交換留学のためにIELTSを受けた話
※留学記事②
今回は交換留学の応募に必要な英語資格試験について書いていこうと思う。
人によっては交換留学最大の壁が、英語試験で規定のスコアを取ることであることも珍しくない。
私の場合はIELTSを受けたためIELTSを前提とした話になるが、ぜひ最後まで見ていただけるとありがたい。
交換留学に応募するにはどんな試験を受ける必要がある?
まずは交換留学に応募するために受験する必要となることが多い英語試験はどんなものかを見ていく。
主な試験は以下である。
IELTS Academic
TOEFL iBT
その他
交換留学に応募する学生の多くはIELTSまたはTOEFLを受験する。しかし、TOEICやDuolingo English Test、英検が認められるケースもある。
語学要件は志望大学によって大きく異なる。
英語圏以外の国へ留学する場合は、その国の母語も語学要件に入っている可能性があるため注意が必要である。例えばフランスの大学の場合、英語とフランス語のどちらも必要な場合がある。
また、「IELTS Overall 6.0以上 (各セクション5.5以上)またはTOEFL iBT 70点以上」のように具体的に試験名と必要点数が書かれている場合もあれば「CEFR B2以上」のようにCEFRのレベルが要件になっている場合もある。
(CEFRとは「Common European Framework of Reference for Languages(ヨーロッパ言語共通参照枠)」の略称で、「その言語を使って、具体的に何ができるか」を世界共通の基準で評価するためのものさし。A2からC2までの六段階評価。)
実際に応募する際はしっかりと語学要件を確認することが大切だ。
では、それぞれの試験がどのようなものかを見ていく。
IELTS
「International English Language Testing System」の略称で、海外留学や海外移住を目指す人の英語力を測るための世界基準の英語能力判定試験。イギリスのケンブリッジ大学英語評価機構、ブリティッシュ・カウンシル、IDP Educationという団体が共同で運営している。そのため、イギリス英語ベースの試験で、イギリスやオーストラリアへ留学するために良く受けられるともいわれるが、実際には世界中のほとんどの大学で認められる。AcademicとGeneralがあるが、留学のための語学要件として認められるのは専らAcademicである。
リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの四技能を図る試験で、各セクションごとに満点9点、0.5点刻みのスコアが付けられる。全体のスコアとしてOverallというものがあり、Overallは各セクションの点数の平均値が取られる。ただし、単純な平均ではなく、
小数点以下が .00 以上 .25 未満 ⇒ .0 に切り捨て(例: 6.125 → 6.0)
小数点以下が .25 以上 .75 未満 ⇒ .5 に切り上げ / 切り下げ(例: 6.25 → 6.5 / 6.625 → 6.5)
小数点以下が .75 以上 1.00 未満 ⇒ 次の整数の .0 に切り上げ(例: 6.75 → 7.0)
という特殊な端数処理を行う。
例えばリーディング6.5、リスニング6.5、ライティング5.5、スピーキング6.5の場合、四つのセクションの平均値は(6.5 + 6.5 + 5.5 + 6.5) / 4 = 6.25であるが、.25以上 .75未満なのでOverallは6.5となる。
交換留学で必要なスコアは5.5 ~ 6.5(CEFRでB2)であることが多い。5.5が最低ラインであることが多く、6.5が取れれば大体の大学の英語の語学要件に満たすだろう。大学によってはすべてのセクションで6.0以上など、指定が設けられている場合もあるため注意が必要である。
海外の大学、大学院へ進学する場合は7.0 ~ 7.5が求められることもある。
受験料は27,500円と高い。できるだけ受験回数を抑えて希望のスコアが取れるとよいが、複数回受ける人も多い。
