【離島の暮らし】子供が海に
夏休み
中学を卒業してから私は
他県の海のそばの田舎にある
海の専門学校に入学した
田舎と言っても
僻地で生まれ育った私にとっては(大都会)だ
規律、規則が厳しく外出するにも
申請出して許可をもらわないと出かけられない
そんな学校の夏休みで自宅に帰って来ていた
自分は夏休みだけど
友達はほとんどよそに就職していて
地元の友達は大半は船の上、東シナ海にいる
ダラダラと過ごすしかない
海と山しかない故郷は少し退屈
海?もう泳がんよ、魚釣りももういいわ
山?いっても何もないよ
起きて食べてテレビ見て寝る
たまに両親の船の網にかかった魚を外す手伝いをするくらいで
まあ手伝いになってないけどw
退屈だけどなんて言うんだろ
雰囲気?潮風?匂い?
わからないけど
帰って来たんだなぁと感じると
ホッするね
遅くまで寝てても
小中学生の時みたいに
「いい加減起きな!日は登り上がっとるよ!」
(ここは方言で書きたいとこだが)
と言われて起こされることもない
すぐ上の姉貴(4歳上).が
高校卒業後に出て行ってから
私の部屋は浜に隣接された道路を挟んで
建っている隠居の2階になっていた
ある日
朝少し遅く起きて海を眺めていた
右の方に真砂の浜
遠くに海から突き出た三角錐の岩礁
所々に馬や亀みたいな大きな岩が横たわる
水が綺麗だ
海面がキラキラしてる
あの美しさを表現できる文章力が欲しいな
もどかしい
正面を見ると明治時代に造られた
大きな岩を積み上げた西と東の防波堤が見える
私の家は西の防波堤の付け根にある
遠くから漁船のポンポンポンポン
エンジン音が聞こえてくる
まあ、たいてい聞こえていたが
漁村だもの みつを
左に視線を移すと
漁協とその周辺のコンクリートの岸壁があり
そこに漁船が係留されていて
私の両親の船もそこにあった
あーいつもと変わらない風景なのに
ふぅ、なんかいい、落ち着くと
漁船の方を見ていたら
子供が石を海に向かって投げている
4〜5歳くらいだったか
私の家から山のほうに
200メートルくらい上がったとこの
後輩の1番末の弟だ
「えい!」とは聞こえなかったがw
投げた距離に満足できない様子で
拾っては「えい!」
聞こえないから雰囲気ですよw
ムキになった感じで
拾っては投げを繰り返している
岸壁の際まで行って遠くを目指す
「そんな事してると落ちるぞw」
と思いながら見ていた
さあ!拾ってぇ〜
行くぞ〜
気合いが入った様子
「ええーい!」
腕を最大限に振ろうとするあまり
体も飛び上がった
!!「あ!落ちた」
ほら言わんこっちゃない
でもこの島の子供は早いうちから泳げるよね
とか
でも、もしかして泳げなかったら
とか
ウダウダ考えてる時
どこにいたかわからなかったけど
私の遠い親戚のおじさんが
漁の時にはくカッパを脱いで飛び込んだ
岸壁までたどり着いた
「あー良かった、泳げなかったんかい」
「すぐ行動できなかった、情け無い」
などと思って見ていたら
一向に陸に上がらない
子供を腕の間に入れて岸壁に捕まっている
「もしかして上がれない」?
おじさんは私の方を見ている
気づいていたんだ
ダッシュで2階から駆け降りて
漁協に向かい
子供を引っ張り上げ
おじさんも引っ張った
「あー良かった、助かったよ」
と言われたが
「いや俺の行動が遅かったから」
との思いがあって軽く会釈して家に帰った
考えさせられた
すぐ動いて結局泳ぐことができたら
それで良かったじゃん
躊躇した自分が恥ずかしかった
その日の夕方にその子の両親が
手土産を持ってお礼に来た
「いや、俺は引っ張っただけだから」
と言うと
いやいやそれが無かったら助けることが出来なかったからと
「受け取る資格ない」と思いながら
お礼を言った
何のためにこの島に生まれ
早くから泳げて
勉強もしないで遊びまわってたんだと
こんな時に
その少ない取り柄を活かさないでどうする
などとグジャグジャ考えながら寝た
オフクロは喜んでいたからまあいいか
書いてて泣きそ
いつも思い出を書く時に泣きそうになるわ
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
ねこターボ🐈
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