本屋をひらく準備|家賃20万・20坪の本屋を作る。不動産サイトとAIでレイアウト検証記録
ストーリー
2026年7月、「本屋、やります!」と宣言。妻は書店員として経験を積み、夫は開業のための資金調達や物件などを調査。2人で色々な本屋に出向いて、自分たちが作りたい理想の空間に向けて模索中。
今日はいろんな本屋を見てきた上で、実際の不動産情報を見ながら、自分たちにできる本屋の形を考えてみる。
こんにちは。本屋を始める夫婦の夫です。
僕たち夫婦、元々本屋にはよく足を運んでいたのですが、最近は「自分たちが本屋をやるとしたら…」という目線で、自分たちが作るものに近い本屋さんを探して足を運んでいます。
今日は小さな本屋をたくさん見てきた経験と、これまでに見てきた物件から、結構現実的(もしかしたらここでの内容がそのまま実現するかも知れない)な店舗イメージを考えていきます。
現実的な本屋の形
店舗イメージを考える、というのはこれまでも何度かやってきました。
例えばこの記事では本屋の経営状況も実際の不動産情報もわからないまま、「こんなお店ができたら面白い!」と好き勝手に考えていたので、自分としてはかなり気に入っているけど、ちょっと非現実的な店舗が出来上がった。
僕たちは大阪市内で本屋をやりたい、というか今住んでいる場所の近くでやりたいので、不動産の選択肢はかなり狭い。一軒家を丸ごと借りてやるのもナシではないけど、ほとんど物件がないしあっても店舗として使いにくい。
いろんな方法で資金調達、売上・利益シミュレーションを出して、店舗用不動産サイトを見たりする中で見えてきたのは…
家賃は高くても30万円。できれば20万円に抑えたい
広さは最低15坪。できれば20坪以上欲しい。でも30坪を超えると広すぎる
というもの。家賃20万円なら損益分岐点が現実的なラインになる。家賃30万円を超えると、多少立地がよくて広さがあることで本の売上が増えても、なかなか損益分岐点を超えるのが難しい。本よりも利益率の高いカフェに力を入れたお店にする必要があるけど、やはり「本屋」を大事にしたい。
広さは最低15坪。これだと独立系書店としてはよくある大きさだけど、カフェやギャラリーも併設しようと思うとちょっと苦しい。いくつかの本屋を見てきたけど、15坪あると十分な広さがあると感じる。10坪だとちょっと物足りない。
15坪の本屋に5坪のカフェ&ギャラリースペースを併設して20坪くらいが一番いい。
ということで、今回、実際に存在する不動産情報を元に、本屋のイメージを固めていきたいと思います。
前提として、今回紹介するものは、すべて実際の不動産情報。それも今不動産サイトに載っていて、家賃や立地の観点から二人で「ここで本屋やるのありじゃね?」となったもの。
その不動産サイトの情報を元にレイアウト図を作成し、AIを使ってキレイに仕上げたり、実際にこのお店があればどんな雰囲気になるのかイメージ図を作成しました。
つまり、場合によりけり、このまま不動産屋に相談に行って決めてしまう可能性もある、そんな内容です。
最有力候補の物件:あと数坪大きければ完璧…
最初に紹介するのがこちら。

広さは20坪弱、家賃は20万円ちょっと。ただ、事務所がついているので実際の店舗スペースは16〜17坪くらいになると思う。となると若干小さい。
いろいろなレイアウトを試してみたけど、カフェスペースの動線とかを考えると、こんな感じで壁一面を使うのが良さそう。
今のレイアウトだとカフェスペースは一人あたり横幅120センチくらいと、かなりゆとりがありそうなので、もう少し小さくしてその分本棚を増やしてもいいかもしれない。
実際イメージを作成すると、「本屋」というより、ブックカフェのニュアンスが強いように感じる。


もうちょっと「本屋らしさ」というか、本屋であることを重視したレイアウトにしたい気もする。
それでもこのレイアウトが良さそうだと思った理由は2つ。
中央の本棚を少し移動するだけでトークイベントをやるスペースも作れることと、カフェ側の壁を大きくとることができるので、ギャラリースペースもちゃんと確保できること。
立地もめちゃくちゃいい。駅から5分もかからないし、大通り沿いに一本道なので迷うこともない。しかも一階のテナントで元々飲食店が入っていたので、入り口も広くて集客しやすそう。それから、僕の家から徒歩ですぐなので、家を倉庫代わりにすることもできる。イベントやる時だけ椅子を増やしたり、プロジェクターやホワイトボードを持って行ったりもできる。
小さいけど事務所があるのも大きい。この規模だと一人で回すことができると思うので、片方が事務所で別の仕事をすることができる。本屋だけの収入で暮らしていくのは正直難しいか、できてもかなりギリギリなので、業務委託でマーケティングや広告運用の仕事を請け負う可能性がある(というかたぶんそうする)。となると、突発的なミーティングとかも出てくると思うので、本屋に事務所があるのはありがたい。
