【連作ショートショート】勇者の屍を越えていけ ②勇者と竜王
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暗く深い森の奥、天まで届きそうなほどそそり立った山の頂上に、その主はいる。
魔王と双璧を成す人類の脅威、それが竜王だ。
「ついに、ここまで来たな」
「ああ、竜王の眷属ひしめく森を抜け、いつ辿りつくとも知れない山を登った。もう、目の前だ」
「この伝説級に美味しいお肉を渡せば、竜王も仲間になってくれますよね!」
「ああ、この日のために世界中から美味いと評判の牛を探し出し、交配させ、10年かけて辿り着いた、至高のお肉だ。竜王も首を縦に振るしかないだろう」
「持ってるだけでヨダレが止まらないぜ」
「さあ、行こう。今日が人類解放の第一歩だ」
勇者は雲の中の頂を見上げる。
その瞳には希望の光が瞬いていた。
「ワシはベジタリアンだ。愚かな人間どもよ、滅びよ」
竜王の炎に焼かれながら、勇者は至高の肉に文字を刻んだ。後世の希望のために、我が子を抱きしめるように、その肉を守った。
こんがりと焼けた至高の肉に、焼き印のように勇者の言葉は刻まれた。
※顧客のニーズを理解しない提案は、ただの自己満足です。 ──勇者
つづく
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いくつかアイデアが浮かんだので、連作ショートショートにしてみました。
あといくつか続く予定です。
シリーズをまとめました。
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