喜怒哀楽に、人は集まる。
人生を振り返ると、
「あの人と出会っていなかったら、今の自分はいなかった。」
そう思う人が、私には何人もいます。
教えてくれた人。
信じてくれた人。
背中を押してくれた人。
厳しい言葉をくれた人。
新しい世界を見せてくれた人。
一緒に悩んでくれた人。
そして、
ただそばにいてくれた人。
人生は、自分で選び、自分で歩いていくものです。
でも、
自分一人の力だけでつくられていくものではない。
私はそう思っています。
人との出会い。
環境との出会い。
考え方との出会い。
知らなかった世界との出会い。
その一つひとつの縁によって、
自分では見ることのできなかった景色が見えるようになる。
だから私は、
人生を豊かにしてくれるものの一つは、
間違いなく「縁」だと思っています。
では、
人は、どんな人に惹かれるのでしょうか。
知識がある人。
才能がある人。
実績がある人。
お金がある人。
社会的な立場がある人。
もちろん、
それらも一つの魅力だと思います。
でも、
それだけで、
「この人とずっと関わっていたい。」
「この人を応援したい。」
「この人の力になりたい。」
と思うでしょうか。
私は、
そうではないと思っています。
長く人を惹きつけるものは、
もっと人間そのものにある。
その人となり。
謙虚さ。
そして、その人が持っている想い。
私は、
そこに人は惹かれるのだと思っています。
人となりは、
大きなことをしたときだけに表れるものではありません。
日々の小さなところに表れます。
人の話をどう聴くのか。
約束をどう扱うのか。
誰かから何かをしてもらったとき、
当たり前だと思うのか、
感謝できるのか。
自分が間違ったとき、
言い訳をするのか、
素直に認められるのか。
自分より経験のある人に、
教えを乞えるのか。
立場が違う人にも、
同じように向き合えるのか。
そうした一つひとつの姿勢が積み重なって、
その人の「人となり」になっていく。
私はそう思っています。
そして、
人となりをつくるものの一つが、
第2話で書いた謙虚さです。
私は、
謙虚とは、
自分を小さく見せることではないと思っています。
何でも相手に合わせることでもありません。
自分の考えを持たないことでもありません。
むしろ、
自分の考えを持った上で、
相手の言葉を聴く。
自分とは違う考え方を受け取る。
分からなければ質問する。
相手がその言葉に至った経験や、
その人が大切にしているものまで理解しようとする。
そして、
そこから一つでも多く学ぼうとする。
それが、
私の考える謙虚さです。
なぜそこまで学ぼうとするのか。
それは、
叶えたい未来があるからです。
守りたいものがあるからです。
自分の人生を、
もっと豊かにしたいからです。
だから、
自分の無知を認められる。
だから、
人から学べる。
だから、
新しい縁を大切にできる。
そして私は、
本当に価値のあるものほど、
こうした信頼の中で受け継がれていくと思っています。
人生を懸けて積み上げてきた経験。
何度も失敗してようやく気づいたこと。
大切にしてきた考え方。
守ってきた人とのつながり。
簡単には言葉にできない想い。
そういうものは、
誰にでも同じように渡されるものではありません。
例えば、
あなたに本当に大好きなものがあったとします。
心から、
「これは素晴らしい。」
と思えるものです。
その良さを、
誰かにも知ってほしい。
そう思って、
「これ、本当に良かったよ。」
と伝えた。
でも、
相手が中身を知ろうともせず、
最初から否定したらどうでしょうか。
きっと、
少し悲しいと思います。
そして、
「この人には、もう話さなくてもいいかな。」
と思うかもしれません。
人の想いも、
同じだと思っています。
本当に大切なものほど、
否定されたくない。
大切にしてきたものだからこそ、
大切に受け取ってくれる人に届けたい。
だから、
素直に聴く人。
謙虚に学ぶ人。
相手の想いまで受け取ろうとする人。
そういう人には、
「もっと伝えたい。」
「この人なら託したい。」
と思える。
そこから、
信頼が生まれる。
そして、
縁が深くなっていく。
だから私は、
素直な人ほど、良い縁に恵まれる。
そう思っています。
ただ、
縁は「もらうもの」ではありません。
出会った瞬間に完成するものでもありません。
縁は、紡いでいくものです。
感謝する。
連絡をする。
学んだことを行動に移す。
自分が成長した姿を見せる。
相手の大切なものを、自分も大切にする。
何かをしてもらったから付き合うのではなく、
一人の人として関係を育てていく。
そうした積み重ねによって、
ただの「出会い」が、
人生を支えてくれる「縁」に変わっていくのだと思います。
そして、
ここでもう一つ、
私が大切にしていることがあります。
私は、
人生を一つの環境だけで考えたくありません。
一人の先生だけから学ぶものでもない。
一つの情報だけを正解にするものでもない。
一つの手段だけにこだわるものでもない。
だからといって、
「何にも依存しないようにしよう。」
ということでもありません。
私が大切にしているのは、
もっと前向きな考え方です。
すべてから学ぶ。
人から学ぶ。
本から学ぶ。
仕事から学ぶ。
子どもから学ぶ。
年上の人から学ぶ。
年下の人から学ぶ。
成功から学ぶ。
失敗から学ぶ。
賛成してくれる人から学ぶ。
