ビラ配リスト入門 第2章 ビラ配りの準備【前編】
はじめから読む方はこちら。
前回:第1章 「ビラ配り」とは何か?
第2章では、ビラ配り前の準備を扱います。
前後編に分け、前編ではビラ配リストを取り巻く環境を見ていこうと思います。
ビラ配りは、周囲の環境によって動き方や心づもりを対応させていく必要があるからです。
実際にビラを配る際の立つ場所と、通行人の種類、それからざっくりとしたビラの見方をご紹介します。
本章後編では、具体的なビラを用いてより詳しくビラの見方を深めていきます。
ビラ配リストの立ち位置
まずは、ビラを配る際の立つ場所について。
ビラ配リストの位置が固定の場合と、状況に合わせて能動的に動く場合があります。
ビラを配る場所がどちらになりそうか予想を立てておくと、当日の立ち位置選びがスムーズです。
通行人が一方通行で道幅がやや狭い場所で配る場面では、ビラ配リストの位置は固定です。
回転寿司のように流れてくる通行人に対して、ビラ配リストはやや斜めから向かい合うように、人の流れを邪魔しない位置に立ちます。
人の多い場所ではほぼ等間隔に人が流れてくるので、宣伝文句は極力短くキャッチーに、ビラをテンポよく差し出すことが求められます。
複数人で配る場合は、通路を挟んで向かい合う形か、同じ通路側の少し離れた地点で一人目が取りこぼした通行人に配る形になるのが一般的です。
図で表すと、このようになります。

星がビラ配リスト(白抜きの星はもう一人立つとしたら、あるいは移動先)、緑の丸が通行人、ピンクの丸がお客様です。
ビラ配リストは通行の流れを妨げない場所に立ち、立ち止まって話を聞いてくれるお客様のスペースも確保します。
駅や学校など、通行人が目的地に向かって多方向から向かってくる場所や、広場のような自由に人が行き来する場所では、ビラ配リストは状況に合わせて動きましょう。
多方向から目的地に向かって人が流れていく場合、最も通行人にビラを渡しやすいのは目的地のすぐ近くなのですが、そこは通行人の邪魔になりやすい危険な位置でもあるのです。
そのため目的地のすぐ近くには長居せず、こまめに立ち位置や身体の向きを変えながら配る必要があります。人の行き来が激しい場所では、自分とお客様が通行人の邪魔にならないよう、前後左右の流れを把握したうえで居場所を選びましょう。
最近はスマートフォンを見ながら歩いてくる通行人も多いので、ビラを配ったり、お客様と話しながらも背後などの死角を少し意識しておく必要があります。

渡される側の事情に配慮する
渡される側の立場で振り返っていただきたいのですが、ビラを受け取るかどうかはビラの内容に加えて、その人自身のポリシーや気分、荷物の量や今後の予定などによって変動します。
必要なものしか受け取りたくないこともあれば、そう思いながらも話しかけられると根負けして受け取ることもあれば、必要かどうかは後で考えることにして、とりあえずもらえるものはもらっておくこともあるでしょう。
必要なものしか受け取りたくない人を執拗に呼び止めようとしたり、とりあえずもらっておこうかなと軽い気持ちでビラを受け取ってくれた人に怒涛のセールストークを浴びせたりするのは、あまり得策ではありません。
お客様一人一人に事情があることを踏まえて、引き際を見極めたり、「2、3分ほどお時間いただけますか?」と確認してから詳しい話を始めるなどの配慮を心がけましょう。
ビラの終点をイメージする
ビラ本体の話に移ります。
ビラ配りは多くの場合、依頼主からの依頼を受けて始まります。多くの場合、ビラ配リストがビラを見るのはビラ配り当日の現場か、数日前に家に届いたときです。
まず全体を眺め、裏面があるかどうかを確認し、具体的な宣伝内容を押さえてからお客さんに配る、という流れです。
試食販売や即売会などのイベントでのビラ配りなど、事前に準備を整えたり、依頼主と打ち合わせをする必要があることも。そのケースについてはそれぞれ後述します。
ビラを見るときに特に意識してほしいのは、そのビラの終点です。
ビラ配りの目的は大きく分けて、①知ってもらう、②行動してもらう(買ってもらう、行ってもらう、食べてもらうなど)、③広めてもらう、④リピートしてもらう、の四つです。
お客様の行動のハードルの高さも、①~④の順に高くなっていきます。
ビラの終点は、その性質からある程度は読み取れるものです。
配布物がティッシュのような限られた情報量の場合はまずは知名度を上げたいんだな、「ビラを持って来店してくれた人にはお会計から10%オフ」と記載があればとりあえず来店してほしいんだな、お友だち紹介キャンペーンがあれば顧客数を増やしたいんだな、回数券割引やスタンプカードを推していたら地元に長く愛されるような店にしたいのかな……とビラ自身の狙いを読み解きます。
次にその狙いに沿って、自分がどのように行動すべきかをイメージします。
知名度アップを狙うティッシュ配りは、なるべく多くの通行人にテンポよく配り、売上と知名度アップを目指していそうな10%オフクーポン付きビラは、「お買い得なチャンスですよ」とクーポンを前面にアピールしてなるべく多くの通行人にビラを持ち帰ってもらい、お友だち紹介キャンペーンは連れだって歩いている大学生に渡してみようかな、愛され地元店のビラはとりあえず犬連れてる人を中心に狙うか……などと、特にビラが響きそうなお客さんを想像します。
とはいえ実際に配るときには、明確な拒絶を示している人以外には基本的に分け隔てなく配ります。
たとえば亀を散歩させている人にはビラを渡さないなどという亀差別は言語道断です。
亀は見た目以上に足は速いものの、それなりの距離を歩くにはそれなりの時間が必要です。犬と同じくらい、あるいは犬以上に近所に住んでいると考えたほうがよいでしょう。
つまり亀もその飼い主も、その地元店の常連になる可能性を秘めているのです。もちろん猫や兎、鳥などを連れている人も同様です。
ビラの狙いと自分のすべき行動を意識に上げたのは、たくさんの通行人のなかからビラの狙いに沿った人物が立ち止まってくれたときに的確に狙いに誘導するための下準備です。
たとえばなんらかの動物連れの方が立ち止まってくれたときに「お近くにお住まいなんですか?」と尋ね、そうだと言われたら「この近くにできた喫茶店、回数券がお得みたいです。よろしければぜひ」とビラを渡します。
その動物連れの方が新しい喫茶店に行ったのかどうか、私が知ることはないけれど。ゴールに近そうな人に積極的にパスを出せるように常に心がけておくことは、無意味なことではないはずです。
後編では、さらにビラを読み込んでいきたいと思います。
次回:第2章 ビラ配りの準備【後編】
