忘れないための時間を原爆詩・戦争にまつわる物語の朗読とともに過ごす|「八月六日の未来の君へ 2026」in 泊まれる古本屋山猫堂(岩手県陸前高田市)
遠い日、遠い世界の話を、我々は一体どれくらい、どれだけ忘れずにいられるだろうか。たとえば”9.11”。2001年9月11日にアメリカで起きた同時多発テロ事件を今なお覚えている日本人は、どれだけいるだろうか。
どれだけ大きな悲劇に見舞われ、衆目が注目した事件、出来事であっても、それが身近で在り続けなければ、身近であってさえ、我々は時とともに忘れていってしまう。
忘れずにいるというのは、とても難しく、とても険しい道のりだ。記念日や祈念日をつくるのは、きっと忘れずにいるための抵抗なのだろう。忘れずに、大切に覚え続けるための覚悟を込めた尊い行為だ。
「これは、忘れないための時間です。」
2026年8月6日、岩手県陸前高田市の泊まれる古本屋山猫堂で、「八月六日の未来の君へ 2026」が開催された。本企画は、同市を拠点に演劇の企画・制作などを行う団体であるアイエヌワイビーエルが主催し、サポーター及び有志が原爆詩や戦争に纏わる物語を読む内容となっている。
戦禍を描いた物語に触れ、かつてあった人災、過ち、悲劇を想い、学び、考えるーー忘れないために。
四国五郎
「戦争詩 ~おふくろよさようなら~」
「戦争詩 ~軍事郵便~」
峠三吉
「原爆詩」
ロイス・ローリー
「 ON THE HORIZON 水平線のかなたに」
原民喜
「原爆小景」
谷川俊太郎
「せんそうしない」
「八月六日の未来の君へ 2026」では、上記詩、物語に加えてオリジナル脚本が加わり、全12本の朗読が行われている。また、合間に3曲、2曲のピアノ演奏が取り入れられた。
泊まれる古本屋山猫堂には、10名以上の人々が訪れ、12本の作品に触れた。朗読会の終了後は、歓談する者、朗読や朗読された作品、戦禍について語らう者など、各々が各々の時間を過ごしている。
「八月六日の未来の君へ 2026」の中で、参加者同士で意見を交わすといったことは行っていない。これは、忘れないための時間だ。物語に触れ、かつて起こったこと、生きた人々、浮かんでは消えそうになり、それでも残り続けた想いについて考える時間だ。
すべては、忘れないために。同じ過ちを、悲しみを、苦しみを、絶望を、繰り返さないために。8月6日というこの日に過ごす、尊く、大切な時間である。人は、忘れてしまう生き物だから。忘れないための時間を過ごすのだ。
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