《新NISA6️⃣》暴落が来ても売ってはいけない理由——「下落局面こそ最大のチャンス」を数字で証明する
「30%下落」のニュースを見たとき、あなたはどうするか
2020年3月、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、S&P500は約1ヶ月で33%下落した。
あの局面でNISAの積み立てを「怖いから止めた」「損が出たから全部売った」人は少なくない。
しかし数字の結果だけを見れば、あの暴落局面に積み立てを続けた人——あるいは思い切って買い増した人——は、その後の1〜2年で資産を大幅に増やした。
S&P500は2020年3月の底値から、1年後に約78%上昇した。
「暴落で売った人」と「暴落でも持ち続けた人」の結果は、天と地ほど違った。
ドルコスト平均法:下落が「お得な買い場」になる仕組み
毎月定額を積み立てる手法を「ドルコスト平均法」と呼ぶ。
この方法の最大の特徴は「価格が下がったときに、より多くの口数(量)を買える」という点だ。
具体例で見てみよう。毎月1万円を積み立てる場合。
基準価格が1万円のとき:1万口購入できる。
基準価格が5,000円に下落したとき:2万口購入できる。
翌月に基準価格が1万円に戻ったとき:2万口×1万円=2万円の価値になる。
下落局面は「損をする局面」ではなく「安く大量に買える局面」だ。
これがドルコスト平均法の本質だ。積み立て投資を続けている限り、下落は敵ではなく味方になる。
「暴落で売ること」がなぜ最悪の行動なのか
株式市場の長期データを見ると、一つの重要な事実が浮かび上がる。
年間の上昇日のうち、最も値上がりした「上位20日間」を逃すだけで、30年間の総リターンが約70%も低下する。(S&P500の歴史データより)
そしてこの「最も値上がりした日」は、暴落後の数日〜数週間の「急反発日」に集中していることが多い。
暴落で怖くなって売ってしまった投資家は、その後の急反発を取り逃がす。「暴落直後に売り、急反発を逃す」というパターンが、長期リターンを最も大きく損なう行動だ。
過去の暴落から学ぶ「必ず回復する」歴史
投資家が知っておくべき歴史的事実がある。S&P500は過去に何度も大暴落を経験したが、全ての暴落から回復してきた。
ブラックマンデー(1987年):約34%下落→約2年で回復。
ドットコムバブル崩壊(2000〜2002年):約50%下落→約7年で回復。
リーマンショック(2008〜2009年):約57%下落→約5年で回復。
コロナショック(2020年):約34%下落→約5ヶ月で回復。
もちろん「過去に回復したから将来も必ず回復する」とは言えない。しかし数十年単位の長期投資においては、「一時的な暴落で全てを失う」リスクより「暴落で売って回復を逃す」リスクの方が、はるかに現実的な脅威だ。
暴落局面での正しい行動指針
では暴落が来たとき、具体的にどう行動すべきか。
基本方針:積み立てを止めない。毎月の積み立て設定は自動で動かし続ける。価格が下がっているほど、多くの口数が買えていることを確認して安心する。
余剰資金がある場合:買い増しを検討する。暴落時に「怖い」と感じるのは自然だ。しかし余剰資金があれば、普段より多く買えるチャンスでもある。一度に全額入れるのではなく、数回に分けて少しずつ追加するのが精神的にも合理的だ。
やってはいけないこと:評価額を毎日確認する。下落局面で毎日口座を確認することは「痛みを毎日確認する行為」だ。感情的な売りを誘発する。週1回、または月1回の確認で十分だ。
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「長期投資の敵」は市場の下落ではなく、自分の感情だ
行動経済学の研究では、投資家が自分でパフォーマンスを損なう最大の原因は「下落時の感情的な売り」と「急騰時の感情的な追い買い」だと示されている。
市場の長期的な成長というエンジンは強力だ。そのエンジンを止めるのは、いつも投資家自身の感情だ。
新NISAを「20年・30年続ける仕組み」として設計し、相場に一喜一憂しない仕組みを作ることが、長期投資成功の最大の鍵だ。
このシリーズについて
全10話(本総集編含む)で完結です。
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エビデンス:
Vanguard – The Case for Staying the Course : https://advisors.vanguard.com/insights/article/caseforstayingthecourse
JP Morgan – Guide to the Markets : https://am.jpmorgan.com/us/en/asset-management/adv/insights/market-insights/guide-to-the-markets/
Investopedia – Dollar-Cost Averaging (DCA) : https://www.investopedia.com/terms/d/dollarcostaveraging.asp
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