「Act・2 (アクト・ツー)!!」 【第2話】 (創作大賞2025 エンタメ原作部門)
第1話↓の続きです。
※Mはモノローグ
倫生館大学・学食
カレーを食べる冴島と、クリームたっぷりのフラペチーノを飲みながらスマホを見ているあかり。
冴島「どうしよう…」
ーー冴島の頭に先程の出来事がフラッシュバックする。
冴島「もし、オーディションに落ちたら….?」
江波「4年間舞台には立てないよ」
ーー
あかり「うまー!ホイップ追加してよかったー!」
冴島「なぁオーディションって何やるのかな」
あかり「うーん、詳しくは知らないんだよねー。オーディション見るの3、4年の先輩だし、わたしそもそも受けたことないし」
冴島「てかさ、日置さんはなんで倫生館に?」
あかり「あー…」
冴島「もともと興味あったの?演劇」
あかり「まぁ、小さい頃ちょっとやってて」
冴島「え?!そうなの?!子役ってこと?」
あかり「まぁ…そんな感じ」
冴島「まじかよすげえな!!なんか出たりしたの?」
あかり「まあ色々と…」
冴島「例えば?例えば?」
あかり「また今度……あ、洸くん」
冴島の後ろに梶洸(かじ・あきら)が立っており、冴島のことをじーっと見ている。
梶「ねえ、あんたも1年?俳優志望?」
冴島「え、あ、はい」
梶「へー、どこで演ってたの?」
冴島「あ、いや初心者で」
梶「あー、なんだ」
冴島の頭から足までじろーーっと見た後、その場を立ち去る梶。
あかり「洸くんね…そういうとこあんのよね…」
冴島「でも同じ1年だよね?」
あかり「入学する前からうちの稽古ちょいちょい来てて」
冴島「そんなのあり!?」
あかり「まぁ…普通はないんだけど……(小声で)彼、実は俳優の梶圭一郎と永井朝子の息子で」
冴島「ええすげえ東京!!!」
あかり「声大きい!……それで、特別に」
冴島「そうなんだ」
あかり「一家全員役者のエリート家族ってわけよ」
不満足げそうに歩いている梶の顔。
【梶洸 / 倫生館大学演劇研究部1年 / 俳優部志望】
冴島M「あんな奴がゴロゴロいるのかよ…どうすれば勝てるんだ…」
スマホの通知に気づくあかり。
あかり「は?!稽古の時間早まった?!なんで演出助手のわたしが知らないわけ!?意味わかんない」
冴島「稽古?」
慌てて身支度を整えるあかり。
あかり「そう、今春公演に向けてやってるの。あ、来る?入部届も出しちゃえば?」
冴島「いいの?!」
急いで立ち上がる冴島。
あかり「走るよ!」
倫生館大学演劇研究部・稽古場
稽古場の扉を開けるあかり。冴島も一緒に中へ。
あかり「お疲れ様でーす!」
冴島「お、お疲れ様でーす……」
目の前に広がる広々とした稽古場に数段の段が組まれており、10人ほどの役者達が巨大な声で発声練習をしている。
複数の役者たち「あいうえおいうえおあうえおあい」「あーーあーーー(高音から低音)」「プルルルルルルルル(リップロール)」「は!へ!ひ!ふ!へ!ほ!は!ほ!」
冴島「すげー……」
ぼーっと稽古場を見つめる冴島。
急いで演出卓に向かうあかり。演出卓に座っている遠峯飛鳥(とうみね・あすか)に声をかける。
あかり「もー、なんで連絡してくれなかったんですか、飛鳥さん!」
飛鳥「いやー、ごめんね!」
【遠峯飛鳥 / 倫生館大学演劇研究会4年(幹事長)/ 演出部】
あかり「そうだ、入部希望連れて来ました!あれ、冴島ー?」
冴島「あ、すんません!(演出卓に向かう)冴島光です。1年です」
入部届を飛鳥に渡す冴島。
飛鳥「よろしくねー!今年は役者志望が多いね」
冴島「そうなんですか」
飛鳥「あ、そうだ今度のオーディションなんだけどさ、梶!」
飛鳥に呼ばれた梶が演出卓へ。
梶「あれ、あんた」
冴島「あ……」
冴島M「コイツやっぱり稽古参加してるんだ…」
飛鳥「オーディション、2人1組で課題出すから」
梶「あ、はい、分かりました、じゃ」
稽古に戻ろうとする梶。
飛鳥「(大声でゆっくりと)梶くんはさー、今まで何をやってきたの?」
シーン…となる稽古場。やばいという雰囲気の部員たち。
梶「はい?」
飛鳥「君、本当に演劇、やってきたの?」
梶「………は?」
飛鳥「(笑顔に戻る)はい、ということでね!協力してオーディション課題やってもらうから、この2人で!」
冴島・梶「は?!」
【第3話に続く】
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