので人数は少ないですが、せっかく始める以上、遊びでは終わらせたくありませんでした。

ランニング、準備運動、声出し、素振り。

まずは基礎からです。

体育館に響く「お願いします!」の声を聞きながら、自分もずいぶん久しぶりだなと思っていました。

3.山の学校のころ

10年以上前、山の学校に勤務していた頃のことです。

それまで経験はなかったのですが、3年間、スポーツ少年団としてバドミントンの指導をしていました。

今思えば、指導者というより、子どもたちと一緒に覚えていったという感じだったのかもしれません。

それでも子どもたちに恵まれ、県大会で優勝や準優勝、入賞まで経験することができました。

今回、保育所の先生Iさんに手伝いをお願いしたのも、その頃の縁がきっかけでした。

Iさんは、当時自分が指導していたTさんと、県大会決勝で対戦した相手だったのです。

結局、その試合はIさんの勝ちでした。

そんな昔話をしながら、

「じゃあ手伝いに行きますよ」

と言ってくださったのはありがたいことでした。

自分自身、もう若い頃とは違います。

ラケットを持って動くだけでも、昔ほど身体が軽くありません。

だからこそ、こうしてコーチとして手伝ってくれる人がいるのは助かりました。

4.五目ずしの日

数日後の給食は、五目ずしでした。

人数が少ない学校なので、大きなすし桶に入って出てきます。

こういう光景を見るたびに、「ああ、小さい学校だな」と思います。

その日、ふと気づいたことがありました。

タケノコです。

この市へ勤務するようになってから、給食によくタケノコが出る気がしていました。

ニンジンならまだ分かります。
でも、タケノコは少し意外でした。
いわゆる地産地消、産地だからなのでしょうか?

この日の五目ずしにも、かなりしっかり入っています。

タケノコ、ニンジン、高野豆腐、グリンピース、椎茸、ちくわ、錦糸卵。

そんな具を見ながら、ある子が苦戦していました。

「ちくわと卵以外、苦手なんよ。」

そう言いながら、時間をかけて少しずつ食べています。

静かな教室に、給食の時間だけがゆっくり流れていました。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
次回に続く。

前回の話👇

◆本シリーズについて(初めて読んでいただく方へ)👇👇

約25年前の2002年、船が生活のすべてを左右する離島の小学校に赴任しました。
予定通りにいかないことが当たり前の中で、学校と暮らしが地続きの毎日を過ごしていました。

そんな環境の中でも、子どもたちに自信をもたせたいと考え、総合的な学習の時間に取り組んでいました。
このシリーズでは、当時の日記をもとに、島での仕事の大変さと、その中にあるささやかな温かさを綴っていきます。

3年目いよいよ島での終わりの1年間、2004年度、Season3(3年目)のお話です。

※本文中の地名・固有名詞は一部仮名としています。

離島の小学校編Season1👇👇

離島の小学校編Season2👇👇👇


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