現代社会と気候変動(Top)――なぜ私たちは「分かっているのに、動けない」のか
連載:現代社会と気候変動
――なぜ私たちは「分かっているのに、動けない」のか
本シリーズは、気候変動を単なる環境問題や政策課題としてではなく、
現代文明そのものが依拠してきた前提の揺らぎとして捉え直す試みです。
なぜこれほど深刻な危機が共有されているにもかかわらず、社会は本質的な転換に踏み出せないのでしょうか。
なぜ合理性と民主主義を備えたはずの社会ほど、動けなくなっているのでしょうか。
本連載では、リベラリズム、世俗化、宗教倫理、日本社会の特異性といった視点を横断しながら、
この「動けなさ」の正体を構造的に掘り下げていきます。
そして後半では、日本社会が置かれてきた位置を再評価しつつ、
破壊的な革命ではない、「静かな革命」 の可能性について考察していきます。
記事構成と概要
(1)リベラリズム・宗教・気候変動──文明の前提を問い直す
戦後世界を支えてきたリベラリズムは、どのような前提の上に成立していたのかを整理します。
気候変動を通じて、その前提が限界に達していることを文明史的な視点から明らかにします。
(2)世俗化とは「進歩」だったのか――化石燃料文明が生んだ認識錯誤と、文明の足場崩壊
世俗化は本当に人類の進歩だったのかを問い直します。
化石燃料文明が生み出した「仮想安定社会」が、現実認識をどのように歪めてきたのかを考察します。
(3)宗教なき近代化──日本はなぜ先行例となり、何を失ったのか
日本が経験してきた「宗教なき近代化」の特殊性を整理します。
それが世界に先行して示してしまったもの、そして日本自身が失ってきたものを検討します。
(4)なぜ「空気社会」では革命が起きにくいのか――危機の時代に、日本社会が動けない構造的理由
日本社会を特徴づける「空気」の構造が、なぜ危機対応に不向きなのかを分析します。
革命が起きにくい理由を、文化論ではなく構造として読み解きます。
(5)では、日本人は何を担いうるのか――空気社会の外側から生まれる希望
動けない構造の中で、日本人はどのような役割を担いうるのかを探ります。
周縁性や宙ぶらりんの立場が、逆説的に持つ可能性を提示します。
(6)なぜ日本は「静かな革命」に向いているのか――気候変動時代における、日本社会の逆説的な可能性
破壊的な革命ではなく、前提を更新する「静かな革命」という視点を提示します。
日本社会がその担い手になりうる理由を構造的に論じます。
(7)静かな革命は、どこから始まるのか(市民編)――気候変動時代における「行動以前の変化」
変革は行動からではなく、認識の変化から始まることを確認します。
市民一人ひとりが担いうる役割を具体的に描きます。
(8)静かな革命は、どこへ向かうのか(制度編)――気候変動時代における「制度の役割の再定義」
制度は何のために存在するのかを問い直します。
市民の変化と制度変化の関係を、対立ではなく連続として捉え直します。
(9)市民と制度のあいだにある、最後の断絶――なぜ「分かっているのに変わらない」のか
市民の理解と制度の停滞の間にある断絶を分析します。
「分かっているのに変わらない」社会の正体を構造的に明らかにします。
(10)覚悟なき社会は、なぜ破局に向かうのか――合理性と安定の先にある、構造的行き詰まり
合理的で安定した社会が、なぜ危機に弱いのかを掘り下げます。
「覚悟」という概念の不在がもたらす帰結を整理します。
(11)覚悟はどのように社会化されるのか――静かな革命が力を持つまで
覚悟は個人の内面に留めておけないことを確認します。
それがどのように社会的な力へと転換されてきたのかを検討します。
(12)信仰・倫理は、覚悟の社会化に何を与えてきたのか――なぜ世俗化した社会では、覚悟が続かないのか
信仰や宗教倫理が果たしてきた社会的役割を再評価します。
それを失った社会が直面している限界と、再位置付けの可能性を考察します。
(13)非宗教社会に生きる私たちは、何を拠り所に生き直すのか――「静かな革命」のその先へ
本シリーズ全体を総括し、日本社会が非宗教社会としてどのような価値基盤と行動原理を再構築しうるのかを整理します。
信仰の回復を前提とせず、現実認識・空白への耐性・宙づりの思考といった日本的特性が、気候変動時代の新たな倫理基盤となりうる可能性を論じます。
「静かな革命」が向かう先として、日本社会が世界に示しうる希望のかたちを展望します。
このシリーズは、特定の思想や信仰への回帰を促すものではありません。
むしろ、なぜ私たちはここまで来てしまったのかを正確に理解することを目的としています。
理解なくして、転換は起こりません。
この連載が、そのための思考の足場となれば幸いです。
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最後に ・・・
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