関係人口につきまとう疑問を考える|「ぬまトーーク」作戦会議vol.2|宮城県気仙沼市
関係人口を自分の言葉で語れるだろうか。何事につけても自分の言葉で語るというのは簡単なようでいて難しい。他人の話を右耳から左耳へと流すように、他者の言葉に右に倣えでみだりに語る方が楽だ。関係人口も、国が語るままに国の言う通りのものだと語る方が楽に違いない。
宮城県気仙沼市では、そんな関係人口を自分の言葉で語れるようになる願いを含めつつ、2026年2月15日に開催する「ぬまトーーク」の作戦会議を実施している。同市の担い手育成支援事業である「ぬま大学」のOB・OGなど関係者を中心に集まり、どのような機会にするかを議論している。
作戦会議の一回目は2025年12月23日に行われた。そして二回目が2026年1月13日に行われている。今回のnoteでは、その様子について記録しようと思う。なお、2月15日に開催する「ぬまトーーク」は、オンライン開催も予定している。関係人口について考えたい人は、参加を検討して欲しい。詳細は、以下のInstagramをチェックするのを推奨する。参加申し込みは以下のフォームからになる。
参考:Instagram
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関係人口について考える「ぬまトーーク」作戦会議vol.2|宮城県気仙沼市
「ぬまトーーク」作戦会議の二回目は、一回目同様にチェックインから始まり、今回の作戦会議や予定している「ぬまトーーク」の趣旨に関する説明を挟んで、関係人口に関する議論へと進んだ。議論は、「ぬま塾」当日に参加者同士で行うワークの内容や話を聴きたいゲストについて意見が交わされている。
交わされた意見の詳細を書くのは控えるが、第一回目で集まった意見をより深化させた形で、関係人口に関する捉え方について多くの意見が交わされた形である。関係人口という言葉は、国によって定義めいたものが出されている雰囲気があるが、その捉え方は人によって大きく違う。
そんな現実が、短い時間、決して多くない人の間でも明るみになっており、改めて関係人口にまつわる様々な政策・施策というのは、定義めいたものに巻かれる形で行われるべきではなく、人々の思考や志向、思想などを丁寧に汲み取りながら、より現実に根差した形で取り組まれる方が好ましいと感じられる時間であった。
総務省の語る「関係人口」から零れ落ちる人々に想いを馳せる
「ぬまトーーク」の話から少し離れ、筆者個人のお気持ちをつらつらと並べようと思うなどして文章を続ける。
「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域や地域の人々と多様に関わる人々のことを指します。
地方圏は、人口減少・高齢化により、地域づくりの担い手不足という課題に直面していますが、地域によっては若者を中心に、変化を生み出す人材が地域に入り始めており、「関係人口」と呼ばれる地域外の人材が地域づくりの担い手となることが期待されています。
総務省によれば、関係人口とは以下を指す。
①移住した「定住人口」ではない
②観光に来た「交流人口」ではない
③地域や地域の人々と多様に関わる人々である
④地域づくりの担い手となることが期待される地域外の人材である
関係人口という字面のみを見れば『誰でもいいじゃん』くらいの印象を受けるが、総務省によれば関係人口とはすこぶる限定された人々を指すことになる。観光に来て地域や地域の人々と多様に関わる人間はどうなのだなど突っ込みどころが目立つ粗の多い定義であるが、それでも総務省が一生懸命考えて導き出した苦肉の定義なはずだ。
もっとも上記の文面から推察するに、関係人口を構成する要素として重要なのは、『人口減少・高齢化により、地域づくりの担い手不足という課題に直面している地方圏の担い手となる人々』だと考えられる。つまり先の定義自体は、どうだって良い。有り合わせの言葉を並べた程度の意味しかないのでなかろうか。粗が目立つというのはそういうことなのだと思う。
そもそも巷で言われている通り「定住人口」の増加を掲げた政策がものの見事に数字を出せなかったため、苦肉の策として現れたのが「関係人口」だと考えるのが自然である。地方創生の失敗を取り繕うための付け焼刃の概念。スコープを広げれば数字は嵩増しできる。ビジネスでよく見られる景色であり、その産物が「関係人口」とすれば、フワッとするのに違和感はない。
一方で、「定住人口」という概念だけでは、地方を支えるプレイヤーたちを上手く表現できなかったのも事実だ。東京都内に住んでいる人々の中でも、地方の維持存続を支えているプレイヤーはごまんといる。「定住人口」という言葉だけでは、彼ら彼女らの貢献を表すのは極めて難しい。「関係人口」ならば、そんな彼ら彼女らに報いられる。
だとしてもだ。やはり「関係人口」の定義めいたものには違和感が大きい。それこそ「定住人口」と差別化するのは何故だろうか。地域外から移住し、その地域の担い手として地域や地域の人々に対して多種多様なコミットを行っている人々は数多い。彼ら彼女らは「関係人口」ではないのだろうか。
「ぬまトーーク」を運営する合同会社colereの方々然り、宮城県気仙沼市の隣、岩手県陸前高田市の山猫堂を運営している方々然りだ。その他にも東日本大震災以降、数多くの人々が被災地に移住し、その地の復興を支え、担い手として日々奮闘している。彼ら彼女らは、「関係人口」ではないのだろうか。
移住した人々に限らない。もとよりその地域で暮らし、仕事をし、家庭を持ち、子供を産み育てている人々は、まさに地域の未来を繋いでいる人々であるが、彼ら彼女らは「関係人口」ではないのだろうか。総務省の提示する「関係人口」は、あまりにも零れ落ちている人々が多過ぎる。
2月15日に開催する「関係人口」をテーマにした「ぬまトーーク」では、そんなあまりにも茫漠として疑問の尽きない「関係人口」について考えを深められる時間になると思われる。宮城県気仙沼市を来訪できる方々はもちろん、オンラインならば参加できる方々も、ぜひ注目して欲しい。
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