【AOE2DE】文明メモ(35)マジャール
弓騎兵文明シリーズ。東欧~中央アジアの文明をいくつか続けて取り上げたい。第1弾はマジャール。HD時代、2013年のフォーガットン拡張パックで追加された。初級者にはガンガン斥候を出してエンジョイするのに向いている。ただ、内政ボーナスが皆無なので斥候R以外に序盤で先手を取る手段がないことが、玄人には敬遠される理由だろうか。昨年の弓騎兵戦術流行時には、チームボーナスもあって脚光を浴びたが、その後のスコーピオンによる対策等でやや下火に。
文明特性と基本戦術
「騎兵文明」。領主では低コストな斥候を最大限活用したい。1vs1なら城主進化を度外視して全力で出すのも有力。チーム戦ではそうもいかないので、適当なタイミングで騎士や弓騎兵に切り替えるのが期待される。帝王ユニテクを視野に入れて、チームボーナスで育成の速い弓騎兵を出すのが一般的だが、読まれやすいという欠点もある。詳細は弓騎兵メタの記事を参照。
ユニークユニットと天敵
ユニークユニットのマジャールハサー(35F45G)は攻囲兵器に対してボーナスを持つ軽騎兵。訓練時間は14秒で騎士(30秒)の半分以下。EL化(800F600G)でHP+10、攻撃力+1。城主ユニテクを研究することで金コスト不要(80Fのみ)になるのが大きい。主力に据えるなら必ず研究したい。城にラムが張り付いたときや、遠投で攻撃されているときなど咄嗟に溜めて出すと強力。天敵は、普通に矛/槍やラクダ、チュートンナイト等。また、斥候系統と違い聖職者に対する攻撃ボーナスや転向耐性を持たない。
内政面
町の人が狼を一撃で倒す
……内政拡大時に事故らなくなる他、深い森等で農民を潜入させるときにも有効に働く。倒した狼の死骸は柵&Delで消しておくのがマナー。
テクと出せないユニットのメモ
文明ボーナス
斥候系ユニットのコスト-15%
……斥候のコストが80F→68F。序盤に斥候対決に持ち込めるならば数的優位を取りやすい。
近接攻撃のアップグレードが無料
……時代進化とともに自動でアップするので強い。
チーム ボーナス: 弓騎兵系ユニットの訓練速度が+25%
城から出る弓騎兵系ユニークユニット(マングダイ、高麗の戦車、ラタ戦車等)やジェニトゥール、魏の鮮卑騎兵、インド系文明の象弓騎兵にも有効。コンキスタドール、アランバイは対象外。
ユニークテクノロジー
城主ユニテク: コルヴィニア軍(200F300G)
マジャールハサーの金コストが食料コストに置き換わる。食料80で出せるUUは破格。主力として使うなら、すぐに元が取れる。
帝王ユニテク: リカーブボウ(600W400G)
弓騎兵の攻撃力、射程+1。(重)弓騎兵を使うならこちらを優先。とはいえコスト的には小手や化学の後に研究するもの。
鉄工所テク
歩兵鎧3のみ研究不可。
出せないユニット・使用不可テクノロジー
戦士小屋……近衛剣士・矛槍兵が出せるが従士(武者修行)、ギャンベゾンなし。鎧3がないのと相まって射程ユニットの良い的になってしまう。
弓小屋……重石弓が出る。重弓騎兵フルアップに加え帝王ユニテクでさらに強化。砲撃手は出ない。
馬小屋……ハサーが安価かつフルアップ。近衛騎士フルアップ。
兵器小屋……白ラム・破城投石機・大砲なし。
聖職者……贖い、償いがないので使い勝手は良くない。信仰がないため転向耐性は中程度どまり。異端は研究可。
学問所……強化壁が使えない7文明の1。他に建築学なし、防御塔、狭間、砲台もないので建物で守ろうとは考えない方が良い。
内政テク……石の掘削と組合が研究不可。
海軍……重爆破工作船・機動キャノンガリオン船アップグレード不可。カーヴェル船体、サイフォン・焼夷兵器なし。詳細は割愛。
戦績・対策
チーム戦・1vs1ともに自分では使用歴なし。対マジャール入りチームには45勝40敗。最近だとアリーナで大量に弓騎兵を出されて難渋したが、ヒンドゥスタンのラクダと前衛の重石弓で押し切っている(逆サイ負け)。1vs1では2勝1敗。アラビアで2勝、アリーナでは城寄せに斥候を用意されており惨敗。間違ってキューを入れたエンパイアウォーズでも斥候Rでボコボコにされたのを覚えている。対策としては、とにかく領主での斥候R対策として自陣に槍を必要数置くこと。後衛であっても同じ。一方でラクダには有効な対策がないので、ラクダを出せるなら活用して付け入りたい。
キャンペーンシナリオ等
「歴史上の戦い」で単発のホンフォグラス(895)がある他、「勝者と敗者」のオットー(チュートン)、コチャン・ハーン(クマン)、ヴラド・ドラキュラ(スラヴ)等でハンガリーの勢力として頻繁に登場する。
参考動画