他にも、本の執筆やYouTube動画の編集、その他いろんなバックオフィス業務がお客さんに見えない場所でできるのはありがたい。
事務所とトイレを除いた店舗部分で20坪弱だったら即決、、、というくらいには気に入ってる。
コストについても皮算用だけど、物件の取得費用で120万円ほど、内装工事と什器の設置で1000万円ほど(元が飲食店なので水回りの大工事とかは必要ないはず…)。本の仕入れに300万円ほど(取次との契約内容によっては追加で保証金が必要だが…)。
おそらく1500万円ほどあれば、とりあえず店をオープンすることはできそう。この記事で書いたように、2000万円は覚悟しているので予算内。
なんか間違えてない?謎が多いが魅力的な物件…
続いてこちら。

広さと家賃は1つ目とほとんど同じ。20坪弱。家賃は20万円ちょっと。レイアウトも1つ目を横向きにしたような形。さっきのものは詳細な間取りがなかったけど、こっちは縦横の長さが書いてあったので、広さや位置関係のイメージがしやすい。
やっぱりこれくらいの広さでカフェ&ギャラリーをやろうと思うと、壁沿いに配置するのがよさそう。
ただ、現段階では判断できない謎がいくつかある。
一つは元々中華料理屋が入っていて、調理器具とかの備品が残されている居抜き状態だということ。どういう状態なのか、詳細は不動産サイトには書いていなかった。もし既存の設備を使えるなら初期費用を大きく抑えることができるけど、レイアウトは大きく変更できない。
もし既存の設備が使えないなら一度取っ払ってから作るので逆にコストが上がるし、もし個室とか飲食店としての席の区分けが残っていたら改装コストが上がってしまう。
現状次第でかなりコストが変わる。
もう一つは入り口。見取り図からは小さなドアの入口しかなかったけど、不動産サイトにある外観写真を見るとシャッターが複数降りているので、他にも入り口がある気がする。それによってレイアウトがかなり変わる。
そしてもう一つ、最大の謎は…
不動産サイトに「2・3階 延べ40坪バックヤード付き(住居使用不可)」と書かれていること。
え、まじで?
20坪、20万円の店舗って書いてあるけど、同じ広さの2階と3階が使えるの??
だとしたら実質60坪20万円???
飲食店として使われていたのにトイレとかがないから不思議に思っていたんだけど、2階にある感じ?
バックヤードとわざわざ書いているので、店舗スペースとして使うのはNGなんだろうけど、2階と3階も使えるならめちゃくちゃありがたい。
さっきも書いたように、おそらく業務委託でマーケティング関連の仕事を続けるし、YouTube撮影や編集もしたい。40坪もあれば、ここを事務所にもう一つ事業できるやん、、、、
階段がどうなっているのかとかわからないところはあるけど、1つ目の物件が事務所合わせて20坪弱、店舗スペースはおそらく16〜17坪くらいだったけど、こっちは店舗スペースとして20坪弱使うことができる (階段がどういう構造なのかにもよる)。
築年数は古いけど、立地が悪いわけじゃない。駅から徒歩5分以内で、しかも2路線使える。僕の家から駅を挟んで反対側なので歩いて10分ほどかかるけど、2階と3階が使えるなら問題ない。
それで坪1万円くらいというだけでもかなり安いのに、40坪のバックヤードって…
別のテナントと共同だったりするのかな。外観やサイト情報だけじゃよくわからない。

一応イメージを作らせてみたけど、レイアウト崩れてるので参考程度。1つ目と違って壁二面を大きな本棚にできるので、本の品揃えはこっちの方が増やしやすい。
この物件のデメリットがあるとすれば、大通り沿いではないという点。Googleストリートビューでみにいったところ、ちょっとした商店街みたいになっていたのでそこまで心配いらないかもしれない。
と、Googleマップをみたら元々入っていた中華料理店が営業している状態で店名がわかったので調べたところ、営業がうまくいかず潰れたのではなく、もっといい場所に移転したらしい。と、やっぱり入り口は小さなドアなので、お客さんを呼び込みにくい反面、今回作成したレイアウトのように本の品揃えは充実できそう。
実際の建物を見た感じ、やっぱり1つの建物で隣にもう一つテナントがあったので、2階と3階は共有部っぽい。もしかしたら一部に大家さんが住んでいるのかも。まあ、共有部だとしてもめちゃくちゃありがたいので、どの程度自由に使えるのか次第では即決してもいいレベル。
この物件は謎が多いので、一度問い合わせてみよう。
『本屋の箱』に求める条件
今調べている限りでは、この2つが最有力候補。あと3つ、ありかもなーと思ってる物件がありますが、
