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#25【入試情報】開智横浜国際の衝撃

久しぶりに、中学受験業界がざわつくニュースが飛び込んできました。
聖ヨゼフ学園が、2027年度から「開智横浜国際」として新たなスタートを切るというニュースです

この度、学校法人アトンメント会は、学校法人開智学園との間で、設置法人を変更することで合意いたしました。来年度、2027年4月1日付けで聖ヨゼフ学園小学校、中学校、高等学校の設置法人を学校法人アトンメント会から学校法人開智学園に変更する方向で、現在、関係各所との協議を進めております。詳細については今後正式に確定次第改めてご報告申し上げます。
             聖ヨゼフ学園中学・高等学校 校長 多田信哉

聖ヨゼフ学園ホームページ

設置法人そのものが開智学園へ移行する方向で協議が進んでおり、
神奈川県初の開智グループ校が誕生することになります。

これは単なる校名変更ではありません。
学校の設置法人が変わるということは、教育理念が変わり、ブランドが変わるということです。受験生から見た学校の立ち位置が変わる可能性が高いのです。


聖ヨゼフ学園とは

まず聖ヨゼフ学園について簡単に説明しておきましょう。

聖ヨゼフ学園って、実際に学校研究をしている人からの評価と、受験市場での知名度が一致していない学校だったんですよ。

場所は横浜市鶴見区カトリック系の伝統校です。
校訓は「信 望 愛」教育目標は「よく学び努力する人、知恵のある人」「いのちを喜び、感謝と奉仕の心を持って生きる人」。バリバリのミッション校ですね。もともと白百合学園とは事実上の提携状態にあり、希望さえすれば白百合女子大に全員入学することができました。

2023年から上智大学と高大連携協定を締結し、上智大学の行事参加、上智大学へのカトリック推薦の進路の道が用意されています。どのくらいの人数がそれを利用しているかはさておき、キリスト教学校のネットワークに入りこむことで生き残りを図っている学校でした。挨拶は男女問わず「ごきげんよう」品があって、良い伝統校じゃないですか。

唯一、難点としてはアクセスしづらいことでしょうか。

JR「鶴見」駅西口より 徒歩 15分 または、臨港バス 5分
JR・東急「菊名」駅より 臨港バス 15分
東急「綱島」駅より 臨港バス 20分
JR・地下鉄「新横浜」駅より 臨港バス 25分
いずれも「二本木聖ヨゼフ学園前」下車 徒歩3分
第二京浜国道 市営バス 「東寺尾陸橋下ヨゼフ学園前」下車 徒歩3分

聖ヨゼフ学園アクセス

そして最近の聖ヨゼフを見ていると、かなり面白いことをやっていました。探究学習です。
今はどこの学校も「探究」「探究」と言っていますが、聖ヨゼフは比較的早い段階からそこに力を入れていた学校です。小学校でも探究型概念学習を導入し、「正解を当てる」ではなく「自分なりの答えを作る」学びを進めていました。さらに国際バカロレア系の教育にも取り組んでいました。系列の小学校は日本初の国際バカロレア認定校で、中・高も同様の教育が行われています。

国際バカロレアとは、スイスのジュネーブに本部を置く国際バカロレア機構が提供する国際的な教育プログラムです。世界中で通用する大学入学資格が得られ、暗記にとらわれない「探究型学習」を通じて、国際的に活躍できる人材を育成します。まさに、聖ヨゼフの教育が世界的にも一定の権威として認められているもので、探求の先駆者であったことが分かるでしょう。

実際の口コミを見ると、先進的かつ挑戦的な教育へは高い評価がありつつも、伝統校ゆえの閉鎖的な教育環境に疑問を呈する評価もありました。

・学校の校則が厳しいだけあって、いじめなどはない
・学力レベルはかなりあり、高校入学組が最も上
・自習室があり19時まで開いている。メンター含め先生による対応も多い
・文系や医療系(医学部以外)への推薦枠が充実している
・書道部が全国レベルの実力
・内部生が優遇されている、先生から目をかけてもらっているきらいがある
・生徒数は1学年60~70名強。各学年2クラス編成の小規模校