IELTSは実際に私も受けた。私は1回目の試験でリーディング7.0、リスニング7.5、ライティング6.0、スピーキング5.5、Overall6.5を取ることができた。別の項目にIELTSの受けた感想などを書いたためそちらも見てもらいたい。
TOEFL
英語を母国語としない人を対象にした、主に「大学や大学院への留学」や「海外の教育機関への進学」のための英語力測定試験。アメリカのETSという非営利団体が主催しており、アメリカ英語ベースの試験。IELTS同様、世界中のほとんどの大学で語学要件として認められる。iBTとITPがあるが、留学の語学要件として認められるのはiBTであることが多い。
リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの四技能を図る試験で、各セクション30点満点、合計120点満点の試験である。
交換留学で必要なスコアは72〜94(CEFRでB2)であることが多い。大学ごとに細かな指定がある可能性があるため、要チェックする必要がある。
海外の大学、大学院へ進学する場合は95点以上が求められることもある。
受験料は約30,000円と高い。IELTS同様、できるだけ受験回数を抑えて希望のスコアが取れるとよいが、複数回受ける人も多い。
その他
多くの交換留学志望生はIELTSまたはTOEFLを受ける。しかし中にはTOEICやDuolingo English Test、英検が認められるケースもある(TOEICや英検が認められるケースは稀かもしれない)。特にDuolingo English Testは近年シェアを広げており、実際私も留学先でDuolingo English Testを受けて留学が認められた学生を見かけた。
Duolingo English Testはコスト面や手軽さから考えると素晴らしく、認められる場合は受けてみるのもありかもしれない。
どの試験を受けるべき?
ここではIELTS Academic、TOEFL iBT、Duolingo English Testのなかで、どの試験を受けるべきなのかを解説する。
私はIELTS Academicしか受けたことがないため、実際に交換留学を経験した大学生の一意見として受け取っていただきたい。
まず、個人的に一番おすすめなのはIELTSである。理由はほぼすべての大学の応募に利用することが可能であり、比較的必要なスコアを出しやすいと感じるからである。
単純に必要スコアを出す難易度で考えればDuolingo English Testが一番簡単で、TOEFL iBTが一番難しいと言われがちである。
Duolingo English Testは試験時間、手軽さ、受験料など多くの観点でIELTSやTOEFLよりも優れていると私は思う。しかしDuolingo English Testが志望先の大学で認められない場合や自大学の学内選考で認められない場合がある。また、比較的新しい試験であるため、試験対策のための教材等が十分ではない可能性もある。もしあなたが志望大学が決まっており、Duolingo English Testが認められている場合は受ける価値は非常に高いが、いくつか志望する場合、志望大学が決まっていない場合は選択肢から外さざる負えない可能性が高い。
また、IELTSとTOEFLを比べた場合、IELTSのほうが必要スコアを出しやすいと思う。その理由は以下である
TOEFLはIELTSよりも学術的な話題を取り上げることが多く、語彙レベルも高いため難しい。
IELTSの特殊なOverallの算出方法のおかげで、高いスコアが出やすい。
故に私はIELTSの受験をお勧めする。
一応IELTSに対する否定的な意見も紹介しておく。
一つはイギリス英語であること。私たち日本人はアメリカ英語をベースとして英語を学習してきた人が多いため、主にリスニングの試験でイギリス英語が負担に感じる人もいるだろう。しかし、個人的な意見としては、IELTSのイギリス英語は非常にクリアで分かりやすく、アメリカ英語を習ってきた私たちでも十分に適用可能だと思う。
二つ目はライティングの試験で7.0以上のスコアを出すのがとても難しいこと。これはよく言われる話で、IELTSは基本的にTOEFLより簡単だという人が多いが、ライティングだけはIELTSのほうが高得点を取るのが難しい。問題が特別難しいわけではないが、おそらく採点の仕方のせいで高得点を取るのが非常に難しいと言われている。しかし、交換留学に必要なスコア程度であればライティングが大きく足を引っ張ることはあまりないだろう。
