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非英語圏に留学するという選択

※留学記事③

私は国立大学で工学を専攻している学生。少し前に交換留学生としてフィンランドに約10か月滞在していた。

留学を決意したとき、どこの国に行こうかと皆迷う。私も当然悩んだが、なんだかんだでまさかのフィンランドに留学することに。

英語力の向上が大きな一つの目標であった私が、非英語圏の国に留学して感じたことや、留学する国の選択について書いていこうと思う。


なぜ非英語圏であるフィンランドに行ったの?

前述の通り、私の留学での大きな目標の中に、英語力の向上というものがあった。それならばアメリカやイギリスなどの英語圏の国に行くのが至極全うであるが、私は結局フィンランドに留学することになった。

その最も大きな理由は、応募可能な交換留学先の一覧の中に英語圏がなかったからである。いわば不本意的に非英語圏であるフィンランドに留学することになったのである。

私は大学間協定校への留学に応募したのではなく、学部間協定校への留学に応募したため、そもそも募集していた大学が少なかった。学部間協定校には英語圏の国の大学がなかったため、英語圏の国への留学はあきらめたのである。

英語圏の大学に行く場合は半年後の募集まで待つ必要があったため、それならば非英語圏の国に行ってみようと思い、フィンランドを選んだ。

他にも台湾やフランスも選択肢としてあったが、英語のみで留学できること、遠い国に行ってみたかったこと、日本人が少なそうだったことからフィンランドにした。

これが私が非英語圏であるフィンランドに留学することを決めた理由である。留学を決意したときにフィンランドに行くなど1ミリも考えていなかったが、人生とは成り行きなのだろうか。

非英語圏に留学することのメリット・デメリットと実際に行ってみた感想

メリット

非英語圏の国に留学するメリットとして一番大きいのは、英語は完璧じゃなくてもいいんだと思えるところにある。

英語を勉強するものは皆、一度はネイティブのように話したりするのに憧れるだろう。私もそうだ。「かっこいいな」と夢を持つ。

しかし変わらない事実がある。それは私たちは英語ネイティブではないという事である。第一言語と第二言語はどれだけ勉強しても埋められない差があると思ったほうがいい。

英語を巧みに操るインフルエンサーはよくいるが、実際のところ、その人たちは子供のころ海外に住んでいたり、インターナショナルスクールに通っていたり、ハーフだったり、海外に10年以上住んでいるような人たちばかりである。稀にこのようなバックグラウンドなしに、ひたすら勉強してネイティブに近いレベルを手に入れている人がいるが、それは極々少数であり、実際にその人たちのようになろうと思えばある程度の才能と圧倒的な努力が必要である。

英語講師や英語系インフルエンサーなど、一生英語を武器にして生きていくような人たちはネイティブのようになれるまで奔走すればいいと思う。しかし私は違う。私の夢はITの業界で活躍することである。「英語がネイティブレベルのIT知識のない者」と「IT知識が豊富で、英語で何とかコミュニケーションが取れる者」のどちらが重宝されるかは答えるまでもない。

つまり、私のような者にとって大事なのは、英語のレベルをひたすらに上げるのが大事だという考えを持つことではなく、英語は単なるコミュニケーションツールなんだという事に気づくことである。

私がフィンランドに留学していた時、英語ネイティブの人は2,3人程度しか見かけなかった。みんな第二言語、第三言語として英語を学習し、コミュニケーションを取り合っている。英語が上手な人もそうでない人もいるが、伝わりさえすればよいというマインドをみんな持っていた。

英語は完璧じゃなくていい。それに気づいたとき、自分の英語に少し自信が持てるようになった。目指すべきは「英語ネイティブ」ではなく「英語が話せる他分野の専門家」であった。

他にも非英語圏の国に留学するメリットはある。

例えば非英語圏の国への留学は希少性がある。やはりイギリスやアメリカ、カナダ、オーストラリアなどは留学の定番であり、多くの日本人留学生がいる。一方非英語圏に留学する人は少ない。特に韓国、中国、台湾、ドイツ、フランス以外の国に留学する人は珍しいだろう。

日本人が少ない環境で、他の日本人が持っていない経験をするのは自分の一つの武器になりうる。それに、自分の人生が他人の人生とは違う、唯一無二のものになった気もする。

さらに、長期の留学かつ自分のやる気さえあれば現地語を取得することもできるかもしれない。これに関しては日本に行く前から第三言語取得に向けて勉強していないと難しいが、不可能ではない。

私はフィンランド語の勉強はほぼせずに留学したため、フィンランド語は習得できずじまいだった。英語だけで手一杯だ。

まとめると

  • 非ネイティブ英語話者とコミュニケーションを取ることで、英語は完璧じゃなくていいことに気付ける

  • 他の日本人が持っていないような珍しい体験ができる

  • 第三言語が習得できる

デメリット

メリットとは裏腹にもちろんデメリットもある。

例えば、周りが英語非ネイティブなために、ネイティブから英語をじかに学ぶことが難しい。ネイティブが使う表現、ネイティブの会話スピード、ネイティブの発音など、ネイティブの英語にあこがれている人にとっては大きなデメリットかもしれない。