開智学園とは

では、一方の開智学園はどのような学校か。
もともと埼玉の学校法人です。
開智学園という名称は、ノーベル賞を2015年に受賞した大村智さんが命名されたもの。
その後、次々に学校法人を吸収して拡大しました。

2017年 学校法人 日本橋女学館と合併。
2026年 学校法人 茶屋四郎次郎記念学園と合併。
次々に傘下の学校を増やしています。
いまや、グループの学校は以下の通りとなりました。

岩槻キャンパス
 開智小学校・中学校・高等学校
加須キャンパス
 開智未来中学・高等学校
守谷キャンパス
 開智望小学校・中等教育学校
日本橋キャンパス
 開智日本橋学園中学・高等学校
柏キャンパス
 開智国際大学
八王子キャンパス
 開智国際日本語学校
所沢キャンパス
 開智所沢小学校・中等教育学校

ここに、2027年からは聖ヨゼフ、改め「開智横浜国際」が加わることになるのです。開智グループ急伸の理由はなんなのか。その大きな要因は中学入試における、1月受験の常態化と増えつつあるグループ校でしょう。

躍進する開智グループ

2月1日に東京・神奈川の中学入試が解禁されるため、その前受け・練習受験として1月に埼玉・千葉の学校を受けることは古くから中学受験界隈ではよくあることでした。これが、コロナ禍で一瞬減少。しかし、その後さらなる活気とともに戻ってきているのです。

1月10日が埼玉・千葉入試の解禁日です。そして、その10日、都内からの主な練習受験先は、上位生の場合 栄東・大宮開成・開智 の3校にほとんど収れんされているのが実情です。

ではその3すくみの状態からなぜ開智が頭一つ抜きんでたのか。そのきっかけとなったのが、2024年4月の開智所沢の開校です。1月入試を大きく塗り替え、開智の株をさらに押し上げたがこの出来事でした。さて、開智グループの躍進がなぜ進んだのか。理由がいくつかあります。

受験料2万円の「サブスク入試」
開智学園は、開智グループの学校を何回・何校受けても2万円の受験料で固定にしました。受験料は積もり積もれば高くなるもの。これをおさえることは家計への大きな助けとなったことでしょう。さらに、開智を受ける願書で「開智所沢」の欄にチェックを入れれば、なんと開智を1回受けるだけで、開智所沢の合否も判定可能なのです。逆に、開智所沢を受けるときに「開智」にもチェックを入れれば、開智の合否も判定してもらえます。回次にもよりますが、これは開智望・開智未来においても同様です。

1回の入試で2つ以上の合否が判定してもらえる。定額はらって1回受験すれば複数合格もゲットできる。そして、もし不合格なら追加料金なしで再チャレンジ可能。まさにサブスク入試。令和の中学受験のご家庭の需要にぴったりはまったのが開智だったのでした。

②午後入試も実施
開智・開智所沢では、午後に算数特待入試があります。
これは、午前に4教科で受験したあと、午後に1教科入試を練習する大チャンス。2月の受験に向けて、体力・学力ともに練習しておきたいもの。追加受験料が必要ないのもあいまって、多くの受験者を集めています。
なお、ついにのべ受験者数は栄東>開智となりました。

開智所沢の立地のよさ
開智所沢は何よりも、開智グループの中では抜群の立地をほこります。
小・中・高が同じキャンパスに立ち並ぶだけでなく、所沢は西武線の沿線で、東京都内からも容易にアクセスできるのです。開智本校は岩槻ですから、都内からだと少し敷居が高い。都内からの受験生、しかもその気になれば進学も視野に入れた多くの受験生を所沢が集める。さらにその生徒たちが開智にも願書でチェックを入れる。この相互作用によって受験者がさらに増えました。こうして、所沢の合格基準点は開智本校を上回ることになったのです。

