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【イオンモール熊本爆発事故】「取材はお断りしております」オンワードHD以外は自社従業員が死亡したことさえ公表しないという事実に思うこと。

昨日の投稿では、イオンモール熊本の爆発事故に関連する形で、「またまたご冗談を」というレベルの日本型企業の畜生体質について少し書いたが、そうこうしているうちに飛び込んできたのがこのニュースだ。

爆発事故に巻き込まれる形で亡くなった女性従業員・大竹玖瑠美(22)さんのご遺族が、実名を公表した上で、改めて真相の解明を求めた形だ。というのも、これは割と早い段階から明かされていたことだが、大竹さんは爆発の直前、地震発生によって退避した際、駐車場でご親戚の方(「おばといとこ」西日本新聞 7/31(金) 21:56配信)と偶然出くわし、その際に「金庫にお金を入れないといけないと言われたので戻る」RKK熊本放送・7/31 18:57配信)と告げて再び店内へと戻っていったのだという。記事によるとそれは爆発から逆算しておよそ5分程度前のひとコマであったというが、いずれにしかり、大竹さんは勤務先である雑貨店側の意向・指示により、館内へと戻ったことで爆発に巻き込まれたと見られているのだという。

なお、大竹さんがご親戚に語ったという言葉は、配信時期や媒体によって以下のような微妙な違いがあるものの、「会社側の意向でレジの金を金庫に保管しに戻った」という点では共通しているため、いずれも「大竹さんと言葉を交わしたご親戚からの伝聞でご遺族が話している」ことを考慮すれば、そこまでの差であるとはいえないだろう。

「金庫にお金を入れないといけないと言われたので戻る」(RKK熊本放送7/31(金) 18:57配信)
「会社の人から頼まれた」(西日本新聞 7/31(金) 21:56配信
「会社の指示で売り上げを金庫に入れないといけない」(熊本朝日放送8/1(土) 17:39配信

RKK、西日本新聞、熊本朝日放送

なお、既に運営企業については、RKK熊本放送が取材を申し込んだそうだが「取材はお断りしている」と接触・説明を拒絶したそうだが、前出・RKKの記事(RKK熊本放送・7/31 18:57配信)では、同僚とともに2名で店に戻ったことが示唆されており、生死は不明だが、その同僚も爆発に巻き込まれた可能性が存在しているのである。3名の従業員が死亡したオンワードのようにリリースを出すわけでもなく、メディアの取材に対して何かを明かすわけでもなく、「取材はお断りしている」と沈黙を続ける運営企業。これが単に、“自社の社員が災害に巻き込まれて亡くなった”という話ならまだしも、会社側の意向・指示に従ったがゆえに亡くなるはめになったのだとしたら、背後にどのような“大人の事情”があるにせよ、説明責任は発生するだろう。それを「お断りしている」なぞと拒絶するのは、あまりに不誠実としか言い様がない。とうに「お断りできる」状況ではないのである。

しかし、である。イオンモール熊本での死者(いずれも従業員であるという)は7名と発表されている。2店舗を運営するオンワードだけが3名の命が失われたと発表しているものの、大竹さんの勤務先をはじめ、残り4名分の勤務先は、自社の従業員が事故により死亡したことさえ公表していないのである。『WWD』が7/29の12:45に配信した『イオンモール熊本の爆発事故 テナント各社の状況』という記事では、“それ以外”のテナントの運営企業が『WWD』の取材に応じる形で、各社とも被害状況を割と詳細に、そして誠実に回答していることが印象的であっただけに、大竹さんの勤務先が「“お断り”している」と回答したことは、その言葉から滲み出るニュアンスも相まって、不遜極まりないものとして映るのは致し方のないことだろう。実際、冒頭でご紹介した記事で大竹さんのご遺族は、「私たちがお願いしたのは、きちんとした真相をテナント等とも話して、出してほしい」と語っている。つまり、大竹さんの勤務先は「きちんとした真相」をご遺族にさえしていないということが窺えるからだ。

なお、『NEWSポストセブン』が8/1の7:15に配信した『《なぜモールに戻ったのか?》イオン熊本の爆発に巻き込まれた従業員が語る“戻った理由”「火事を防ぐため…」「あと1、2分遅かったら死んでいた」【令和8年熊本地震】』という記事では、1Fにある別のテナント(飲食店)でアルバイトしているという男性がインタビューに答えているが、その際に「他の店舗の従業員も駐車場と建物内を出入りしていたので、自分たちも大丈夫だろうと思っていました」と語っていることから、客を退避させた後に、思いのほか多くの従業員が再び館内へと戻っていったことが窺える。この男性の場合も、火災になるなどの二次被害を防ぐために、フライヤーの火を落とすなどの後始末に店へと戻っていたそうだが、こうした“空気感”があった以上、より多くの人々が爆発に巻き込まれていたとしても何ら不思議ではない状況であったといえるだろう。

さて、最後に再び大竹さんの話に戻すが、仮に万が一にでも、本当に会社からの指示で店に戻ったところを爆発に見舞われたのだとすれば、なぜそこまで従業員の生命を危険に晒す行為を平然と指示したのか理解に苦しむ。無論、前出のアルバイト男性らがそうであったように、会社側からすれば「爆発事故が起こるなど考えもしなかった」というのが正直なところだろう。しかしながら、爆発が起きなかったとしても、これだけの規模の大地震が発生し、避難までした後に戻らせるという選択肢は、どう贔屓目に見ても、適切であるとは言い難い。オンワード以外の企業、すなわちこの爆発事故で亡くなった従業員がいるにもかかわらず、それさえ発表せずにダンマリを決め込んでいる企業に、誠意ある対応を強く求めたいところだ。

(猪)



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