正直英語レベルがそんなに高くない人は自分のことに精一杯だし、ネイティブから学ぶ以前に学ぶことがたくさんあるため、このデメリットは大した問題ではない。

一方である程度英語力があり余裕がある人は、新しい学びを得るという観点では、ネイティブに囲まれた環境のほうが好ましいだろう。

また、大学外では現地語の世界だというのもデメリットかもしれない。例えばスーパーなどで「この食べ物、英語ではこうやって言うだ」というような発見はない。

基本的に学校生活では英語が喋れるほかの留学生と一緒に行動したりするだろうから、英語圏に留学する場合と遜色ないが、ひとたび学校を出れば現地語の世界が待っている。

常に英語に触れていたい、少しでも新しい表現や語彙を知りたいと思っている人には物足りなさがあるかもしれない。

さらに留学先としてメジャーでない国に行くと、インターネットに情報があまり落ちていないという事もデメリットの一つだ。メジャーな国ならば、ビザ関係、日々の生活、学校生活などあらゆる情報が手に入るが、そうでなければ情報が少なく、困ることもある。

フィンランドの場合、やはり情報量は多くはなかった。一部の人がビザ関係のことなどをブログとして公開してくれていたためかなり救われたが、欲しいと思った情報がすべて手に入ったわけではない。

まとめると

  • ネイティブの英語を学ぶのが難しい

  • 学校の外は現地語の世界

  • 情報量が少ない可能性がある

実際に非英語圏(フィンランド)に留学した感想

フィンランドはどうだったかなどは他の記事で書くとして、英語という点から見て、フィンランド留学はよかった。

もちろんアメリカやイギリスなどの英語圏に行ったほうが良かったかもしれないが、フィンランド留学で満足できたのだ。

メリットのところで述べたように、英語は完璧じゃなくていい、伝える道具に過ぎないという事に気づけたのが大きい。

実をいうと、交換留学が決まった後、私の英語勉強モチベーションは下がっていた。これまで交換留学をするという事が英語勉強の大きな動機だったため、その目標が達成された後、英語を勉強する気が起きなかったのである。

留学に行けば自然とやる気も出るだろうと思っていたのだが、留学中もやる気はそんなに起きなかった。なぜなら、必要最低限学校生活を送るのにそこまで英語力で困らなかったからだ。もちろん友達を作るのは大変で、学内でも英語力が圧倒的に低いほうだとは感じていたが、切迫感はなかった。

それ故に、「せっかく高いお金と多くの時間を使って留学に来ているのだから、もっと英語勉強を頑張らなければいけない。完璧に、流暢にならなければいけない。それなのに英語を勉強する気が起きない。」という板挟みの考えが結構苦しかった。

そんな中で、周りの友達や学生と交流し、完璧を目指すのは相当大変で苦しいこと、完璧じゃなくていいこと、完璧じゃなくても英語で勉強して日々を送っている人がたくさんいることを知り、徐々に気負って勉強しなくてもいいんだと思えるようになった。

さらに、自分にはもっと他にも勉強しなければいけないことがあり、そっちをもっと頑張るほうが将来的に良いというのにも気づけた。

具体的に、私はITエンジニアになりたいと思っている。そんな私が英語学習ばかりやっているのはあまりにも勿体ない。

言語学習に終わりはないため、のめりこんでしまえば一生集中して勉強してしまう。しかし、私の目標は英語学習を一生し続けることで叶うものではない。

これからの英語学習との向き合い方を考えることができたのが非常に大きな収穫であった。日本に帰国した現在は自分の専門知識を増やすことに尽力できている。

では、実際の英語力に関してはどうか。答えとしては上がったと言える。

帰国後IELTSを受けようかと考えたが、30,000円を払う勇気がなかったため、具体的な数値で成長を示すことはできない。だが体感でも成長を感じるほどに成長はできたと思う。

特にスピーキングとリスニングの能力は上がったと思う。日常会話で大きく困ることはなく、留学前のIELTSの面接形式の試験であまりにひどい出来栄えだったのと比べるとかなりよくなった。

リスニングに関しては、様々なアクセントに触れられたのも大きな成長だったと思う。

ヨーロッパ人の留学生が多かったため、ドイツ語アクセント、フランス語アクセント、チェコ語アクセント、フィンランド語アクセント、イタリア語アクセント、スペイン語アクセントなど様々な言語のアクセントに触れられた。他にもインドアクセントやシンガポールアクセントも経験した。

普段英語を勉強するときはアメリカ英語、イギリス英語、オーストラリア英語辺りばかり聞くが、ひとたびアクセントが変わるだけでかなり聞き取るのが難しかったりもする。

そんな体験のおかげで英語力の向上につながった。

結局非英語圏への留学はおすすめ?

「英語力挙げたいけど非英語圏に留学するのはどうなんやろ」と思っている人には、非英語圏に留学しても問題なく英語力は上がると言いたい。

行きたい国が定まっている人やネイティブの英語を特に学びたいと思っている人以外は、非英語圏を候補に入れてもいいと思う。

それに、これだけ留学と英語について書いておいて何だが、留学で手に入れれるものは英語力だけではない。新しい土地で見知らぬ人に出会い、心身共に成長できるものだと思う。

私のように特別行きたい国が決まっていない人は、自分のあまり知らない国に飛び込んでみるのも良いのではないだろうか。


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