家賃が30万円近い
一応店舗利用できるけどオフィス想定だったり、倉庫だったりで、飲食ができるかわからない(できたとしても水回りにかなりコストがかかりそう)
雑居ビルの2〜4階
という感じで、かなり魅力は劣る。
コンセプトを振り切った独立系書店であれば、雑居ビルの中でも目的を持ってくる人がいるので大丈夫だと思う。でも僕は過去の記事で書いたように、その街の知識のインフラを担う「街の本屋」の役割も重視したい。
となると、道路に面した1階という条件は結構優先順位が高い。
オフィス系の物件だと会議室が分かれていたりして、そこをカフェ&ギャラリーにしても面白いな、とか考えていましたが、実際にレイアウトを組んでみると動線がややこしくなるだけにも思う。いいやり方があるんだろうけど、夫婦二人で経営していくなら、動線のシンプルさやぱっと見で店内を見渡せるくらいの形の方がいい。
倉庫系の物件だと坪単価が安くて、いい場所を作れそうに思うけど、立地が微妙だったり、カフェの機能を果たすための改装工事や許可取りがめちゃくちゃ大変&初期費用が跳ね上がる。
実際の物件情報に基づいてレイアウトや店内イメージを作ってみると、物件に求める条件がちょっと変わってきた部分もあるので、改めて条件をまとめると、
駅徒歩10分以内。最初は5分以内がいいと思っていたけど、実際にいくつかの物件の前を歩いてみたり、いろんな独立系書店を見ていると、駅徒歩10分以内でも大丈夫だと思う。目的を持って行きたくなる場所を作ることができれば、10分くらいは歩いてもらえる。駅徒歩5分で微妙な物件よりは、10分で満足できる場所の方がいい。
20坪、20万円をベースに考えるが、もう少し広さは欲しい。今回レイアウトを組んだ物件は両方とも20坪弱。ただ当然、お店にはバックヤードが必要で、その分、店舗面積は小さくなる。店舗面積が15坪とかだと、カフェ&ギャラリーをやるのはかなり苦しくなる。本の品揃えを充実させようと思うと、店舗部分として20坪くらいある、つまり全体で22〜25坪くらいがベスト。
テナントは1階で、シンプルな四角形がいい。2階、3階のオフィステナントも面白いけど、オフィステナントはシンプルな四角形じゃないことも多くて、同じ広さでも置ける本棚の数やレイアウトの幅に制限が生まれる。
「本屋をやる」んだけど、できれば飲食店の居抜きがいい。色々調べていると、水回りを整える必要があるかどうかで初期費用が数百万円変わってくる。飲食としての認可をとるのも大変。そのまま使ってカフェとしても営業できるのがベスト。
物件は出会いものなので贅沢を言いすぎると見つからないし、いいものを探しすぎても決断できない。どこなら妥協できるのか?ここだけは譲れないものはなにか?をある程度持った上で、その時あるものの中でベストな判断をするしかない。
本屋開業へのざっくりスケジュール
ということで今回、実際の物件候補を見ながら店舗のイメージを膨らませてみました。
ここらで改めて、僕たちのざっくりグランドスケジュールをお伝えしたいと思います。このまま進むかどうかはわからないけど、今の段階で計画しているのは…
今年夏〜秋:主に業界調査と本の執筆。本屋業界に関するいろんな本を読んだり、実際に本屋を訪れたりして本屋を経営するためのイメージを固めていく期間。合わせて「本を売る」という経験を積むため、ZINEの執筆と出版を進めていく。
今年秋〜冬:資金調達に向けて具体的に動くのと本の販売。大阪産業創造館のセミナーに行ったり資金調達のステップをより具体的に進めていく。ZINEフェスや文学フリマ、シェア本棚などで本を販売する。銀行や取次とも話を進め始める。
来年冬〜春:物件を確定させ、銀行や取次などとも契約。内装工事や仕入れ、様々な許可取りなどを行う。
来年春〜夏:お店オープン!!
こんな感じで考えています。とりあえず今月と来月、大阪産業創造館の起業・資金調達系のセミナーに申し込んでいるので、そこで具体的な手続きが見えてくると思う。今考えている初期費用や経営計画がどの程度実現性があるのかもわかると思うので、その上でもう一度予定や動き方を考えていくけれど、今の段階ではスムーズにいけば1年後には僕たちの本屋が完成している予定。
このスケジュールが今後、どんなふうに変わっていくのか、どんなふうに実現していくのか。楽しみにしていてください。僕の予想では、物件、資金調達、取次との契約で、大きな壁にぶつかってあたまを抱える気がします😂
夫婦二人で小さな本屋を作る道のり。ぜひ一緒に楽しんでいただけると嬉しいです。これからも私たちの「本屋ができるまで」を覗きに来てください!
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