🇪🇸イスラム風のムデハル建築が美しいテルエルの世界遺産
バルセロナを出発したスペイン周遊ロードトリップ。王道の観光地は少なめの素のスペインを楽しむ旅。
前回はアラゴン州テルエル(Teruel)の旧市街を歩きました。
テルエルのいくつかの建築物は「アラゴン州ムデハル様式建造物」として世界遺産に登録されています。
ムデハル様式は、中世にキリスト教勢力がイスラム勢力からイベリア半島を奪い返した後、残留イスラム教徒(ムデハル)の建築様式とキリスト教建築様式が融合したスペインの建築のスタイル。
登録された1986年当時はテルエルの4つの建造物が登録されていましたが、2001年に州都サラゴサなどの建築物が追加されました。サラゴサのムデハル建築は以前訪れています。
スペインでイスラム風の建築といえばアンダルシア州にあるアルハンブラ宮殿やメスキータが有名で訪れたことがある人も多いと思いますが、アラゴン州のムデハール様式も素晴らしい建物が数々あります。今回はテルエルにある4つの世界遺産建築を訪れます。
サンタ・マリア・デ・メディアビジャ大聖堂
テルエルの大聖堂(Catedral de Santa María de Mediavilla de Teruel)は世界遺産に登録されている中で最大規模。
1171年にロマネスク様式の教会の建築がこの場所で始まり、1257年にムデハル様式の塔が建てられました。その後更にムデハル様式の要素が更に加えられ、16世紀には大聖堂に格上げされました。少し離れたところから見ると塔とその奥のランタン塔にイスラム建築の影響が見られます。


こちらのファサードも美しいムデハル様式。緑と白のタイルのアクセントが特徴的で、イスラム建築の要素とキリスト教のモチーフが融合しています。

中に足を踏み入れると正面の祭壇。木造の彫刻が美しいです。

一見ロマネスク様式の典型的な構造ですが、天井を見るとイスラム特有の幾何学模様が。

素晴らしいドーム。

こちらも見事です。

内部は典型的なスペインのカソリックの大聖堂の要素が強いですが所々にエキゾチックな部分が見られ面白いです。
見事なサン・マルティンの塔
14世紀に建設されたサン・マルティンの塔(Torre de San Martín)。高さもあり装飾も複雑で圧巻!

通り抜けができるようになっていて、どの角度からも塔が遮られることなく見えるので一際目立ちます。

右隣のサン・マルティン教会は残念ながら閉まっていました。
サン・ペドロ教会
町の中心の広場の裏にあるサン・ペドロ教会(Iglesia de San Pedro)。13世紀に建てられた塔はテルエルのムデハル建築で一番古いものだそう。そのせいか他の塔に比べるとシンプルで高さも低め。

旧市街の中心にあり通りがかなり狭いので全景は写真に納まりません。キュートな小さい塔が見えます。教会自体は塔より少し遅い14世紀に建てられたそう。

小さな広場の反対側から見てみました。これが精一杯の眺め。

まるでロミオとジュリエットのような中世の伝説がこのテルエルであり、死後二人の遺骨を一緒にこの教会に埋葬したということ。「テルエルの愛する二人」としてかなり大々的に宣伝をしていて拝観料が必要なのでスキップ。
サン・サルバドール教会
サルバドール通りの真上に建てられたサン・サルバドール教会(Iglesia de San Salvador)の塔。先ほどのサン・マルティンの塔にそっくりです。狭い通りに突如と現れ圧巻。モロッコにでも迷い込んでしまった雰囲気。

塔の左手にある教会の中に入ってみると良くあるスペインの教会。

天井の模様が素晴らしいです。

柄をよく見るとちょっと怒ったエンジェル?

イスラムの影響は見られないなと思ったら、イスラム特有の星型がありました。聖水の泉かなにかでしょうか?

テルエルの階段
世界遺産には登録されていないものの町には他にもムデハル様式の建造物があります。その一つで特に見事なのがテルエルの階段(Escalinata de Teruel)。鉄道駅と丘の上の旧市街を結ぶ階段です。

1921年に建設されたということで新しいが故世界遺産には登録されていないよう。結構な高さがあります。
あちこちにムデハルらしいディテールがあります。正面には「テルエルの愛する二人」の彫刻が。

階段の天辺にはコウモリがトップにある洋風のオーナメント。ここにも緑と白のムデハル特有のタイルがはめ込まれています。

長い階段で登りは大変!実はこの階段の後ろにエレベーターがあるのでほとんどの地元の人たちはそちらを利用しているよう。

階段の下を通り抜けられるトンネルがあり、その部分の幾何学模様のデザインが美しいです。

ゴシック建築の教会などで見るガーゴイルのようなものも。

やはり緑と白のタイル。

とにかく見事です。

その他のムデハル様式の影響
町中には至る所にムデハール様式の要素が。ムデハル建築の町と宣伝しているだけあって町の標識も緑と白のタイル。

商店街の旗にも星形の模様が。

何気ないムデハル様式の影響を探してみると楽しいです。
世界遺産なので観光客がたくさんいるだろうと思ったものの数えるほどしかいませんでした。スペインの内陸はやはり圧倒的に観光客が少なく、マドリードやバルセロナからもアクセスが悪いが故でしょうか。サラゴサの方がバルセロナとマドリード間の高速鉄道停車駅なので断然便利です。
次回は、テルエルと同様に以前から訪れたかった近郊の「スペインの最も美しい村」の一つを訪れます。こちらの方が観光客が圧倒的に多くびっくりでした。
