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永遠の絆、時の旅 第三話



第三話

祖母の思い出と最後の面会



それは、ただの偶然ではなかった。

守られている——そう感じた出来事の数々。
子どもの頃の「気配」、そしてあの日の不思議な救い。

その背後にあるものが、ご先祖様たちの意志であると気づいたのは、
祖母の死がきっかけだった。



前日の午後、夏希は突き動かされるように祖母を思い出した。

鮮明な笑顔。
子どもの頃、夏の畑で草むしりをしながら見上げた、あの柔らかな眼差し。

「会いに行かなきゃ」

理由もなく、ただ胸の奥がざわめいた。
それは衝動ではなく、呼び声だった。

その日は学校が早く終わった。
友達との約束は、偶然にもキャンセルになった。
母から頼まれていた夕方の買い物も変更になり、ぽっかりと時間が空いた。

まるで、誰かが「今だ」と導いているようだった。

——行くなら、今しかない。



祖母と過ごした畑の情景が蘇る。

夏の夕暮れ。
祖母が世話していた霞草(かすみそう)が風に揺れていた。
背丈ほどに伸びた白い小花たち。
「小さい花でも、寄り添えばとても美しくなるんだよ」と祖母は言った。

それは、家族の形だった。

夏希はその記憶を胸に、花屋で霞草の花束を求めた。



病室で祖母は少し驚き、そして穏やかに微笑んだ。
その笑顔は、すべてを知っている者の笑顔だった。

「ありがとうね、夏希」

その言葉は、静かに、しかし確かに夏希の胸に深く刻まれた。



そしてその夜、祖母は静かに旅立った。

泣くことも叫ぶこともできなかった。
ただ、心がぽっかりと空洞になった。

——だが、夢の中。

夏希は霞草に囲まれた祖母と再会した。

祖母は、まるで風の中に溶けるように優しく微笑んだ。

「あなたは一人じゃないんだよ。
ご先祖様は、いつもあなたを見守っているから。」

その言葉は夜明けとともに目覚めた夏希の胸に、静かで強い光となって残った。 

【第三話あとがき】

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございます。

第三話では、夏希が「守られている存在」に気づき始めるきっかけとなる、祖母との最後の面会を描きました。

夏希の物語は、単なるスピリチュアルファンタジーではなく、
「どんな時代に生きていても、人は誰かに守られている」というメッセージを込めています。

次回、夏希はついに「ご先祖様の本当の願い」に触れます。
どうぞ、お楽しみに。

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