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サイドFIREの資産取り崩しは「4%ルール」ではない

「FIRE達成後は、資産の4%ずつを取り崩して生活する」

FIREやセミリタイアを目指す人なら、誰もが一度は「4%ルール」というルールを耳にしたことがあると思います。
トリニティ・スタディと呼ばれる有名な研究をベースにした、FIRE界隈の常識とも言われる鉄板ルールですね。

あなたもこの数字を目標にして、「あと〇千万円貯めれば、4%ルールで月〇万円の不労所得が…」と、Excelや証券会社のツールで資産額をシミュレーションし、将来を妄想してニヤニヤしたことがあるのではないでしょうか。
私はあります。😅

ですが、働きながら自由な時間を楽しむ私たちサイドFIRE民にとって、この4%ルールはまったく意味がありません。

「えっ、あんなに有名なルールなのに!?」と驚かれるかもしれませんね。
もちろん、トリニティ・スタディをベースにした4%ルールそのものが間違っているわけではありません。
しかし、その計算式を「サイドFIRE」に当てはめようとすると、根本的な前提が崩れてしまうのです。

今回は、なぜ私たちが「4%」という数字の呪縛から完全に解放されていいのか、そして思考停止で「毎月〇%取り崩す」と決め打つことがいかに危険かについて、ロジカルに解説していきます。

計算式や数字のプレッシャーから抜け出して、もっとラクに、そして安心してサイドFIRE生活を楽しむためのヒントになれば嬉しいです!


1. そもそも「4%ルール」は完全FIRE(早期リタイア)用である

まずは、私たちが無意識に縛られている「4%ルール」の正体についておさらいしておきましょう。
4%ルールとは、1998年にアメリカのトリニティ大学の教授らが発表した論文(いわゆる「トリニティ・スタディ」)で提唱された、資産の取り崩しに関する有名な研究結果です。

簡単に言うと、「資産を株式と債券の特定の割合で運用しながら、毎年、初期資産の4%(インフレ調整あり)だけを取り崩して生活すれば、30年後も高い確率で資産が枯渇しない」というものです。

例えば、1億円の資産があれば、毎年400万円(月額約33万円)を取り崩しても、運用益がそれをカバーしてくれる可能性が高い、というわけです。
非常にシンプルで魅力的な響きがありますよね。

ですが、ここで絶対に忘れてはいけない前提条件があります。
このシミュレーションは、「労働収入がゼロであること(今後一切働かないこと)」を前提に計算されているのです。

つまり、4%ルールというのは、Fat FIRE(資産収入だけで余裕のある生活を送る)や、Lean FIRE(極限まで節約して資産収入だけで暮らす)といった、いわゆる「完全FIRE(早期リタイア)」を目指す人のための数学的なモデルなのです。

2. 労働収入があるなら、取り崩しは「4%以上」でも「0%」でもいい

先ほど、4%ルールは「労働収入ゼロ」を前提としているとお話ししました。

私たちのように働きながら自由な時間を楽しむサイドFIRE民の場合、毎月数万円であっても「労働収入(人的資本からのキャッシュフロー)がある」という事実が、この計算式を根本から覆してしまうのです。

具体的にどういうことか、生活のパターンを例に考えてみましょう。

① 0%(取り崩し不要)のケース

例えば、「今月は趣味の仕事や副業が順調で、生活費がすべて労働収入だけで賄えた!」という月があったとします。

この場合、あなたは投資資産(ポートフォリオ)から1円も取り崩す必要がありません。
つまり、その月の取り崩し率は「0%」です。

資産は市場で運用されたまま、次の月に向けて勝手に成長を続けてくれます。

② 4%以上のケース

逆に、「今月は体調を崩しちゃって…」「今月は売上が少なめだったな」と労働収入が減少したり、「猫の治療費がかかった」「旅行で大きな出費があった」といった月はどうでしょうか。

この時は、一時的に資産の「4%以上のペース」で取り崩すこともあるでしょう。

「えっ、4%を超えたら資産が枯渇しちゃうんじゃないの!?」と焦る必要はありません。
来月以降にまた自分のペースで仕事をして労働収入を得れば、長期的な視点で見た時のトータルの取り崩し率は、勝手に平均化されていくからです。

サイドFIRE最大の強みは、「資産収入」と「労働収入」という2つのエンジンを持っていることに他なりません。
「絶対に4%に収めなければならない」という呪縛は、私たちには必要ないのです。

