島の小学生の夏休み【何もない田舎に生まれて】
… …んー
なんかあつい
ガシガシガシガシガシガシ
今日も今日とて
今朝も今朝とてセミが鳴いてる
いつもの普通の朝
セミが鳴いてるなってすら思わない
その日の朝を描写してるから
書いてるだけなのだ
オフクロがいつもの家事をしていて
「もう6時だよ味噌汁あるから早く食べな」
うん「味噌汁ね…」
まあ食べるけど
また魚でしょ…
タオルケットを跳ねのけて起きると
「顔洗って来な」と母が言う
別に寝てただけだから洗わなくても
と思いながら食卓に着こうとすると
後ろに目が付いているのかと思うくらいにすぐ
「洗って来なって」
私が「いいわ洗わんでも」と言うと
「だめ!寝てる時にゴキブリや蜘蛛が
お前の顔を這い回ってたかもしれんよ!」
といつものセリフだ
田舎で私が他所の学校に行くまでくらいは
木製の枠で木製の窓で
網戸もないのが普通だった
夏は夜も昼も開けっぱなし
夜になるとカナブンが蛍光灯に
カンッ!と当たったりしていて
「たまにはカブトムシ来いよ」と思っていたが
来てもたいていはメスだ
夜テレビを見ている時に
大人の手ほどある蜘蛛が這い回っていたり
ハエはご飯が黒くなるほどいた
それが普通だったので
気にも留めない
夜中になると天井裏のネズミが
運動会を始めるし
家の中にはアオダイショウもいた
人間がいる時には出て来ないが
姉貴曰く仏様の横の扉あけると
いつもいたらしい
たまに開けることあったから
それをこっちにきてから聞いてゾ〜っとした
ちょこのピンチに書いたように
ヘビだけはどうしてもダメ
蚊も入り放題、蚊帳を吊って寝ていた
だから
オフクロのこの言葉も信ぴょう性がある
こんな暮らしをしていて
身なりにも習慣にも無頓着な私だが
妙に潔癖症だ
これを言われると
渋々顔を洗いにいく
どうせ抵抗したところで
言う事聞くまで言われる、言われ続ける
途中から「顔を洗って欲しい」から
「何が何でも私の言うを聞かせる」に
目的が変わっていたんじゃないかと
今になって思う
グズグズ顔を洗ってご飯食べてると
「お母さんはもう出かけるから
今日も泳ぎに行くんやろ
それまでに少し宿題をやりなさい」
出かけるって言っても畑仕事か
地区の行事
けして遊びや買い物に行く訳ではない
オフクロが出かけたら
宿題なんてやるわけもなく
それよりも早く確かめたい事がある
ご飯食べるのももどかしく
そそくさと
目の前の海の潮の満ち具合を見に行く
その頃は満潮と干潮があるってことくらいしか
知らないし
大潮、小潮などあることも知らなかった
誰かが言っていたかも知れないが
興味がないと耳に入ってこないのだ
とにかく人の言うことをよく聞かない
いや、全く聞かない子供だった
夏休みは毎日満ち具合はどうかと
目の前の浜を見に行っていた
私の家の前の波止場は明治だかに作られた
大きな石を積んでだきたものだ
1番下に通路があり
そこの上まで海水が来ていると
!!っとなって友達を呼びに行く
(どんぶり満ち)って言ってたな
これが嬉しい
友達の家の玄関を開けて
興奮しながら
「もう用意しとけよ、今日はどんぶり満ちだ」
ご飯食べてた友達も
!!ってなって飛び出さんばかりに立ち上がって用意を始める
「俺は行ってるから」
早く海に入りたいばかり

今でこそ大人が当番で(監視)という名の
見守りをしてくれているが
この頃はそういうものはなかった
中学生の兄さんや姉さんが
それとなく気遣ってくれる程度
よく面倒みてくれる人ばかり?
人が多かった
自分の弟や妹でもないのにだ
不思議と水難事故は起きていない
友達を呼びに行く前に
海水パンツに着替えてあったから
もう友達待てずにすぐに海に入る
夏休みに入る前に毎年誓う事がある
(今年こそは真っ黒に焼いてずっと戻らないようにする)
毎年焼いても焼いても真っ黒になるにはなるが
学校始まってしばらくするとすぐ白くなる
泳ぐ場所は
石垣の防波堤を挟んだ
港の船着場かその反対の真砂の浜だ
子供の頃の海は本当に美しく
真砂の浜は三日月形に湾曲し
1番先には大きな形のいい松の木が生えていた
湾曲した海岸線のところどころに
馬や亀の形をした大きな岩があり
その先に行くと
海から突き出た三角形の(いかづち)
と呼ばれる岩礁があった
海の水は透明度が高く
陸のそばまで満ちている時などは
水がないように見えるくらいだった
子供の間で暗黙の了解がいろいろあって
その1つが
小学生は浜の岩2つまでしか
泳ぎにに行ってはいけないとか
防波堤には西と東があって
西と東の防波堤の先を泳いで往復できないと
(泳げるようになった)とは認めないとか
誰が言い出したか決めたかわからないルール
多分親父達よりもっと前の子供達が言い出したんだろうな
私が(泳げる)認定を貰う時には
中学生2人のお姉さんに
両脇をサポートされながら
「頑張れ、頑張れもう少し」と励まされながら
泳ぎきった
泳ぎきった時にはお姉さん2人から
ベタベタ褒められてデレデレしていたっけw
ちなみに自分の姉ではなく
私の田舎ではよその姉さんでも
〇〇姉ちゃんと呼ぶ
真砂の浜で泳ぐ時は
リョウガン(両眼?こう書くのかな)
という水中メガネをかけてもぐり
サザエやアワビを見つけると
獲って上がって来て石で叩き割り
海の水で洗ってかじっていたなぁ
だから今でも
サザエやアワビを有難たがらない
雲丹もアサリもヒジキもアオサも
(前の海にいる奴)扱い
海に浸かり過ぎて寒くなってきたら
唇が紫になる
港で泳いでいる時は
防波堤の岩の上であったまる
天然の岩盤浴だ
真砂の浜で泳ぐ時は
浜に上がって真砂石の上に寝転ぶ
寝転んでいたら
突然背中にチクッと痛みが走る
結構痛い
下から出て来たフナムシにかじられる
コイツらは何でもかじる
スイカの皮でも魚の死骸でも
人間の背中もw
魚釣りのエサにもなる
散々泳いで帰ると
たまにオフクロが
タライに水を張ってくれていて
「それに入りなあったかいから」と言ってくれる
本当にたまにだけど
これがこの上なく嬉しかった
裕福じゃなかったけど
いや、裕福じゃないからこそ
子供に精一杯愛情をと思ってくれてたのかな
このオフクロは真面目だけど
天然なところがあっておまけに気が強い
面白いエピソードもまあまあある
愛情あったよね?と思うこともあるので
また書きます。
人に話すと「うそ〜!」と
ネタでしょって言われる話です
ここまで読んでいただきありがとうございました。
ねこターボ🐈
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