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【あがり症|仕事編13】うに、武装する。ASD女子が痴漢に遭いやすい理由②|ふるえるままに、すすめ13

この記事は後編です。
👇前編はこちら

美容室に行った

「今日はどうしましょうか?
いつもと同じ、毛先を数センチ整えて、
前髪もいつもの、眉毛がギリギリ、出ない感じ?」

学生時代からずっとお世話になっている
美容師のお姉さんが、
いつもの髪型を提案してきます。


うに、子供のころからず~~~~~っと
日本の伝統的髪型『こけしスタイル』です。
こけし歴20年。

前髪がオン・ザ・眉毛になるのだけは
絶対絶対絶対イヤなので
そこだけはめっちゃ気を使っていました。

周りからは
『うにはこのスタイルしか似合わない』と言われ続け
自分でもそうだと思いこんでいて。

でも、この髪型だと、どうしたって
幼くておとなしそうに見える気がする。

そうだ、髪型を変えよう。
というわけで、美容室へ。

うに、家でプリントアウトしてきた
写真を印刷したものを美容師さんに見せました。

美容師さん「ん~どれどれ……え?」

うにが持って行ったのは研ナオコさんの写真。

美容師さん「え? これ?! 金髪ショート?!」
美容師さん、うにの持ってきた画像と
うにの黒髪を見比べ、
何度も、「本気? 本気?」と聞いてきます。

うにの髪は漆黒の闇色の超ストレート。
どんなに長くのばしても
枝毛一つ生まれない強靭さ
ヘアクリップで束ねても
金具が弾け飛ぶほどの毛量。

今日こそは
この暗~い重~い黒髪を
ばっさり切ってしまうのだ。

さらば、こけし。


美容師さん「これ、かなりショートだよ?!
後ろ刈り上げてるよ?!
色は、ブリーチしてるんだよ?!
しかも前髪アシンメトリーで、
おでこ全出しだよ?!」

実はうに、メキシコ生まれの女流画家
フリーダカーロのような、
太くて立派で雄々しい眉毛の持ち主なんです。
学生時代は、この雄々しい眉毛を隠すために
分厚い前髪を死守していました。

美容師さんはそのことを知っているから…。

日々ムダ毛をぬいて伸びすぎをカットしても
瞬く間にたくましい野生に戻っちゃう、
この凛々しい眉。
めっちゃコンプレックス。

出したくない。
切実に出したくはない、けど。

でも出したほうが、間違いなく、
痴漢は寄ってこない気がする


美容師さん「ショートかあ……!」

うに「……やっぱり似合わないかな…」

美容師さん
「いえいえ!全然、そんなことないです!
ただ、う~んと…
すごい変化だけど、大丈夫? 
正直、印象が180度変わるけど……」

うに「……大丈夫です。
凛々しく雄々しい感じでお願いします」

美容師さん「凛々しく、雄々しい……!?」

かわいい、とか、ほんと、どーでもいいんで!!!!


何があった?!という顔の美容師さん。

美容師さん「了解……!
よし、ハンサムショートにしちゃおう!
うにちゃんは、実はおでこ出したほうが
いいんじゃないかって常々思ってたのよ。
やってみようか……!

ただ、カットは大丈夫だと思うんだけど
後ろをいきなり刈り上げるのはやめて、
もうちょっとこんな感じに
すっきりと後頭部を美しくみせるように……

うに、後頭部絶壁なんですが
大丈夫ですかね……

あとね、ブリーチなんだけど、
髪全体をブリーチするのって
実はめっちゃ頭皮が痛いんだよ……!」

うに「痛いんですか……」

美容師さん「そうなの。初めてで、
全体ブリーチはちょっと辛いかも。
それに、うにちゃんのこの黒髪……
健康すぎて色抜くのかなり大変そう……」

すごいなあ、研ナオコさん
痛みにたえて、金髪にしているのかあ。

色々話し合った結果
カラーはまた別の日にして
まずはヘアカットだけやってみることに。
それだけでも、相当変わるから、と。

美容師さん「わ~、ひゃ~、
あたし、興奮してきた!大変身しちゃうね!
周りの人、びっくりしちゃうかもよ」

うに、人生初のショートヘアです。


頭、軽っ。
そして、寒っ‼️首がすうすうする。

美容室の鏡に映るショートヘアの自分、
はじめまして。

気になって何度も後頭部や首元を触っちゃう。
意識の中ではまだ『こけしのうに』なのに、
鏡の中は黒髪の研ナオコスタイルです。
意識が外見に追いついていなくて
違和感がすごいw

うにの絶壁の後頭部は
美容師さんの超絶テクニックで
なぜか美しい曲線に仕上がっていました。
(すご~~!)

