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ビラ配リスト入門 第1章 「ビラ配り」とは何か?

前回:【はじめに】



ビラ配りの概要

ビラ配りとは、認知、集客、販売促進などの目的を持って作られた紙媒体(ビラ)と口頭での説明を用いて人から人へ情報を手渡し、顕在的、あるいは潜在的な欲望に働きかける行為です。
多くは依頼主からの依頼を受け、ビラを通じて商品情報をお客様に紹介し、購入、入会、投票などの、依頼主にとってポジティブな行動を促すことを目的とします。

つまり、依頼主とお客様の媒介となる仕事です。
店舗やサービス、イベントの紹介や選挙広報、大学のサークル勧誘などを目的に配られる一般的なビラはもちろん、本noteではティッシュや試食販売なども広義のビラ配りとして取り扱いたいと思っています。
また、先ほどから「ビラ」と呼んでいるこの紙製配布物には、チラシ、フライヤー、リーフレット等いろいろな呼び名がありますが、本noteではすべて「ビラ」に統一します。同じものだと思ってください。
本noteではさらに、代金と引き換えに提供する販売物やサービスをまとめて「商品」と呼び、ビラを渡す対象である歩行者を「通行人」、そのビラを受け取ったりビラ配リストと話したりと何かしらのアクションを起こしてくれる人を「お客様」と表すこととします。

さて、ビラ配りには二つの側面があります。
お客様に情報を伝えることと、お客様から情報をいただくことです。
まず、お客様に情報を伝えることについて。
これはビラ配りの仕事の主たる部分です。依頼主とビラ配リストが知っている情報を、まだ知らない人に分け与えるのです。

お客様から情報をいただくことに関しては、少し説明が必要かもしれません。
依頼主から、「どんな人がこのビラに興味を持ってくれたか教えてほしい」「ビラに興味を持ってくれた人から普段どこで買いものしているかを聞き出してほしい」などと頼まれることがあります。
そのときには、ビラを配りながら、依頼主の知りたい情報を小出しに聞き出す必要があります。
そうして聞き出した情報は、依頼主の販売戦略や作品作り等、その後の行動に生かされていくことになります。

「内」から配るか「外」から配るか


店舗で働く人が自分の店や商品を宣伝するためにビラを配る場合もあれば、よそから派遣されてきたビラ配リストがビラを配ることもあります。
それぞれの特徴と、利点と注意点を見ていきましょう。

まず、店舗で働く人が自分の店や商品を宣伝する場合。
最大の特徴は、お客様と店、商品と過ごした「時間の量」と、販売接客の工夫を流用できることです。
常連さんの好みを掴んでいればお客様の関心に合わせた情報を優先して伝えることができますし、普段接しているお客様の傾向に合わせた声かけも可能です。

たとえば、レジ横などに数種類のビラを「ご自由にお取りください」と置いているお店があります。あれを取るのって、そこそこハードル高くないですか?
玄米おむすび屋で働いていたとき、玄米に古代米やもち麦を混ぜて炊くのが好きな常連さんがいました。
普段の接客中に「小豆を混ぜて炊くとき、どのくらい水を足してます?」などとお互いに情報交換をしたりもしていたので、商品を袋に詰める際に「もしよければ、古代米の紹介ビラもご一緒に入れていいですか?」と尋ねたところ、「ずっと気になっていたけど、なんだか取りにくかったの!」と喜ばれたことがあります。
あるいはお子さん連れのお客様に「今度田植え体験あるので、よかったら」とビラを渡して「こんなイベントあったんですね! 気づかなかった」と言われたこともありました。

「ご自由にお取りください」と書かれても、実際にご自由に取っていってくれる人はそう多くありません。ビラを置いていても、気がついてもらえないこともあります。このお客様に響きそうだなと思うビラがあったら、一度こちらから促してみましょう。

そうした日々のお客様との関係はもちろん、陳列棚を熟知していること、ビラを配りやすくするために陳列を工夫できることも大きいです。
ビラを配るときには、紹介する商品の近くにいたほうがいいのはいうまでもありません。一緒に紹介できそうな関連商品がある場合、棚を近づける、同じ棚に並べてその付近でビラを配るなどのセット販促も可能です。

またポイントカードや数量限定商品など、その店舗独自のシステムや特徴的な商品がある場合も、うまくビラ配りと結びつけることができるでしょう。セールのビラを配るにしても、3000円のものが1000円で売られているのか、1200円のものが1000円で売られているのかはお得度合いが大きく異なります。「今回のセールは特にすごいんです!」と普段以上に力を入れてアピールしたりと、ビラ配りにメリハリをきかせることもできます。

ちなみに自分の店舗の前や路上でビラを配る際には、道路使用許可の取得が必要です。
道路使用許可は、事前にビラを配る場所の最寄りの警察署の道路占用許可申請書をダウンロードして記載事項を記入し、ビラを配る予定地に印をつけた地図を添付書類として警察署に提出して取得します。
書類を提出に行く際とハンコをついてもらった書類を受け取りに行くため、警察署には二度行くことになります。ビラ配りの一週間前には申請に行っておくのがよいでしょう。
申請手数料は自治体によりますが、2000〜2500円くらいが相場のようです。

一方、その店舗の勤務者ではないビラ配リストが派遣される場合、勝手に陳列を入れ替えたりポイントカードを発行することはできません。そんなことをすれば、たちまち現場を大混乱に陥れてしまいます。
顔を覚えてもらう工夫をしても、その店舗で再びビラを配る機会がめぐってくるとは限りません。基本的にはお客様ともその店舗とも一期一会と思ったほうがよいでしょう。

では、よそから来たビラ配りだからこそできることは何か。私は、「外の人だからこそ、よさをストレートに紹介できること」が一番大きいと思っています。
普段店舗に立っている人が自分の店や商品のビラを配る際、照れが生じることがあります。あるいは自画自賛のようになって、少ししらけた空気になってしまうことも。

そういう空気にならないためには他者の評価を織り交ぜたり、売れた数で人気ぶりを示したりと客観的な情報でお客様を安心させる作戦を取りますが、「外の人」として配る際には、自分が感じたその店舗や商品のよさをそのままアピールすることが可能です。
イチオシの商品や店舗のビラを配ることになったときには、もう、うはうはです。興味を持ってくれたお客様には、情熱を隠さずそのよさを紹介しましょう。ときどき「あなたもこの商品のファンなのー!?」と意気投合して語り合えることもあります。

次回:第2章前編 ビラ配りの準備