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【毎週ショートショートnote】十中八九七五三

「十中八九、うまくいくタイプだよな」
僕の評価は、たいていこんな感じだった。
秘訣はひとつ、サイコロだ。僕はいつも、二十面のサイコロを持ち歩いている。なにかを決めるときはそれを振る。サイコロの目に従っていれば、間違えることはなかった。

特に、人と会う前には必ず振った。
決めごとはひとつ。七五三のどれかが出たら会うこと。
理由を聞かれるたびに、僕はこう答える。
「七と五と三を足すと十五。いちご一会、って言うだろ」

その日は、旧友と会う約束をしていた。
「こないだはドタキャンしちゃってごめん」
と連絡が来て、指定されたのは午後八時、駅前の喫茶店。出かける前にサイコロを振る。
一。もう一度。二、四、六。
何度やっても、七も五も三も出ない。

気づけば日が暮れていた。
握りしめたサイコロが手の中で汗ばんでいる。

その時、スマホにメッセージが届いた。
「ごめん、急に仕事が入って行けなくなった。今度、改めてどう?」
僕はサイコロをポケットにしまい、簡潔に返信を打つ。
「いいよ。いつでも」

ほっとしたけれど、ふと考えた。会えないことが続くのは、果たして偶然なのかと。
ポケットに入れたサイコロが、冷たく存在感を主張していた。

(492文字)

前回のお題はこちら⇩


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