永遠の絆、時の旅 第二話
※この作品は「永遠の絆、時の旅」という家族と平和をテーマにした連載小説です。
見えないものが見えた少女・夏希が、恐怖を乗り越え、未来に命をつなぐ物語。
第二話
消えゆく影と心の揺れ
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彼らは、静かに去っていった。
まるで夜明けとともに消える星のように。
最初は、ただの恐怖だった。
毎夜、夏希の世界に割り込んでくる異形の者たち。
存在しないはずのもの——否、「存在しない」と決めつけられているもの。
子どもの頃は、ただ逃げ惑い、目を背けた。
見えなくなることを願った。強く、強く。
そして願いは叶った。
影たちは、徐々にその形を薄くしていった。
誰にも気づかれず、夜の闇に溶け込むように。
——けれど。
安堵と引き換えに、夏希の心の奥にはぽっかりと穴が開いた。
「恐怖」と名づけていたものの下には、もっと深い感情が隠されていたのだ。
それは、喪失だった。
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中学、高校と進むうちに、夏希は「普通」の生活に飲み込まれていった。
友達と笑い合い、部活動で汗を流し、試験勉強に追われる。
社会が良しとする「普通」の生き方。
人はそうして、見えないものを心の奥に追いやっていく。
しかし、完全に忘れ去られることなど、彼らは望んでいなかった。
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あの日。
カーブの先に飛び出してきた犬と、幼い女の子。
危険を感じた刹那、夏希の体は動かなかった。
硬直した筋肉。凍りつく思考。
ハンドルを切る時間も、叫ぶ余裕もなかった。
だが——。
自転車は、あたかも別の意志に導かれるかのように、少女と犬を避けていた。
転倒も衝突も、起こらなかった。
風が吹き抜け、木々の葉がざわめいた。
守られている。
また——。
誰に? 何に?
子どもの頃から、何度となく感じたその「気配」。
車に轢かれかけたときも。
迷子になった街角でも。
名前を持たない何かが、常にそばにいた。
けれど夏希はまだ知らなかった。
それが、ただの「気配」でも「偶然」でもなく、時を超えて繋がる意志であることを——。
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【第二話あとがき】
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
第二話では、夏希が「恐怖からの解放」と「喪失感」という、相反する感情に直面する姿を描きました。
ここから、夏希の物語は「恐怖に耐える少女」から「未来を受け継ぐ存在」へと変わり始めます。
次回、第三話では「別れ」と「気づき」の物語が待っています。
どうぞ引き続きお楽しみください。
▼次回もお楽しみに!
次回:「祖母の思い出と最後の面会」はこちら↓↓↓
▼第一話はこちら💁♀️
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