【雑感】認知戦:双方の言い分に大分差が。
大阪府八尾市立小学校の遠足中に当時1年生の女児が茶の購入を希望したのに、教諭が認めなかったため帰宅後に熱中症で救急搬送されたとして、女児と両親が八尾市に計220万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が24日、大阪地裁であり、達野ゆき裁判長は「教員らの対応は裁量の範囲内の措置」として、女児側の訴えを棄却した。
(『産経新聞』2026年4月24日)
遠足で「お茶買って」拒否し熱中症、学校側の過失認めず 大阪地裁が小1女児側の訴え棄却 https://t.co/1HZX5rkkig
— 産経新聞大阪本社報道本部 (@SankeiOshakai) April 24, 2026
教諭らは女児の様子を確認した上で判断しており、「対応や判断結果に不合理な点はなく、安全配慮義務違反があったとは認められない」と結論付けました。
少し前にTLに流れてきたこちら、記事の内容だけではどうにも経緯が不透明で、結果としては「帰宅後に熱中症」で搬送されてしまったのかな。令和4年との事ですからそこそこに前の事案ですが、これだけだと判断が難しいなぁ、と思っていたら、、

「過失なし」と全面対決する学校の言い分
(『産経新聞』2026年4月9日)
少し前の記事でまとめられていた双方の主張、大分食い違いがあるようですね、、うーん。
「(女児に)お茶を買うと、ほかの子にも次々と買うことになる。教育活動をする上でそれはふさわしくない」。校長は遠足時の対応について訴訟前にこうも説明したという。
(『産経新聞』2026年4月9日)
まず、引率する側の視点に立つと「特定の児童に理由もなくモノを買わせるのは不要なタスクを増やす特別扱い(結果として全体の安全配慮への影響も出ます)」なので、可能限り避けると思います。そういった意味では、校長先生のこちらの説明は理解はできます。
主張が食い違うのは、遠足中の女児の様子。女児側は、めまいなどすでに熱中症とみられる症状があったとするが、学校側は「熱中症を疑うような状況・状態はなかった」と強調する。
(『産経新聞』2026年4月9日)
その上で、小学校入学直後のこのタイミング、引率教師に養護教諭がおられたのであれば、症状把握は妥当だったのではとは思います。また途中で飲用水の補充はしていたのかどうか、していたとしたらどこのタイミングだったのかは気になります。道中(公園)でなら学校側に、違うなら保護者側に理があるような、と個人的には。
法的責任の有無は別として、学校側が結果的に女児に水分補給を我慢させたのは、なぜなのか。そこには学校ならではといえる事情もあった。
(『産経新聞』2026年4月9日)
そういった意味では、ここは少し推測が先行し過ぎていないかな、、「要望前に水筒に口をつけた」のが事実であれば、その時点では水分補給がされていたとも見てとれるわけで、その辺りはぼかされているようですね。
下校の際に迎えに行った母親が高熱に気づき、女児は救急搬送されて熱中症と診断。女児側は学校側に「安全配慮義務違反があった」と訴えている。
(『産経新聞』2024年2月27日)
4月9日の記事では保護者側の主張では「臥せっていた」とありますが、そうだとしたら、お迎えの時点で何かしらの違和感を持つと思いますし、その場で保健室などに待機させるなども出来たと思うのですが、、
「下校後」がどのタイミングなのかでまた少し見方が変わりますかね。お迎え時に引き渡した時点(学校内)なのか、自宅に到着するまでその必要性を感じなかったのかで、、ここも少しぼかされてますかね。
学校や教職員には、学校管理下での事故を未然に防止する「安全配慮義務」がある。事故に予見可能性があり、かつ事故を回避するための措置を取らなければ、「過失」があったとして賠償責任が生じうる。
(『産経新聞』2026年4月9日)
少し気になるのが、学校側が「熱中症を疑うような状況・状態はなかった」とする根拠はどこにあるのか、との点が詳らかになっているのかどうか。
例えば、今回のような、熱中症予防のための水分補給も含めての、安全配慮を十全にしていくための各種オペレーションを「危機管理マニュアル」などの形でまとめていたのかどうか。
そちらがまとめられていたのであれば、運用内容の妥当性と実効性がどうだったのか、といった記録まで確認したいところですが、その辺りは少なくとも記事では出てきていないようです(見過ごしてたらすいません)。
今の時点では、どちらの言い分が妥当なのかは分かりませんし、地裁レベルの判決だと大分偏向しているも懸念もあるので、(出てくるのであれば)続報を待ちたいところです。
(京都)府は2日、府内の全私立高にマニュアルの点検・見直しと報告を求めたところ、複数の学校で不備が散見された。
(『産経新聞』2026年4月24日)
危機管理マニュアル不備の高校に校外活動の自粛求める 同志社国際高校の調査受け京都府https://t.co/OW1GoYnxYZ
— 産経ニュース (@Sankei_news) April 24, 2026
府は2日、府内の全私立高にマニュアルの点検・見直しと報告を求めたところ、複数の学校で不備が散見された。
実際に、お隣の京都府では複数の高校での不備が見つかってしまっているようですし、、ただ、必要以上の苛烈な追及は現場を疲弊させるだけにもなるので、結果的に「救急搬送」されてしまったのは確かなので感情論が先行するのも十分に理解した上で、きちんとした「根拠」を元に冷静に丁寧に詰めていってほしいなぁ、と個人的には。