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歴史のうんちく
ハンガリーはフンではなくマジャールの国である。国家としての正式な自称も「マジャロルサーグ」。どの母音も伸ばさずに「マジャル」と表記・発音するのが正しい片仮名表記……だそう。英語の綴りはMagyarで、実況者によっては「マッギャール」と発音する人も。
キャンペーンシナリオ解説
「ホンフォグラス」は、ハンガリー人によるカルパティア盆地の征服(英語版wikipedia)がモチーフ。攻略の様子は下記の連ツイを参照。DE版以前とでは内容がだいぶ異なる。まずはオレンジ色のアヴァール(6世紀ころから定住していたモンゴル系遊牧民)の村々を破壊して占拠。次に、黄色の大モラヴィアと戦っていく。緑色のブルガリアと開戦する必要はなく……
たまにはキャンペーン攻略、と思ってマジャールの「ホンフォグラス(895)をクリア。TCがなく略奪で資源を稼ぐ遊牧民系シナリオの一つ。手順①初期軍+増産した騎兵・弓騎兵でオレンジの村を破壊していく ②軍を増強・UGしながら黄色のTCを破壊。黄色の城には触れない ③緑と開戦するのは罠 pic.twitter.com/KEpSvLnKev
— Tamejirou (@Tamejirou) December 29, 2022
赤の東フランク(後のドイツにあたる)を打倒してクリアとなる。
④東フランク(という名のチュートン)と開戦する。TCを建てると建物略奪ボーナスはなくなるので注意。自力で帝王進化するのになんの問題もなく、チュートンナイト対策で(重)石弓を多めに出して押し切れる。ggでした pic.twitter.com/vF9caUOUDp
— Tamejirou (@Tamejirou) December 29, 2022
史実でのマジャル人はその後、10世紀後半に東フランク王国(後のドイツ)とのレヒフェルトの戦いでオットー大帝に敗北し、キリスト教化のきっかけとなった。こちらの記事も参照。
モンゴル来攻から同君連合時代まで
ハンガリーは後の13世紀のモンゴルの侵攻時に大きな被害にあった諸国の一つでもある。コチャン・ハーン(クマン)のシナリオ最終戦ではベーラ4世が流亡のクマン人を受け入れ、王位を確固としてめでたしめでたし……という印象だが実情は大きく異なる。ペシュト(現ブダペストの東岸部分)の市民がコチャンを殺害した結果、クマン人たちは激昂して報復の収奪行為に走り、ブルガリアへと去ってしまった。大貴族の協力も得られなくなったベーラ4世はモンゴル軍に大敗し現スロバキアのあたりまで逃亡。オゴデイの訃報が届くまでの間、蹂躙されている。
14世紀には選挙王制となった結果、アンジュー家出身者がハンガリー王も兼ねる時代が続いた。ポーランド国王でもあるラヨシュ1世に男子がいなかったため、ハンガリーはジキスムントに、ポーランドはヤドヴィガとその夫(リトアニア大公ヨガイラ)に継承されていく。ジギスムントは半世紀にわたりハンガリー国王として在位し、治世後半には神聖ローマ皇帝およびボヘミア国王も兼ねたため、ボヘミアのキャンペーンシナリオでは宿敵として登場する。1396年のニコポリスの戦いでは連合十字軍を率いたがオスマン帝国に敗北した。
ボヘミアの記事で取り上げた「乙女戦争」を覚えておられるだろうか。主人公シャールカの想い人であるヨハン(フニャディ・ヤーノシュ)は長じてハンガリーの摂政となり辣腕をふるった。民族の象徴のモチーフはこの頃に築かれたフニャディ城(コルヴィン城とも。英語版wikipedia)。
彼の次男が、15世紀にハンガリー国王となるマーチャーシュ1世である。彼は常備軍を維持して強盛を極めたが嗣子なく没し、ハンガリー王位はヤギェウォ家(ヨガイラの子孫)に移る。これがウラースロー2世だが、その息子ラヨシュ2世が1526年のモハーチの戦いでオスマン帝国に敗死。これにより王位がハプスブルク家に移り、後にオーストリア=ハンガリー帝国を形成することになったのだった。
オスマン帝国の直轄領化から近代へ
ともかく、ハンガリー自体はスレイマン1世によりオスマン帝国の直轄地とされてしまった。この時代の周辺地域については、スラヴの記事も参照。ハンガリーは後の大トルコ戦争を経て1699年にハプスブルク家に返還されるが、直後のハンガリー人による民族解放運動は失敗して鎮圧されている。ハンガリーが民族として主権回復に向かうのは19世紀も半ばになってから。フランツ・ヨーゼフ1世は1867年にハンガリー王国の自治権拡大を認め、オーストリア=ハンガリー帝国が成立。1918年、第一次大戦での敗北により崩壊、翌年のハンガリー革命にともないハンガリー民主共和国となった。
