「もう少し整理してから相談しよう」——その間に、仕事を抱え込んでいた。
責められたくない不安って、人によって出方が少し違うと思います。
これで合っているか何度も確認したくなる人もいれば、
逆に、途中のままでは出しにくくて、自分の中で整えすぎる人もいる。
今回は、その後者の話です。
ちゃんとした形にしてから相談したい。
ある程度まとめてから共有したい。
そう思っているうちに、一人で持つ時間が長くなってしまう。
仕事で抱え込みやすい人って、
最初から人に頼る気がないわけじゃない。
むしろ、ちゃんとやりたい。
できるだけ整理してから相談したい。
相手の時間を無駄にしたくない。
そう思っている人のほうが多い気がします。
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相談が遅れる人は、やる気がないわけじゃない
たとえば仕事で、
「これ、どう進めるのがいいですか」と早めに聞けたら楽なのに、
なぜかそれができない時がある。
論点を整理してから。
自分なりの案を持ってから。
相手が答えやすい形にしてから。
そうやって整えているうちに、時間が過ぎる。
で、気づくと、
まだ相談していないのに頭の中ではずっと仕事を抱えていて、
一人で持っている時間だけが長くなっていく。
これ、怠けているわけじゃないんですよね。
むしろ逆で、ちゃんとやろうとしているから起きやすい。
「頼れない」より、「途中で出せない」が近い
抱え込みやすさって、
人に頼れない性格、で片づけられがちです。
でも実際には、
頼りたくないというより、
途中の状態で出すハードルが高い、のほうが近いことがあります。
まだ考えがまとまっていない。
結論までは出ていない。
この段階で出したら、浅いと思われるかもしれない。
そう思うと、
相談も、確認も、経過報告も、
「ある程度ちゃんとした形にしてから」となりやすい。
つまり、
助けを借りる前に、先に自分の中で完成度を上げようとしてしまう。
その丁寧さ自体は、悪いことじゃありません。
ただ、それが強くなりすぎると、
仕事の重さまで一人で引き受けやすくなります。
完成形を目指すのは、向上心だけじゃない
ここで少しややこしいのは、
本人の中では「質の高いものを出したい」という感覚があることです。
もちろんそれも本音だと思います。
雑なものを出したくない。
できるだけいい状態で渡したい。
それは仕事への誠実さでもあります。
でも、そこにもう一つ、
別の気持ちが混ざっていることがある。
それが、
責められたくない、です。
アドバイスや修正や指摘を、
ただの助けとして受け取れず、
どこかで「ダメ出しされた」に近く感じてしまう。
すると未完成の状態で出すことが、
ただの途中共有ではなくなります。
見せた瞬間に、
足りなさが見える。
詰めの甘さが見える。
考えの浅さが見える。
その痛みを避けたくて、
怒られないように、
責められないように、
直されるところを減らすように、
最初から完成形に近づけてから出そうとする。
これなら、相談が遅れるのも、
抱える時間が長くなるのも、かなり自然です。
丁寧さが、自分を苦しくする時がある
ちゃんとやる。
丁寧に整える。
相手の手間を減らす。
仕事では、どれも長所です。
でも、その長所がいつもしんどさの外にあるとは限りません。
本当は途中で一回出したほうが早い。
方向だけ確認したほうがズレが少ない。
経過だけ共有したほうが、あとで楽になる。
それでも出せないのは、
能力が足りないからじゃなくて、
未完成で見せることに緊張があるからかもしれません。
しかもこの緊張って、
表から見ると真面目さに見えるんですよね。
だから自分でも気づきにくい。
「ちゃんとしたいだけ」
「丁寧にやってるだけ」
そう見えるけれど、
内側ではずっと、
責められない形に整えようとしている。
それはかなり疲れます。
仕事を軽くするのは、完成度より出し方かもしれない
ここで必要なのは、
雑になることではないと思います。
完成度を捨てることでもない。
ただ、
完成してから出す、しか選べなくなっているなら、
少しだけ途中で出す練習を増やしたほうが、
仕事は軽くなります。
たとえば、
「まだ結論までは出ていないのですが、方向だけ確認したいです」
「整理しきれていないのですが、今の時点で共有します」
「たたき台ですが、一度見てもらえますか」
この一言があるだけで、
“完成してから出す”の一本勝負じゃなくなる。
100点にしてから見せる、ではなく、
途中で一回返す。
それだけで、
抱え込む時間はかなり減ります。
抱え込みを減らす第一歩は、「途中で出してもいい」と知ること
抱え込む人は、雑な人ではありません。
むしろ、本気でやる人です。
だからこそ、
自分の中である程度仕上げてから出そうとする。
その誠実さで仕事を支えてきた人も多いと思います。
でも、もし仕事が重いなら、
見直したいのは能力より順番かもしれません。
最後まで一人で整えてから出す、ではなく、
途中で出して、一緒に整える。
アドバイスを責めとして受け取りやすい時がある。
未完成で見せるのが怖い時がある。
そういう自分を責めなくていい。
その上で、
完成形だけを出す人になるより、
途中でも返せる人になる。
そのほうがたぶん、
仕事は止まりにくいし、
抱え込みも増えにくいと思うのです。
ちゃんとやりたい気持ちは、そのままでいい。
ただ、
“ちゃんとやる”の中に、
“最後まで一人で持つ”まで入れなくていいのかもしれません。
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▼合わせて読みたい
「これで出して大丈夫かな」と不安になる前に、
そもそも頭の中がどこで悪いほうへ動き出すのかを見たいときは、こちらもつながります。
「あとで少し話せる?」で、頭の中が一気に悪いほうへ動く。
もうひとつは、
確認しただけのつもりなのに、気づけば自分が背負う側に回ってしまう人へ。
相談する前に抱え込みやすい流れや、
“自分が動いたほうが早い”に入りやすい構図は、こちらにも書いています。
「確認しただけなのに、私が担当になる。」
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