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29時間を古本屋で過ごし、パフェを作って読書の豊かさを知る|泊まれる古本屋山猫堂 in 岩手県陸前高田市

本を読む時間は豊かなんだと思う。しとやかな朝の光に照らし出された築180年を超える古民家ーー泊まれる古本屋山猫堂で本を読みながら、ふとそんな想いを抱いた。


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古本屋で過ごす29時間。パフェを作って読書を満喫する|泊まれる古本屋山猫堂 in 岩手県陸前高田市

春のきらびやかな陽光に照らされた2026年5月9日、猛烈な強風の中、車を走らせて岩手県陸前高田市の泊まれる古本屋山猫堂を訪れた。泊まれる古本屋山猫堂は、その名の通り宿泊できる古本屋である。

泊まれる古本屋山猫堂

店内には、文学作品や詩集、SF、美術書、哲学書、映画や音楽に纏わる書物など、様々な古書が空間を彩るように並んでおり、またレコードや古着、小道具・雑貨などが所狭しと並んでいる。

空間そのものがアート。そう想わずにはいられない。極彩色でありながら、決して目が痛くならない絶妙なバランスで彩られた鮮やかな空間は、ただそこに居るだけで感性が研ぎ澄まされるような、創造性が刺激されるような感覚になる。

古本屋に泊まりながらパフェを作ってタケノコの炊き込みご飯を食べる

泊まれる古本屋山猫堂を14時頃に訪れて、チェックインする。宿泊の説明は先月受けていたので、荷物を整理し、その足で台所に向かった。先月同様に、料理をするためである。といっても今回作るのはパフェである。

先月のお煮しめほど料理料理していない。もっともちゃんと作ろうと思えば、お煮しめ以上に難易度の高い料理になるのだと思う。それほど本格的なパフェを作る予定ではなかったので、料理料理しなかっただけである。

パフェ作りに用いた素材。リンゴは使わなかった

前回同様に、泊まれる山猫堂オーナー・越戸 氏の御子息(5才)とともに調理に取り掛かる。御子息の希望で、果物の皮剥きは私が担い、カットは彼が担った。齢5才にして家事の分担を大事にする素晴らしい御子息である。

果物のカットを終えたところで、ファミレスのパフェ作り同様に、グラスに具材やソース(ジャム)などを積んでいく。ファミレスではないので、各々思い思いに積んだ。最終的に筆者が作ったのが以下の写真のものである。

パフェ(多分)

その場に居た全員でパフェを頂き、その後、御子息と戯れたり、夕飯を取ったりし、皆で話したり、また戯れたりしつつ夜を過ごす。文字通り、家庭を感じられる時間を過ごせるのは、泊まれる古本屋山猫堂ならではの魅力で、とても好い。

夕食用に作ったタケノコの炊き込みご飯
夜の泊まれる古本屋山猫堂

朝の光に照らされた庭を見ながら本を読む豊かな時間を過ごす

朝起きて、台所に向かう。台所の窓から外を見るのが堪らなく好きだ。朝の光に照らされた新緑の鮮やかさが目に好い。生を感じられる瞬間とはこういった時間のことを言うのかもしれない。

朝の景色
朝の光に照らされた玄関前

朝食を済ませ、縁側近くの座席に座って本を読む。目線を本から上げれば、鮮明な光に照らされた古式ゆかしい日本家屋の庭が広がっている。目にも精神にもとても好い。居心地の好さを存分に感じられる。なんと豊かな時間だろうか。

朝の光に照らされる庭を前に本を読む

その後、19時頃まで店内で本を読む。間に、越戸 氏と東日本大震災後の陸前高田市の話や私の人生についての話を交わし、また木津谷 氏が仙台から運んできた新たな相棒との接触などを挟みつつ、本を読む。

ゆったりと座れる椅子に座り、店内を流れる音楽に身を委ねながら、じっくりと本を読み続ける。改めて考えるに、それはとても豊かな時間に思える。スマートフォンやゲーム機を通じて、誰もがカジュアルに娯楽に触れられるようになった。

一方で、かつて娯楽だった読書は、コストパフォーマンス(コスパ)・タイムパフォーマンス(タイパ)の悪い娯楽になったと言われて久しい。しかしながら、そんな忙しない時代だからこそ、ゆったりとした時間を過ごせる読書は豊かな行為に感じられるのでなかろうか。

文字を読み、想像を働かせ、そして一枚一枚ページをめくる。その慎ましやかな時間の過ごし方は、穏やかな刺激と疲労感の少なさ、それでいて心を満たしてくれる。そんな時間の過ごし方が豊かでないはずがない。

泊まれる古本屋山猫堂で過ごした29時間は、そんな本を読む時間の豊かさに気付かせてくれる素晴らしい時間だった。この機会に、ぜひ本を読む時間を取って欲しい。そのときには、ゆったりとした時間を過ごせる場所で、本を楽しんで欲しい。

今、本を読む人が増えることは世界が変わることにつながると思う。もちろんそこまで大きい話でなくてもいいけど、もし、この文章を読んで気持ちが動いた人は、今晩10分でもいいから本を読んでほしい。

泊まれる古本屋 山猫堂

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