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【LINE3秒以内返信しないと不安になる病】第2章 「一緒に高いところから落ちよう!」

第2章テーマは、吊り橋効果
吊り橋効果は【緊張やドキドキを恋愛感情と錯覚しやすくなる現象】というものです

しかし、心理学に沿いながらも「冷静に考えるとおかしい行動」になる場合もあります

それでは、第2章 「一緒に高いところから落ちよう!」をお楽しみ下さい

前回のあらすじ

「ねえ、陽向くん。屋上って行ったことある?」

昼休み、購買帰りの廊下で声をかけてきたのは、もちろん朝比奈しずく
小さな紙パックのいちごミルクを両手で持ちながら、首をかしげている

「…あそこ、立ち入り禁止じゃなかったっけ?」

「非常階段からなら入れるんだよ? ……知ってた?」

こっちが知らない前提で話を進めるなよ、と思いながらも、なぜか彼女の後をついていってしまう
自分でも、最近はもう流されるのに慣れてきているのが少し怖い

非常階段は思ったより狭くて、鉄製の段がギシギシと音を立てた
途中で立ち止まったしずくが、少しだけ振り返る

「ねえ陽向くん、私…ちょっと怖いかも」

「じゃあ帰るか?」

「そういう意味じゃない!」

なぜか怒られた。何が正解だったんだ

彼女は手すりに片手を添えながら、一段上に登った

「ねぇ、もし私が、ここから……落ちそうになったら、助けてくれる?」

「急に何の話!?」

「あっ――!」

言うが早いか、彼女の体がふらっと揺れる

…というより、どう見ても“わざと”だった。足をすべらせるタイミングが完璧すぎる

「うわ、危なっ――!」

咄嗟に腕を引くと、彼女の体は僕の胸に倒れ込んだ
背後の鉄の手すりが音を立てて揺れる。こっちの心臓も似たようなもんだ

「……陽向くん、すごい。ちゃんと、私のこと、守ってくれたんだね」

「お前がわざと落ちかけたんだろ!?」

「このドキドキ…君のせいだよ?」

「違う!!落ちそうだったからだ!!」

即座に否定したのに、彼女はにっこりと笑った

非常階段のてっぺんで、春風に髪を揺らすその顔は、どこか本当に嬉しそうだった

そして、耳元でささやくように――

「落ちなくてよかった。でも……気持ちはちょっと、落ちちゃったかも」

「……言いたいだけだろそれ」

僕のツッコミは、風に流されていった
階段での転びかけ事件(わざと)から数日後
僕はまたしても、しずくに連れられて非常階段へ向かっていた

「なあ、毎回ここ来るの、恒例行事になってない?」

「陽向くんが“ちゃんと助けてくれる”って証明された場所だし、思い出の場所って大事でしょ?」

「いや思い出の“作り方”が雑すぎるだろ…」

それでもなぜか断りきれず、僕は今日も手すりの揺れるこの階段を上っている

「今日のテーマはね、“二人きりの世界”だよ?」

「何それ怖い。ホラーの前振り?」

彼女は何かにごそごそと手を突っ込み、スマホサイズの小型スピーカーを取り出した

「じゃーん。これで音楽流して、雰囲気出すの」

非常階段に、謎にエモいピアノ曲が響きはじめた
とたんに場違い感がすごい。だってここ、サビてる手すりと工事中の養生テープが主役の場所だぞ?

「ほら、陽向くん、こっち向いて?」

振り返ると、彼女は片足を段差に引っかけた状態で立っている

「こら、また落ちかけてるし!」

「ふふ。だって、また君に…助けてほしくなっちゃったから」

「お前それ、命綱を“恋愛スイッチ”に使うのやめろ!?」

慌てて腕を引っ張ると、しずくは今度は僕に思いっきり抱きついてきた

「きゃっ…ふふ、ごめんね。びっくりした?」

「心臓止まるわ」

「それって…ドキドキしたってこと?」

「心停止はドキドキとは違うからな!?」

腕の中で、しずくが満足そうに目を細める

「ねえ陽向くん。もしかして、ちょっとは意識してくれたり…してる?」

「いや、お前の仕掛けが物理的すぎて、感情が追いついてない」

そう言いながらも、顔が少しだけ熱くなるのを感じてしまう自分が悔しい

「じゃあさ、次はもっとドキドキさせちゃうから、覚悟しててね?」

「いや、限界だから!マジで落ちるから!」

それでもしずくは、笑って言った

「でも、陽向くんがいれば、私…どこからだって安心して落ちられる気がするんだ」

「だから落ちるなって!!」

僕の声が、非常階段に虚しく響いた

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↓第2章オマケを動画にて公開 気になる方はcheck↓


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