これらがIELTSに対する主な否定的な意見である。
最終的には自分に合ったテストを選ぶべきである。しかし、特に得意不得意がなければ、IELTSを選ぶのが一番楽だと思う。
IELTSを受けた感想と攻略法
私は大学に入って6月ころからIELTSに向けて少しずつ勉強を始めた。参考程度に、当時の私の英語力について書いておく。
共通テストリーディング:87点
共通テストリスニング:86点
TOEIC(大学入学後すぐ):770点
英語は好きな科目ではなかったが、大学受験のために勉強したため、基本的な文法や語彙は理解していた。リーディングが比較的得意で、リスニングは共通テストで点が取れればいいやという程度の勉強しかしていない。ライティングは得意でも不得意でもなかった。スピーキングはほぼ経験がなかった。
私は帰国子女でもなければハーフでもなく、英会話にも通ったことはない。受験のため意外に英語を勉強したことはなかった。
リーディング (7.0)
受験戦士として英語を勉強してきた私にとっては大事な得点源のセクションである。
3つの長文問題からなり、内容は学術的なことがベースになっていることが多いが、単語レベルはそこまで高くはない。問題自体が難しすぎるわけではないがシンプルに時間が足りなくなるタイプの試験である。私も当日の試験は時間いっぱいまで使った。
True/False/Not Given系の問題は厄介で、2択で迷うことが多いが、時間が足りなくなるのは危険なのである程度運に任せるという戦略も悪くないと思う。
リーディングは比較的得意だったため、定期的に練習問題や過去問を解く程度の勉強であった。最初は時間が足りなかったが、徐々に早めるよう努力した。単語に関してはIELTS用の単語帳を買って勉強したが、途中でもう十分だと思い途中でやめた。単語は勉強するだけ役に立つため、勉強するに越したことはないが、点数が取れるならある程度で切り上げても問題ないように感じた。
リスニング (7.5)
勉強を始めた当初、そこまでリスニングは得意ではなかったが、IELTSを受験したときには大事な得点源となっていた。
問題としては、聞き取った単語を書くものや聞いた情報をもとに選択肢を選ぶものなどがある。単語のスペルで苦戦することがあるかもしれないが、根気強く間違ったものなどを覚えたり、日ごろの単語学習やライティング勉強の時にスペルを意識していくことが大切である。
IELTSのライティングは良い点が取りずらいこと、スピーキングで苦戦する日本人が多いことから、日本人にとってはリスニングを得点源にできるかは極めて重要である。また、スピーキングの際にもリスニング力は必要であるため、最重要セクションと言っても過言ではないかもしれない。
前述のとおり、私は受験のためにのみ英語を勉強してきたタイプの日本人であったため、リスニングは受験のリスニングテストの音声しかほとんど聞いたことがなかった。このタイプの場合、IELTSのリスニングのテストの小手先のテクニックやテスト慣れだけで点数を取りに行くのには限界があると感じるため、根本的にリスニング力を上げることをお勧めする。
具体的にはPodcastとYouTubeでひたすら英語を聞きまくった。朝起きてすぐにPodcastを付けて聞きながら朝の準備をし、登校下校中もPodcastを聞き、暇なときには海外のYouTuberの動画を見る。そんな感じで可能な限り英語を聞くような生活を何か月も送っていた。最初の頃は半分理解できるかどうかというレベルでも、しつこく聞いているうちにだんだん聞けるようになってくる。何かをしながら聞くことがほとんどなので常に集中して聞いているわけではないが、とにかく流し続けた。わからない単語があってもいちいち止めず、何度も聞く。たまにスクリプトを見ながら集中して聞くこともあったが、基本的にはたくさん聞くことを目標に頑張った。
そうすることでリスニング力が段違いにアップし、リスニングを得点源にすることができた。