3. 思考停止の「〇%決め打ち」が引き起こす暴落時の悲劇

ここまでの話で、「じゃあ、労働収入で足りない分を、なんとなく毎月定額(あるいは定率)で自動取り崩し設定しておけばラクじゃない?」と思う方もいるかもしれません。

実は、それこそが一番危険な罠です。

相場が良い時はそれで全く問題ありません。しかし、投資の世界には必ず「暴落」がやってきます。
投資の出口戦略において最も恐ろしいのは、「順序リスク(Sequence of Returns Risk:SORR)」と呼ばれるものです。

これは、「資産を取り崩し始めた直後に、株式相場が大きく下落すると、資産の寿命が一気に縮んでしまう」というリスクです。

例えば、資産が大きく目減りしているタイミング(株の価値が下がっている時)に、毎月生活費のために「機械的に〇万円」を取り崩すとどうなるでしょうか。
安い時に株をたくさん売ることになるため、後から相場が回復しても、元本が減りすぎていて資産が復活できなくなってしまうのです。

「4%(または定額)を絶対に取り崩す」という思考停止の決め打ちは、この順序リスクに真っ向から突っ込んでいくようなものです。
労働収入という「最強の盾」を持っている私たちサイドFIRE民が、わざわざ相場の悪い時に、大事な資産を安売りしてまでルールを守る必要はどこにもありません。

4. 必要な額を、必要な時に「都度」取り崩すのが最適解

では、暴落時の順序リスクを避けつつ、安心してサイドFIRE生活を成り立たせるためにはどうすればいいのか?
その答えは非常にシンプルです。

「毎月〇万円」や「毎年〇%」とガチガチにルール化するのをやめて、「今月は生活費が少し足りないから、必要な分だけ引き出そう」と、その都度取り崩す。

これこそが、労働収入というクッションを持つサイドFIRE民にとっての最適解であり、相場の下落から資産を守る最強の盾になります。
具体的には、相場の状況と自分のライフスタイルに合わせて、以下のような「自分だけの柔軟なマイルール」を持っておくことをおすすめします。

  • 📈【株高・絶好調のとき】
    資産が大きく増えている時は、少し多めに取り崩して今の生活を豊かにするチャンスです!旅行に行ってリフレッシュしたり、愛猫にいつもより高級なごはんやおもちゃを貢いだり(我が家では最重要項目です🐾)、今しかできない経験にしっかりとお金を使います。

  • 📉【暴落・低迷期のとき】
    株価が下がっている時は、資産の取り崩しをキッパリとストップします!その代わり、少しだけ仕事(労働)の比重を増やして生活費を稼いだり、日々の支出を見直したりして、資産を安売りせずに嵐が過ぎ去るのをじっと待ちます。

このように、「相場が良い時は資産の力に頼り、相場が悪い時は自分の労働力に頼る」というスイッチの切り替えができるのは、完全FIREにはない、サイドFIREだけの圧倒的な特権です。

思考停止で数字のルールに縛られるのではなく、その時の状況に合わせてしなやかに対応すること。
それこそが、心に余裕を生み、結果的に大切な資産を一番長持ちさせる秘訣なのです。

まとめ:数字の呪縛から解放されよう

FIREを目指す道のりでは、どうしても「数字」に囚われがちですよね。

「あと〇万円貯めなきゃ」
「利回り〇%をキープしないと計画が崩れる…」
と、シミュレーション画面と睨めっこしては不安になってしまう気持ち、本当によくわかります。

でも、あなたが「サイドFIRE」という生き方を選んだ(あるいは目指している)時点で、もうその厳密な計算式からは卒業していいのです。

何度でも言いますが、4%ルールはあくまで参考値であり、私たちを縛る絶対の法律ではありません。

「資産からの取り崩し」と「労働収入」という2つのエンジンを持つサイドFIREは、相場環境の変化に最も柔軟に対応できる最強のスタイルです。
数字の辻褄を合わせるために無理をするのではなく、「自分の人生(と猫)をどう楽しむか」を最優先にして、取り崩し額も働くペースも自由に決めていいのです。

未来の相場がどうなるかは誰にもわかりません。
だからこそ、計算式に縛られすぎるのはやめて、もっと肩の力を抜いてみませんか?

私はこれからも、相場が良い時は資産の恩恵を受けてちょっと贅沢に過ごし、相場が悪い時は愛猫を撫でて癒されながら、少しだけお仕事を頑張る……そんな「ゆるいマイルール」で、この自由な生活を満喫していくつもりです🐈✨

この記事が、あなたのサイドFIRE計画をもっとラクで、ワクワクするものにするキッカケになれば嬉しいです!

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