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【ショートショート】春眠フラペチーノ

「どうして枕を変えた!」

「なに?あなたがあの枕は硬すぎるって言うから、わざわざ買ってきたのよ」

「あんなもの柔らかすぎて無いのと一緒だ」

「もう、高かったんだから使ってよね。不眠だかなんだか知らないけど、変なことばかり考えてるから眠れないのよ」

「変なこと……もうあの件は、謝っただろう」

「謝ればいいの?あんな若い女に……とにかく、私に当たらないでくれる?」

「当たってなんかいないだろ?枕を変えたのか聞いただけだ」

「怒鳴ってたじゃない。もういいわ。これでも飲んでゆっくりしてたらすぐ眠くなるわよ」

 妻に渡されたフラペチーノを訝りながら、夫は庭の椅子に腰掛けた。こんなもので眠れたら苦労はない。そう思いながら飲んだフラペチーノは案外と美味だった。

 暖かな春の風が吹き、ひとひらの花びらがフラペチーノに浮かぶ。瞼が重い。あいつもたまには役にたつものだ。

 舟を漕ぎ出した夫の背後に、妻が影のように寄り添う。春の日差しが妻の手元にあたり、キラリと光を反射した。


 終


フラペチーノは花びらが浮くようなものではない、ということに画像を生成したあとに気が付きました。後の祭りです。

田原にかさまの毎週ショートショート【春眠フラペチーノ】に参加させて頂きました。

【俊敏ポルチーニ茸】はこちら

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