反対してくれる人からも学ぶ。
思い通りになった経験からも、
思い通りにならなかった経験からも学ぶ。
人生に起きるものを、
ただ「良かった」「悪かった」で終わらせるのではなく、
自分を育ててくれる縁として受け取る。
私は、
そういう生き方をしたいと思っています。
そして、
人との縁が深くなるほど、
私は一つのことを強く感じるようになりました。
人は、
完璧な人に集まるわけではない。
ずっと正しい人に集まるわけでもない。
失敗しない人に集まるわけでもない。
私は、
その人の喜怒哀楽に、人は集まるのだと思っています。
本気で嬉しそうにしている人を見ると、
一緒に喜びたくなる。
本気で悔しがっている人を見ると、
「もう一度やろう。」
と言いたくなる。
誰かのために本気で怒れる人を見ると、
その人が何を大切にしているのかが伝わる。
大切なものを失って悲しんでいる人を見ると、
その人にとって、
それだけ大切な存在だったことが分かる。
心から楽しそうにしている人を見ると、
こちらまで楽しくなる。
そこには、
肩書きも、
実績も、
数字もありません。
ただ、
その人の心がある。
喜怒哀楽には、
その人の「想い」が表れます。
何を愛しているのか。
何を大切にしているのか。
何を譲れないと思っているのか。
何に人生を懸けたいのか。
そこが見えるから、
人は心を動かされるのだと思います。
第3話で、
自己一致について書きました。
自分の心を見つめること。
喜怒哀楽に素直でいること。
自分が本当に望む人生を、
自分の意思で選ぶこと。
私は、
自己一致は、
自分一人が楽になるためだけのものではないと思っています。
自分の心と行動が一致してくると、
その人の想いが、
少しずつ外に表れるようになります。
言葉に表れる。
行動に表れる。
人との向き合い方に表れる。
そして、
その想いに共感する人が現れる。
「この人を応援したい。」
「この人と一緒にやりたい。」
「この人なら、力を貸したい。」
そう思ってくれる人が、
少しずつ現れる。
もちろん、
本音で生きれば誰からも好かれるわけではありません。
むしろ、
合わない人がはっきりすることもあると思います。
でも、
私はそれでいいと思っています。
誰からも好かれるために生きるのではなく、
自分が本当に大切にしたいものを大切にする。
その想いに共感してくれる人との縁を、
丁寧に紡いでいく。
その方が、
ずっと豊かな人生になると思うからです。
そして、
縁は受け取って終わるものでもありません。
私は、
恩送りという生き方を大切にしています。
自分が教えてもらったこと。
信じてもらったこと。
背中を押してもらったこと。
挑戦する機会をもらったこと。
新しい世界へつないでもらったこと。
それを、
その人にだけ返して終わるのではなく、
また次の誰かへ届けていく。
自分が人生を変えるきっかけをもらったなら、
今度は自分が、
誰かが人生を考えるきっかけになる。
自分が良い縁に恵まれたなら、
今度は自分が、
誰かと誰かをつなぐ。
そうやって、
一つの縁が、
また新しい縁へつながっていく。
私は、
人生とは、
そうやって紡がれていくものだと思っています。
人となり。
謙虚さ。
想い。
喜怒哀楽。
そして、
その先に生まれる縁。
どれか一つだけではありません。
全部がつながっています。
覚悟があるから、
素直になれる。
素直だから、
学べる。
学び続けるから、
人として成長できる。
自分の心に正直になるから、
想いが伝わる。
その想いに、
人が集まる。
そして、
その人との縁が、
また自分の人生を豊かにしてくれる。
私は、
人生とは、
この繰り返しなのだと思っています。
だから私は、
これからも、
自分の喜怒哀楽をごまかさずに生きたい。
嬉しいときは、
心から喜びたい。
悔しいときは、
悔しいと言える自分でいたい。
大切なものを失ったら、
ちゃんと悲しめる自分でいたい。
好きなことには、
子どものように夢中になりたい。
そして、
その心を隠さずに、
大切な人たちと人生を歩んでいきたい。
その中で生まれた縁を、
当たり前だと思わず、
一つひとつ大切に紡いでいきたい。
私は、
そんな一つひとつの縁を大切にしながら、
人生を歩んでいきたいと思っています。
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自己一致とは、なんだろう。
「喜怒哀楽に、生き切る」を終えて
このシリーズでは、覚悟、素直、自己一致、縁という4つのテーマから、自分の人生を生きることについて考えてきました。
嬉しいこともある。
悔しいこともある。
悲しいことも、楽しいこともある。
迷うことだってある。
そのすべてが、自分の人生です。
完璧な答えが出てから、動き始める必要はありません。
まだ分からないことも、まとまっていない想いも、誰かと話すことで少しずつ見えてくることがあります。
誰かと話しながら考えたい方へ
必ずしも答えやアドバイスが欲しいわけではなく、ただ自分の想いを話したいときがあります。
否定されずに話しながら、自分の考えを整理できる場所があってもいい。
なぜ、そのような場所をつくりたいと思ったのか。
「照より − ひより −」に込めた想いを、こちらに書いています。
否定されずに、ただ話せる場所があってもいい。
「喜怒哀楽に、生き切る」を最初から読む
