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【LINE3秒以内返信しないと不安になる病】第3章 「昨日まで泣いてたのに、今日の私は神」

第3章テーマは、ゲインロス効果
ゲインロス効果は【最初は冷たい人が優しくすると、ギャップでより強い好感を得られる。】というものです
しかし、心理学に沿いながらも「冷静に考えるとおかしい行動」になる場合もあります

それでは、第3章 「昨日まで泣いてたのに、今日の私は神」をお楽しみ下さい

前回のあらすじ

昨日の放課後
僕は教室の隅で、しずくに30分間泣かれ続けた

「もう…私なんか、いても意味ないよね…」
「陽向くんも、本当は私のこと、ウザいって思ってるでしょ…?」
「返信遅かったの、やっぱり…私のこと、どうでもよくなったから…?」

そんなネガティブ三連コンボを食らい、こっちはMPゼロ
とりあえず「そんなことない」って何回言ったか、もう覚えてない

で、迎えた今日の朝

「おはよーっ! 陽向くんっ!」

教室のドアを開けたしずくは、天使か女神かってくらいの笑顔だった
軽やかなステップで僕の机に近づくと、鞄からなにやら自作のお菓子を取り出す

「これ、昨日のお礼! “信じてくれてありがとうクッキー”♡」

「ネーミングが重いんだわ」

「え? でも中身は軽いよ?バター控えめで!」

いや、そういう意味じゃなくて

「ていうか昨日、俺に“信用できない”って3回は言ってたよな?」

「だって、あれはあれ。今日は今日だよ?」

情緒のリセットボタン押すの早すぎるだろ
昨日の泣き顔とのギャップに、脳がついていかない

「ねぇ、陽向くんってば。今日も返信早かったね。…うれしかった」

「え、あ、うん。なんかもう、条件反射で」

「条件反射でもいいよ? 私のこと、ちゃんと覚えててくれてる証拠だもん」

満面の笑みでそんなこと言われたら、否定する気も失せる

ふと彼女の机の方を見ると、何かが貼ってあるのが目に入った

「……それ、何?」

「ん? ああこれ?」

彼女はさらっと、机に貼られたプリントを指差す

《感情起伏カレンダー》
月曜:低気圧→火曜:涙→水曜:笑顔予告→木曜:神→金曜:不安予備日

「えっ、計画的だったの!?」

「違うよ〜。あくまで目安!」

目安で“神”ってどういうことだよ。曜日に人格あるのか

「情緒が、ジェットコースターなんだが」

思わずこぼした僕の独り言に、しずくがさらにニコニコして答えた

「でもね、陽向くんという“シートベルト”があるから、大丈夫だよ?」

「……俺は安全装置じゃねぇ」

クッキーを手に取って、なぜかほっとしてる自分がいた

放課後。帰り支度をしていた僕の前に、再び“神”が現れた

「陽向くん、一緒に帰ろ?」

しずくは、朝から一度もテンションを落とすことなく、全力笑顔を貫いていた

「なあ、なんか…逆に怖いんだけど。昨日までの“情緒ぐしゃぐしゃモード”どこ行ったの?」

「んー……たぶん、空の彼方?」

「いや空ってどこだよ」

彼女は肩から鞄を下げると、ぴょこぴょこと僕の横を歩きはじめた
なんだろう、朝より明らかに“ハイ”が増してる気がする

「今日はさ、陽向くんにありがとうって伝えたい日なの」

「また、何かやらかす予告?」

「ちがうよー!純粋に感謝っ。昨日までの私、ちょっと重かったでしょ? だから今日は軽めにいこうと思って!」

「……“軽め”の基準がおかしいんだよ」

公園の前を通りかかると、しずくが急に立ち止まった

「ちょっとだけ寄り道しよっか?」

そう言ってベンチに腰かけると、彼女は制服のポケットから小さな紙袋を取り出した

「はい、プレゼント!」

中には、手作りのストラップが入っていた
クッキーに続いて、今度は工作か

「“陽向くん専用お守り”。“気分が下がっても大丈夫”って書いてあるの。私の名前入りで♡」

「俺の気分より、お前の気分が下がらないように祈っとけよ」

そう返したつもりだったのに、彼女はすごく嬉しそうに笑った

「ふふっ、優しいなぁ陽向くん。そんなふうに思ってくれてたんだね」

「いや、違――」

「……でもね、昨日の夜、ちょっとだけ怖かったんだ」

笑顔のまま、しずくの声が小さくなる

「もし陽向くんが、“めんどくさい”って思って離れてったらどうしようって」

静かな夕暮れの中で、その言葉だけが妙にリアルで

「だから、今日は全部、好きって言いたいの我慢したの。……偉いでしょ?」

「我慢が“好き”なのすげぇな」

「本当はね、今日だけで40回くらい“好き”って言いたかったけど」

「言いたい欲、爆発してんじゃん!」

僕が吹き出すと、しずくもつられて笑った

しずくが笑ってるときって、不思議と空気が軽くなる
昨日の涙を覚えているからこそ、今のこの笑顔がまぶしく見えるのかもしれない

「陽向くん。これからも、ちゃんとそばにいてくれる?」

「……ああ。気がついたら、だいたいそばにいるしな」

しずくはふにゃっと微笑んで、僕の隣にぴったり寄り添った

そして一言

「じゃあ、明日はまたちょっと泣くかも」

「予告すな!!」

夕暮れのベンチで、僕のツッコミが少しだけ響いた

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↓第3章オマケを動画にて公開 気になる方はcheck↓


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