PodcastやYouTubeは好きな配信者や内容があればそれを聞けばよい。もしない場合は、PodcastならCulips English Podcast(韓国在住カナダ人のPodcastで、非常にクリアで分かりやすい英語を話してくれる)、6 Minute English(英国のBBCが作成しているPodcast)、The Austin and Arthur Show(二人の日本在住アメリカ人やっていて、日本とアメリカの違いなどを発信)などがおすすめである。YouTubeは日本を題材にした動画がおすすめである。日本が題材であれば内容になじみがあり、動画の内容を理解しやすい。
ライティング (6.0)
問題は二つで、一つはグラフや図から読み取れることを描写する問題、もう一つは意見や考えを述べる問題である。
このような英語資格試験としてのライティングには型がある。「IELTS ライティング 解き方」などで調べれば、気を付ける点や使うべき語句などがたくさん出てくると思うので参照することをお勧めする。解き方がわかった後はひたすら練習問題を解き、型やよく使う語彙などを身につける。
問題を解くときは、スピード、型、語彙、文法ミスを意識していく必要がある。解いた後はGeminiやChatGPTに添削をお願いすれば、ミスやより良い回答について教えてくれる。
前述した通り、IELTSのライティングは高得点を取るのが異様なまでに難しいことで有名である。英語講師やIELTSを極めている人、ネイティブなどでなければ6.5~7.0あたりが限界値と思っておいたほうが良い。型を身につけ、それなりの語彙力を示し、文法ミスをあまりしなければ6.0まではいけるので、そこまでは頑張れるとよい。
スピーキング (5.5)
受験勉強をそれなりに頑張ったタイプの典型的な日本人は大抵スピーキングで苦戦することになる。
試験は試験官とのインタビュー形式であり、三つのパートから構成される。
スピーキング試験のコツ自体はインターネットやYouTubeを見ればたくさん出てくるので、参照することをお勧めする。
私はスピーキングの練習として
独り言
AIとの会話
オンライン英会話
留学生との交流
という四つの方法を取った。
簡単なのは独り言とAIとの会話である。独り言はその名の通り、一人で英語をしゃべるのである。例えば自分の好きなことについて説明したり家族について説明したりすればよい。AIとの会話ではGeminiやChatGPTの音声モードを用いて、様々なトピックについて話したり、模擬試験を行ったりした。相手がいない分プレッシャーを感じることがなく、どれだけ間違えても大丈夫なため、自信がない人はここから始めるのが簡単である。
しかし、実際の試験や留学ではもちろん人と話すわけなので、会話をスムーズに行おうとプレッシャーがかかる。そこで、オンライン英会話が役に立つ。実際に人と話す緊張感が味わえるため、良い練習になる。無料お試し期間を駆使すればそこまでお金を使わずに練習できるため、試してみるとよい。
最後に、私は留学生と交流できるサークルに入っていた。個人的にはこの交流が一番良い経験であった。
もちろんサークル内には日本人や日本語が十分に流暢な留学生も多かったため、英語半分日本語半分のような環境であった。しかし、自分の英語が伝わるのだという自信を得た場所でもあるし、自分の英語力の低さに悲しくなった場所でもある。
また。田舎で育ち、英語を話すことはおろか外国人と交流することが皆無な場所で生きてきた私にとって、初の国際交流の場であって、非常に多くの刺激を受けた。
最初は緊張するだろうが、外国から来た人たちと交流するチャンスがある人は是非一歩踏み出してみてはいかがだろうか。
以上がIELTSを実際に受けた感想と私がしてきた勉強である。
最後に
最初にも書いた通り、交換留学を目指すものにとって必要な英語試験のスコアを取ることが一番の壁になることは多い。
いかに早く英語の勉強を始めるかは極めて重要である。特に自分の英語力に自信がなければ、勉強に必要な時間は多くなるだろう。
しかし、私のように帰国子女ではなく、英語を自主的に勉強せず、英語系の学問を先行していないような工学部生でも必要なスコアは取れる。
交換留学が気になるという人は今すぐにでも勉強を始めよう。
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