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終わらない時代 第10話 新天地へ

廃工場の化け物が退治された。この話は町中に広まった。 
3人は町長に呼び出される。
「君達があの工場の化け物を退治したのだね?」
「住民を代表して感謝する。」

落ち着いた声で3人に礼をする町長。
あの工場は町の貴重な収入源だったらしく、突如出現した巨大な球根に成す術がなかったそうだ。

「して、あの化け物は何だね?噂によると植物の球根のようだと聞く。」
町長は3人に問う。

ミネルは採取したサンプルと写真を並べた。
「む?これは…?」
町長は驚いた表情。
「はい、これらは町の外で採取したサンプルです。共通点は赤い部分です。」
ミネルは説明を続ける。

「恐らく巨大樹の影響だと思われますが、詳しい事はまだ分かりません。」

町長は写真を1枚手に取り眺める。
「以前から目撃情報は入っていたが…嘘ではないという事か…。」

「私はこれらの分析をしたいのですが、ここには
器具も設備も無くて…。」
机のサンプルを見ながら呟くミネル。

「ふむ…君は研究がしたいのだね?なら、アオバシティに行くと良い。」
町長は提案する。
「詳しくは知らんがあそこなら研究設備が整っているだろう。」

「ミネル……一人で行くの?」 
リンは悲しそうな声で聞く。

「勿論、あなた達も一緒よ?」
笑顔で答えるミネル。

「アオバシティか…軍の研修で一度行った事がある…。」
ジュリアは過去を思い出す。

――彼女達に新しい『目的』ができた。
アオバシティで世界の真相を究明する事。



役場を出た3人は手分けして物資を調達する。

「お姉ちゃん…行っちゃうの…?」
子供達が悲しそうな表情でリンに話し掛ける。

「ああ…。私達は仕事があるんだ。」
リンは屈んで子供達の顔を見る。

「そんな顔をするなよ!…そうだ!これ、全部やるよ!」
リンは持っているチケットを全て子供達に手渡した。

「じゃあ、元気でな!」
リンは笑顔で子供達に別れを告げた。


「おう!来たか。」
道具屋の店主が店の奥から出てくる。

「ちゃんと直しておいたぞ!」
店主はカウンターに無線機とトランシーバーを置いた。

「ありがとうございます!」
店主にお礼を言って手持ちのチケットを全て出すミネル。

「ちょっと足りねぇが、まぁいいぜ!アンタはお得意様だからな!」
笑う店主に一礼し、ミネルは店を出た。


ジュリアはシホロ基地の教官の元に向かった。

「聞いたぞ。町を出るそうだな?」
教官はジュリアの顔を真っ直ぐ見る。

「はい。リンとミネルと共にアオバシティへ行きます。」
ジュリアは答える。

「そうか…。」
教官は少し寂しそうな表情。

「あの…教官と皆はこれからどうするんですか?」
ジュリアは気になっていた事を聞く。

「俺達はここに残る。」
教官は少し笑って言った。

「基地も行く当ても無い。なら、ここで生きていく!俺達の事は心配するな!」

ジュリアと教官は敬礼する。
「……気を付けて行くんだぞ。」

ジュリアは踵を返し、リンとミネルの元へ歩き出した。

「お別れは済んだ?」
小型トラックの運転席にはミネルが座っている。

「ジュリア!遅いよ!」
荷台にはリンが乗っていた。

「うん…。行こう。」
ジュリアは助手席に乗り込んでドアを閉める。

小型トラックはゆっくり走り出す。
新天地へ向かって。


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