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WEBライターとしての仕事をすべて失いました

いつか来るとは思っていた。

AIを使えば誰でも記事らしきものが生成できる時代。あちこちから「契約を打ち切られた」という静かな叫びが聞こえていた。「不安の9割は当たらない」なんて言うけれど、不思議なもので、予感は案外的中するものだ。

ライター業開始から4年、初めて仕事がゼロになった。

Chatwork(仕事用の連絡ツール)の画面に「とよしまさんは来月でさよならやで~」といった旨のチャットが届いた瞬間のことは忘れられない。お手本のような二度見を披露してしまった。

ついに来たか、と思った。
ショックを受けたり、怒りが湧いたり、悲しくなるでもなく。
ただ、「予感が的中したなぁ」と思った。

「運営方針がなんたらかんたら」と理由が書かれていたが、どうせ建前だから、本気で目を通すことはしなかった。真の理由を聞こうと思ったけど、止めた。いや、聞く勇気が無かった。

このクライアントは、俺が初めてライターとしての仕事を獲得できた相手だった。4年以上の付き合いがあり、自分なりに「信頼を得られている」という確信があった。

それが良くなかった。

ライターはクライアントから信頼を勝ち取ると、次第に発注される仕事量が増えたり、業務範囲が広がったりする。最初は月に7本程度だった発注が、次第に増えて月30本以上となり、本文執筆だけでなく構成も担当するようになっていく。

そこに、並行して受注していた別のクライアントから突然連絡が来なくなったり、テストライティングに合格していざ稼働しようとしたら文字単価がものすごく低いといったトラブルが重なる。紆余曲折があって、メインのクライアント1本で稼働する状態になっていたのだ。

これが俺のミス。

メインクライアントに使える限りの時間を割いてしまったことで、他の仕事を取りにいく余裕を失くしてしまっていた。仮に契約できたとしても、現在の仕事量と並行して業務をこなせる自信もない。

「いつか仕事がなくなるかもしれない」という予感はありつつ「でもこれからも仕事をくれるだろう」という甘えがあり、「とにかく今は依頼されている仕事に集中しよう」と、ひたすらに書き続ける。

そして、突然の契約解除。

社会人としての建前や美辞麗句をすべて取っ払い、幼稚な言葉をあえて使うとすれば「裏切られた」と思った。だったら受注量をセーブして、他の仕事を並行してやれば良かったよ。

もちろん、こんな他責思考には何の意味も価値もない。そうならないようリスクマネジメントできていなかった自分が悪い。フリーランスで働くというのは、そういうことだから。自分の身を守れるのは自分だけである。

だから、これからライターの仕事をやってみたい人には「絶対にクライアントひとつでいっぱいいっぱいにならないでね」と伝えておきたい。どれだけ担当者と信頼関係ができていても「上」が切ると決めたらそれまで。

建前上、発注者と受注者の立場は対等ではあるけれど、結局のところ「君に仕事はあげないよん」と言われれば、それでおしまいの立場だからね。


ライターとして、やっと生活が軌道に乗ってきたと思ったのにな。

報酬が月末に振り込まれるから、どうしてもお金のやりくりが難しく、請求書の先払いサービスを使って何とか家賃を払っていた時期もあった。転職後に市から借りた20万円の緊急小口資金も、ようやく今年に入って完済したばかりなのに。

大切に遊んできたゲームのセーブデータがクラッシュしたみたいに、俺はまだ呆然としている。

ウシジマくんの「金が全てじゃねぇが、全てに金が必要だ」というセリフが頭の中で鳴り響いて止まない。

そもそも、在宅で仕事をはじめた大きな理由のひとつは、不安障害やうつ病と向き合う妻を近くでサポートするためでもあった。でも、この有り様。むしろ心配と不安で負担を強いているではないかと自己嫌悪する。

ひとしきり仕事人としての自分を嫌いになり、全てのタスクが甚だしく億劫になった。十分に落ち込みきってから「さて今の自分に何ができるか」と考えた。

今の自分にできることは、以下の4つだと思う。

ポートフォリオを作る

これまで作ろう作ろうと思いながら未着手のままでいた、ライターとしてのポートフォリオを先日完成させた。ポートフォリオには簡単な自己紹介や過去に請け負ってきた仕事などを分かりやすくまとめている。

他のライターさんのポートフォリオなどを参考にして、今書ける限りの情報を整理する。書籍のコラムを担当したり、取材記事などを書かれている他のライターさんの実績を見て落ち込みつつ、足を引きずるようにして何とか完成に至る。

ポートフォリオがあれば、仕事の提案書を作りやすい。

いつか向こうからお声がけいただける未来を夢想しつつ、現在はライターを募集しているメディアなどへ積極的に声をかけているところだ。

要するに、デカめの名刺を作り終えた。


行政機関に相談する

向こうから「へいへい大丈夫かオイ」と声をかけてはくれないが、こちらから相談すれば意外と頼りになるのが行政機関。

前述したように、過去に緊急小口資金を借りたり、家賃補助などの相談をしたことで苦難を乗り越えた経験がある。借りたお金を完済したばかりで悔しいが、そんなプライドは無視するしかない。

これから役所へ行って、お金に関する現状とこれからについてしっかりと相談してこようと思う。


タイミーにチャレンジしてみる

気が向いたときに手を上げて「働きます!」ができるタイミーにチャレンジしてみようと思う。

ちょうど独りパソコンの前で仕事をし続けることに飽きや退屈さを感じていたところなので(強がり)、人と関わりながら未経験の業種にチャレンジしてみるのも面白そう。初めてのタイミーについてはnoteのネタにもなるし。

SNSの口コミを見ていると「最初は印象が良いのにだんだんボロが出るような人にぴったり」という、俺のために書かれたような意見によく出会うので、若干ワクワクしている。

noteにもっと力を入れる

クライアントワークだけで収益を得る危うさを学んだからこそ、これからもnoteには力を入れていきたい。

書き溜めてきたメモ、つまりはアイデアのタネみたいなものは充実しているので、しっかりと育て、誰かの役に立つ文章を書いていく。
過去の記事をまとめた有料マガジンも作りたいし、メンバーシップに関しても時間をかけて研究したいと思う。

「noteで暮らす」は遠い夢かもしれないけれど、せめて「noteで妻を旅行に連れて行く」は叶えたいな。



俺は、人生を伏線回収の連続だと捉えている。

最後に嬉しい結果さえ残せたのなら、過去の失敗は覆り、すべてはストーリーになる。仕事をすべて失った経験も、そう遠くない未来で笑って話せる日が来ると思う。いや、絶対にそうしてみせる。

自信を失いかけたし、自分を嫌いになったけど、せめて書く手だけは止めないでいよう。

新規データで遊ぶゲームも、結構おもしろいからね。


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