しかも、
長年コンプレックスだった、おでこ全開。
太くて立派な眉毛、存在感ありすぎ。
誰、これwww っていう感じです。

美容院の床には、切り落とした髪の山。
なんだか、今までのいろいろを
髪と一緒にばっさり捨てたみたいな気持ちすらします。

切り捨てる 過去も痴漢も 髪の山


なんつ~か、脱皮……?

さてさて……髪型を変えると、
洋服が合わなくなりまして。

この髪型に合わせて、
ミリタリー風に襟が立つ
ブラックコートを新調しました。

少ない予算の中で探すの、苦労した〜!
とにかく、男の子っぽく、男の子っぽくしたい。

イヤリングは少しクセのあるデザインを。
(研ナオコ風アイメイクは、
デパートの化粧品売り場のお姉さんに相談して
チャレンジしたんだけど、
お姉さんが手に持ったアイライナーが
目に近づいてきて、怖すぎてギブアップ。
みんなよく平気だなぁ〜)

うに、こんな仕上がりに。

へっへっへ。
AIがとってもキュートな目元にしてくれたので
片方だけ🤭
こんなにかわいくアイライン引けない。

そして気づいたんです。
猫背!!

ショートにして、コート着て、
ヒールのあるブーツ履いて
鏡の前に立ったら、
姿勢がかっこ悪いのなんのって。

今までこんな姿勢で
下ばかり見て歩いていたのかも。
そりゃ侮られもするわ。

顔を上げて視野を広げ
へその下に力を入れて、背筋を伸ばす。
一歩一歩を大きく。だらだら歩かない。

気を抜くとすぐに猫背になっちゃうw

わが心の師匠は、研ナオコ様である★


――で、痴漢は減ったのか?

減りました~~!


ショートにして以来、
危ない目にあうことはほとんどなし。
ショート、偉大なり。研ナオコ様、偉大なり。
以来ず~っとショートヘアを貫いています。

それに、前よりもずっと、
顔を上げて歩くようになりました。
長い髪で隠していた
おでこも眉毛も全開。
コンプレックスは隠すよりさらけ出せ、
って本当ですね…!

日がたつにつれて、
新しい外見に心が追いついて来ます。
外見につられて中身が変わるから、
ファッションって、ほんとすごい。

自己啓発書を何冊も読むより、
引き寄せの法則を唱えるより、
潜在意識を書き換えるよりも――
髪を切って、服を変えて、メイクを変えて、
大股で街を歩くほうが
よっぽど即効性が高いかも。

今の自分に似合うかどうかなんて、
ほんとどうでもよくて。
やりたい髪型があったら
今すぐやってみたらいいと思う。

ちなみに美容師さんの話だと
『美容師が金髪や派手なカラーや
個性的な髪型にしているのは
美容師ってその方が売れるから』だそうです。

人は、相手の外見や雰囲気から
「この人はその分野のプロかどうか」
を直感的に判断する傾向がある。
「外見的に洗練されているスタイリスト」
ほど技術も高いと錯覚しやすくて
だから金髪や派手髪は単なる趣味じゃなくて
マーケティング戦略なんだそうです。

なるほど…!
と言う事は、やはり、外見のコントロールは
『自分をどう演出したいか』に
深く関わっているわけですね。

研ナオコスタイルにしたら
周囲の人は「芯のある人」「個性的」と見てくれる。
どうせどんなに普通にしているつもりでも
「うにちゃんって変わってるね!」って言われるなら
外見から個性的にしちゃって
「芯ある人」に見られたい。

その視線の中で過ごすうちに、うにも、
「私って案外強いかも」「堂々としてるかも」って
ちょっとずつ意識が変化してくる。

これがファッションの本質的な力。
「他者に見せるために変える」のではなく、
他者のまなざしを通して
自分の内面を再設計するために、使うもの。


たかが髪。されど髪。

うにの中では、
黒髪のショートヘアの人って、
さばさばしていて颯爽としていて
仕事デキるイメージ。

美容院代やコート代にお金使っちゃったし…!
謎のやる気が湧いてきた。


こうして、単純なうには、すっかり女を捨て(w)
「仕事をがんばろう……!!」
と心に誓ったのでした。
つづく!

仕事を頑張ろうと思った、うに。
だけどその前にそびえる、高~い壁・・・

大切なお知らせ
本作は実体験に着想を得たエッセイですが、プライバシー配慮のため登場人物・団体・時系列・場所等に創作・合成・編集を含みます。特定を意図していません。ただし、うにが感じた気持ちと気づきは本物です。

~今までの物語が読みたい!~
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※本作は実体験をもとに再構成した創作エッセイです。

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