開智日本橋のブランド化
開智日本橋は、もともと日本橋女学館という全く別の学校でした。これを開智グループに入れるとともに共学化。いまや開智日本橋中の偏差値はうなぎのぼりで、広尾学園・広尾学園小石川などの「国際系」のリブランド共学校の一つとして大きな成功を収めています。偏差値としては、共学の中では先述の広尾グループの次につけているほど。そして、「とても勉強させてくれる学校」です。塾や予備校に行かずとも、開智日本橋は学校内で十分な授業・課題・補習を用意してくれる。そして、「入口より出口が高い」を体現している。まさに、開智の中では特別ブランドとしての道を確立しているのです。

開智の神奈川進出

そんな開智グループにとって初めての神奈川進出が開智横浜国際となるわけです。
これまで、聖ヨゼフはキリスト教学校への人気低迷、立地による不利、そして小学校からの一貫であることが首を絞める形の閉鎖空間への忌避(と一部の口コミ評判の悪化)が相まって生徒を集めにくい状態が進んでいました。
2017年に高校入試募集を再開したこと、2026年の小学校新入生が42名しか集まらなかったことなどからも、生徒募集の厳しさが垣間見えます。

そこへきての、キリスト教系と袂を分かつという決断。中学受験業界はざわめいています。
そこまで経営が苦しかったのか…?」と。

受験生とその家庭をおもんぱかる中学入試のサブスクシステム。それが開智横浜国際にも導入されるということは、2月入試の神奈川の勢力図を大きく塗り替える可能性があります。
偏差値帯としては、現状の聖ヨゼフから10~20ポイントは上昇し、神奈川大附属、青山学院横浜英和、中央大横浜、法政第二などを脅かす立ち位置まで上がるとみています。

そもそも、神奈川には「国際系」といえる立ち位置の学校がほとんどないのが実情です。上記の学校群は難関~上位のレベルですがいずれも大学付属。国際系の先駆けかつトップレベルの慶應義塾湘南藤沢中等部も、やはり大学付属です。なかなか、慶大以外への進学の道は開けません。
横浜方面まで出ると横浜共立、横浜雙葉などがありますがいずれも伝統的女子校。湘南学園や横浜創英は共学かつ国際系を模索していますが、レベル感としては開智グループとは一線を画すでしょう。
「国際」を名前に冠する学校には公文国際がありますが、全寮制で独自色が強く、人を選ぶ学校です。

これまで「国際」を学校名に付けてこなかった開智が、わざわざ開智横浜国際 という名称にしてきたことも要注意です。国際系共学を目指すならうちに来て!と全面アピールをしているように感じられます。2月3日に横浜サイエンスフロンティアなどを受けようとしている層の併願も狙えるでしょう。

一方で、開智横浜国際はICTや国際系を謳っているわけですから、国内国公立の実績目当てというより、海外大や語学系へ強い学校を標榜していくように考えられます。鶴見地区は東横線にもJRにも出やすいエリアですから、都内からの受験生が一定数流入することでしょう。帰国生や英語・英検利用入試が増えるのではないか、という期待もあります。

懸念としては、今後キリスト教教育はどうなっていくのか?ということや、現在付属の小学校に通っている生徒はそのまま上の学校へ内部推薦されるのか?などが挙げられます。続報が待たれるところです。

まとめ

突然の発表と方針転換で、聖ヨゼフにお通いの方々に置かれましても驚きが大きかったと推察いたします。
少子化の世の中、これからも多くの学校が方針転換や合併・校名変更を余儀なくされるでしょう。しかし、伝統的に受け継がれてきた良さやその学校ならではの空気感は、失われないことを願っています
いずれにせよ、選択肢が増えるのはよいことです。共学の選択肢が広がり、新たなジャンル「国際系共学」の学校の中でも、新しい伝統や新しい学校ごとの個性がさらに際立つことを願っています。

開智横浜国際、期待して続報をまちましょう!

2026年6月26日追記
新たな発表がありました。
開智国際大学は、2027年4月より、設置者変更(認可申請中)により、東京福祉大学と統合し、新しい開智大学が誕生する予定です。
開智大学は、探究学習(アクティブ・ラーニング)を中心とした少人数教育で、人のためになる分野(教育・心理・福祉・保育・国際教養)のスペシャリストを養成する、4つのキャンパスに6つの学部を有する大学です。

開智国際大学ホームページより

2027年 中学入試
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